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プロローグ
目の前を真っ赤な熱風が覆いつくしていた。眼前で激しく燃える車体の外に弾き出された、小さい存在が苦しそうに手を伸ばし踠いている。
それを歪む視界に入れながら、絶叫した。慟哭、哀哭、血涙。
喉から絶望と悔恨の悲哀が迸る。
「いけませんっ、あなたも巻き込まれます!」
「離せっ、まだ生きている! 助けなければっ、救わなければっ……」
誰よりも可愛くて愛おしくて優しい、守るべき相手。小さな手で自分の手をギュッと握ってくるのが本当に愛おしかった。傍でずっと自分が守ると密かに誓ったのに。
「離せっ!」
「……申し訳ありません」
「ぐっ……」
突如首に襲った衝撃に、意識が遠のいていく。
「たとえあなたに恨まれようとも、ここであなたを失う訳にはいかないのです」
彼の苦渋に満ちた声を聞きながら、薄れゆく意識は闇の中へと落ちていった。




