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輸送艦オリオン~SF異世界に転生したら、女体化したうえ大型輸送艦の艦長になりました!最強輸送艦で商人プレイ!~  作者: 黴男
η-探検隊加入編

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407/463

404-Not Found.

タイトルはあんまり関係ありません、

遊び心と思ってください

そして、凪の時間がやって来た。

俺たちは隊列を組み、帰らずの渦の外縁部までワープして来た。


『これより、帰らずの渦に侵入する! 内部では電波干渉が起きる可能性があるため、各員は不測の事態に対応できる人員を準備しておけ!』


サボランによる指令が飛ぶ。

俺は目の前の光景を見ながら、手に汗握る思いでいた。

目に映るのは、雲海。

二つの黒い部分を持った渦の中央を囲むように、雲のような何かが渦巻いている。

雲の向こうは見えないものの、紫の強い光が輝いていた。

そして、雲と雲、嵐と嵐の間を走る青や紫の稲妻。

その大きさは様々だが、オリオンでも当たったらタダでは済まなさそうだ。


「オリオン、緩衝地帯へ進入。外部の電波に乱れが発生しています」

「ペルソナ、集中モードに入って、常に艦隊の周囲をモニターして」

「はい、分かりました」


ペルソナが席ごと下に降りていく。

俺はそれを見守り、舵を握り込む。


「リリー、緊張してんのか?」

「いや、全然?」

「顔が青いぜ」


ナスカにも見抜かれるようではダメか。

俺は一旦深呼吸する。

その時、窓の外で紫電が走った。


「っ」

「大丈夫だ、オリオンのシールドはこれくらいじゃ破れねえよ」

「わかってるけど」


既にオリオンはシールドを展開している。

だからこそ、気分は悪くない。

ただ、他の船が嵐に飲み込まれたらと思うと…

目の前で人が死んでいくのは、いくら見ようと慣れるものではない。


『現在進度8%』

「…思えば、巡航速度でこんなに長く走ったのは久々かもしれない」

「だな、やっぱりワープはスゲー技術だ」


とはいえ、そんなワープも性質上巨大な重力井戸に妨害されてしまう。

帰らずの渦に入った時点で、ワープで逃げる事も、ワープで奥に行く事も無理だ。


「だからこそ、アンタらは行くんだろう? この先に価値があるモノがあると思って」


後ろからシアラの声が飛んでくる。

俺は無言で頷く。

その時、


『一隻が隊列を離れます。プラズマ雲と衝突したようです』

「大丈夫なの?」

『はい、調査艦がトラクタービームを照射しているのが観測出来ました』


唐突に一隻がレーダーの中心から大きく動く。

ビビった俺だったが、流石に立て直しは早かった。

そして、


『各員に…絡、前……に……型……』

『大型雲、来ます!』


続けて、ペルソナが叫ぶ。

無線はほとんど聞き取れなかった。

受け身を取る暇も無く、船が雲に突っ込む。

無数の閃光が走り、数秒後に抜けた。


『センサー回復。艦隊の二隻が映りません』

「…!?」

『いえ、雲を抜けて来たようです、レーダーに反映されました』

「…よかった」


俺は胸を撫で下ろす。

その時。

左にいたコルベットを、一条の稲妻が貫いた。


『コルベット、シールド限界値を超えました! 通信ロスト!』

「捉えられない?!」

『無理です』


システムダウンしたのか、コルベットはそのまま直進を続ける。

そして、風に煽られて姿勢を崩す。

そのまま上へと落ちて行き、レーダーの範囲外に出た。


「死んだ…?」

『リリー様、精神的にお辛いようであれば操縦を代わりましょうか?』

「…ううん、大丈夫」


ここは恐ろしい場所だ。

俺は確かに、そう感じた。

そして探検隊は取り乱す事はなく、冷静に進んでいた。

俺はそれを見て、狼狽える事は余計な感傷なんだと実感した。

ここは海の上ではなく、音を伝える空気はない。

だが、ここは確かに大荒れの海なのだ。

甲板を叩く雨音も、人を飲み込む黒い海もないが、油断せずとも死が訪れる場所だ。


『進度48%、上部に落雷、ただしシールドに阻まれて本艦に影響はありません』

「わかった」

『………絡! ……に……な………!』

『前方に巨大な落雷予測! 全ての艦が10時の方向に転進!』

「わかった!」


俺は舵を切る。

そして、ペルソナの言葉通りに巨大な雷光が下から上へと流れる。

だが、回避したと思った瞬間に風向きが変わる。

舵が効かなくなり、俺はより強く舵を引いた。


『隊列が離散します』

「…っ!」


ここまでか。

俺は唇を噛む。

だが、次の瞬間には船の姿勢制御が急に上手くいく。

散り散りになっていた船団の間を、無数の稲光が駆け抜ける。

風域を抜けたらしい。

気付けば、雲の層が近い。


『…々は、これより…“嵐の壁”へと……入する』

『進入限界点、“嵐の壁”まで残り500kmです』


つまり、この先へ行くということか。

分厚い雲の層、渦巻くプラズマ雲の中央にある、動かない巨大な雲だ。

前回は、凪を見計らって突入したもののこの壁に阻まれたという。

そうか、なるほど。


「なるほどな、死んだやつにビビらねえわけだ。ここでまとめてくたばる覚悟かよ」

「…やっぱり」


プラズマ雲の中を突破する上で重要なのは、時間だ。

この層がどれだけ分厚いかで、生きるも死ぬも決まってしまう。

つまりは…


『先鋒が突入します』

「よし、このまま直進」


雲を抜けた先で、何隻残るかは誰にもわからないという事だ。

大きな不安を胸に、オリオンは分厚い雲の中に飛び込んだ。


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