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*Non-daily life  作者: 久夾
7/7

7.起きないと…


「あ、唯。何か食べる?」


縁先輩と話していた壱夜先輩が、あたしに話しかけてきた。

1人虚しくぼーとしていたせい…だと思うけど。


あたし達は、テーブル席に座っていた。

あたしの隣に、壱夜先輩。前に千景先輩。そして斜めに縁先輩がいた。


「あ…うーん…、軽いものが食べたい。」


そういえば…、此処に来てから何も食べてない気がするのは気のせいだろうか…。

壱夜先輩が、カウンターの中にいる人に話しかけ、軽いものっと言った。



「じゃあ、これも言った方がいいよな。」


「それは、お決まりの台詞でしょ。」


「まぁ、そういうのもないとね。」


壱夜先輩が、あたしの代表の言葉を書いてくれている…が、あたしはこの人に今は感謝しない方がいい。

あとで何が起きるか…理解できてからにした方がいいような気がする。

千景先輩が夕飯をほお張りながら、壱夜先輩と会話する。お決まりの言葉は言った方がいいよう…。

そして、縁先輩も軽く何か食べる、というよりもつまんでいる。

食べてないのは、壱夜先輩だけ…。


いつ、食べたのこの人は…?


そんな事を思っていても、前に出された料理を目の前にして言うつもりは無い。


今日は色々あった、という事で夕飯が食べ終わってから、視界がうとうとし始めた。

その様子に、壱夜先輩が気付き


「寝たいなら、寝て良いよ。」


…寝ます。寝ます。寝ます。

まぁ、此処で寝ても壱夜先輩の性格からすると帰る時には起こしてくれそうだし。大丈夫…だよね。




あれから、どれくらい時間が経ったのか寝ているあたしにはわからなかった。


「千景も寝たのか…。縁、今何時?」


壱夜先輩が縁先輩に時刻を聞いている。

この様子からすると、縁先輩は壱夜先輩にずっと付き合っていたのだろう、と思える。


まぁ、内容はあたしがやる代表の…なんだけど。


「今は11時。俺も早く寝たいんだよね。」


ちらりと、視線だけを左手についている腕時計にもっていく。

針は11時を告げていたらしい。


このカフェテラスらしき所に来てから、4時間経っていた。


「もうそんな時間…?で、この2人どうする?」


壱夜先輩が寝ているあたしと千景先輩を指差して言う。


「此処、結構寒いからね。連れていった方がいいのだけど…千景は運べるか。」


千景先輩の事はどうでもいいように、吐き捨てる縁先輩。

でも、無理はない。千景先輩は身長が181cmあるのだから。

それに比べて、壱夜先輩は178cm、縁先輩は174cmあるらしい。


話によれば。

ちなみに、あたしは大きくも小さくもない162cm。

どうして、3人はこんなに背が高いのか。

憧れやしないけど。


「ちーかげ、起きろ。そんな所で寝てると風邪ひくぞ。」


壱夜先輩が千景先輩の耳元で、手を叩いたりして起こそうとする。

千景先輩がその音に気付いたのか、ん、とだけ声を上げた。

が、起きる気配は一向に無い。


「縁、起きないんだけど…」


「ちょっと、壱夜。耳貸して」


ん、とだけ壱夜先輩は返事をすると縁先輩の方に近付いてった。

そして、耳元で縁先輩は壱夜先輩に何か小声で言っていた。


壱夜先輩は、ニヤリと顔を変えると縁先輩から離れ、千景先輩に近付いた。

すやすやと眠る千景先輩の耳に壱夜先輩は



「千景、起きないとキスするよ。」



それが聞こえたのか、気配で感じとったかは千景先輩本人しかわからないがビクッと肩を

上げ、起きた。


「壱夜っ、なんか言ったっ?」


「いいや、何にも。な、縁」


「千景、怖い夢でも見たのか…?」


あんな事を言って正常でいられる先輩達が凄い…。


「唯、起きろ。」


と壱夜先輩にあたしは頬をぺちぺち軽く叩かれる。


「今…何時?」


ソファにもたれかかっていた身体を起こし時計を探した。


「今は11時12分13秒。」


即答された。縁先輩に。

あたしは眠い目を擦り、足を床につけようとしたその時、突然カフェテラスの扉が開い

た。


「まだ、居たんだ。」



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