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☆船の上で食材狩り

 釣果も上々♪

あんまりにも調子よく釣れるものだから、ついつい夢中になってしまった。

釣れた魚を確認してみると、イワシみたいなどっちかというと小さめの魚が多い。

気が付いたら、所持品の枠がヤバい事になってる。


「これだけ大量に釣れれば魚料理も色々作れるし、そろそろ釣りもおしまいにしよっか?」

「……もうおしまいなのかね?」


 不満そうな声を漏らすけど、アルの場合、釣りがしたい訳じゃないよね?

わたしが釣りをしている間中ずーっと、べったりくっついている時間の方が長かったし。


「ベタベタするだけなら、別に釣りをしてる必要ないじゃない」


 だから、わたしがそう言って口をとがらせると、彼はあっさりと釣り具をしまい始める。


「ふむ。では、続きは君の料理が出来上がった後のお楽しみにしておくことにしよう」


 アルってば、あれだけ引っ付き虫になってたのに。

まーだ、ベタベタし足りないんか……。

半ば呆れて、そう口にしかかったところで、突然船が大きく揺れた。

バランスを崩して思わずアルにしがみつくと、彼は嬉し気にわたしを抱き寄せる。

何が起きたのかと視線を巡らせると、アルの背後の海から這い上がってくる多足生物の姿。

わたしがそれを視認するのとほぼ同時に、艦内放送が流れる。


『ご搭乗の皆様にご案内いたします。

只今、モンスターの襲撃を受けております。

安全の為、迎撃に協力頂ける方以外は船室からお出にならないようお願いいたします。』



 船によじ登ってきたモンスターがわたし達を確認すると、すぐにその頭上に水の球が現れた。

触腕の一つがアルに向けられると、ソレはものすごい速さで彼に向かって飛んでくる。


「アル、後ろ!」

「うむ?」


わたしが声を上げると、アルはすぐにそちらに向かって手を向け風の魔法で水の球を散らす。

戦闘、開始だ!

すでに甲板の上では、船の側面からよじ上がってきた多足生物を相手に武器を振り回し始めた人がチラホラ見える。

わたしも大急ぎでいつもの兎殺棒を取り出しすと、アルの前に足を踏み出す。


 敵になる多足生物の大きさは1メートルくらい。

横にプックリしていて足は短めだ。

コウイカってヤツが見た目のイメージに近いかもしれない。

ちょっぴり大きなつぶらな瞳が可愛く見えるけど、わたしの好みはフワフワ生物。

海洋生物はお呼びじゃない。

大きいだけあって、ウサギみたいに一撃で……ってわけにいかないのが面倒だけど、そんなに強くはないみたい。

なにせ、わたしが二回、アルの風魔法を一回で倒せるし。

でも、油断は禁物。

なにせこのイカモドキの他にも、鼻先がナイフみたいになっている魚が海中から飛び上がって来ているんだもの。

イカモドキにばっかり構っていると痛い目をみそう。

トビウオに似た雰囲気の、青っぽいその魚は二メートル位はあるんじゃないかな?

食いでがありそうで、料理するのが楽しみ♪


「あら、イカ君のお仲間ね」

「これは、なかなか食いでがありそうだね」


 ちょっぴり離れたところで釣りをしていたハニーちゃん達も、当然、この戦闘に巻き込まれてる。

どうも、彼女たちが最初に相手にしたのはトビウオモドキだったらしい。

わたし達がイカモドキを相手にしているところに合流してきてくれたから、ちょっとホッとする。

あんまり戦闘は得意じゃないから、前衛がわたしだけとか気持ち的にきつかった……。


「リリンちゃん、下足焼きよろしくおねがいするわ」

「いきなり料理の注文かいwww」


 それはそれとして、イカ下足君の開口一番の共食い宣言に思わず草が生えた。


「塩辛でもいいわ。」


 どんだけ、イカ下足が好きなのかと思いつつ了解の返事を返すと、アルがポツリと呟く。


「……ソレは料理の名前かね?」


 それよりも、アレが食べれるのかと言う目つきでイカを見ながら、彼は風の刃を飛ばしてそれを切り裂いた。


「うん。好き嫌いはあるけど、美味しいらしいよ?」

「あれ、リリンちゃんは食べないん?」


 イカ下足君はよじ登って来るイカモドキを撲殺しながら、残念そうな声を上げる。


「ナマグサ苦手なんだよねぇ……。魚の卵もダメ」

「ありゃりゃ。ザンネン」

「でも、作るのは出来るから安心しといて♪」


 作るのは平気だから、ソレを告げると彼は喜色を浮かべて張り切ってイカを叩きだす。


「飛んでくる魚は……トビウオっぽいからナメロウがいいかな~?」


 ハニーちゃん達がイカをメインに叩き始めるのを見て、わたしはトビウオっぽいのに標的を絞る事にする。わたしがそっちをメインにし始めると、アルからも援護が飛んでくる。


「食材系のモンスだし、頑張って狩るよ~♪」


 わたしが彼にそう声を掛けると、楽しげに目が細められる。


「どんな料理が出来てくるのか、楽しみだ。」

「その挑戦、喜んでお受けしましょう♪」


 そして、うっかりアルの挑戦を受けて立ってしまったわたしのアイテム枠が更に圧迫されて、悲鳴を上げる羽目になるの……まあ、自業自得ってやつかな……。

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