変化についていけないおっさんの話
『昔はよかった』
この言葉を口にするのは、自分がおっさんであると認めているのと同義だと思う。
今を楽しむことのできない、変化を受け入れられない取り残された人間であると自供しているようなものだ。
まあそれでも、この言葉自体は嫌いではなかった。
なぜなら、この言葉には深い意味が込められていたからだ。
文字数よりも深い意味が込められており、最近生まれた言葉なんかよりもよっぽど素晴らしいと思っている。
というか、最近の言葉はなんだ。
『草』だの『り』だの、『メロい』だの『エモい』だの。
新しく言葉が生まれること自体はよいことだと思う。
それだけ言語の歴史が深くなるということなのだから。
変わらないものは取り残される、とはよく言ったもので言葉も同様に、変化なき言語に発展はなし、と言われるほど。
……言われてるかは知らんけど。
ごほん。
わざとらしい咳払いはさておき、先ほど述べた新しく生まれた言葉たちについてだ。
正直私はこれらの言葉の意味を正確に理解することができていない。
ネットで調べてみてもそれらしい意味は出てくるのだが、いまいち実態がつかめずにいる。
そこでだ。
こういう時は難しく考えずにとりあえず使ってみることが大事なんじゃないかと思う。
意味はわからずとも、使うことで知るものもあるだろう。
よし。
やってみよう。
えーっと、確か使ってみようと思った言葉を一覧でメモをしていたはず……ああ、あった、あった。
ごほん。
あー、んん。
よし。
「メロいきゅん滅ピキル界隈きちゃーしゃばいエモいり草!」
…………うん。
言葉の意味はわからないが、一つわかったことがある。
これらの言葉をおっさんが使うと、周りから冷ややかな目で見られるのだな。




