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死神ちゃんは裁けない  作者: ポコナムチン


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第1話 はじめまして死神です

世の中にはろくでもない人間が多すぎる。


やたらと人を怒鳴る人。


都合のいい時だけ被害者になる人。


先生とは名ばかりの教科書を読み上げるだけの人。


ことあるごとにカメラを向ける人。


面白さのためなら人を蹴落とすのをためらわない人。


本当にくだらない。


もし私が神さまだったらな。


こんな人たちはさっさと間引いてるのに。


「じゃあなってみる?」


そうね。


なれるならなってみたいわ。


「じゃあこれからよろしくね」


ハイハイよろしく…って


「誰よあんた?!」


「おっと、自己紹介がまだだったね」


「僕はネルガル。君たちが言うとこの」


「死神さ」


よし。幻覚だ。


きっと疲れてるんだ帰って休もう。


「ちょちょちょ、ちょっと待ってよ?!」


自称死神が私の服をつかんで離さない。


「君よくこの状態でスルー出来るね?!」


あいにくと私は無神論者なので。


いくら神といえども、人の思考までとやかく言ってはこないだろう。


「まぁ、そんなことは置いといて」


置いとかれてしまった。


「君はもう契約したんだ」


はて?


契約?


そんなものした覚えはないが?


「だってさっき言ってたろ?」


「これからよろしくって」


あぁこれあれだ。


死神の数が減ってるから手伝ってほしいとか言われるやつだ。


「ドンピシャで当てられると僕も何も言えないね」


図星かよ。


とにかく私はできません。


他の人を当たってくださいそれじゃ!!


「困ったな。あ、じゃあ最後に一ついいかい?」


まだ何か用があるみたいだ。


「まぁあんまり大事でもないんだけどさ」


「この仕事って途中放棄にペナルティがあってさ」


ペナルティ?


どうせ寿命が数年取られるとかだろう。


あいにくと私は長生き願望はないのでね。


「もし放棄すると無条件で今すぐ地獄に落ちるよ♪」


大事じゃねえか。


こうなってしまったらもう受け入れるしかない。


比較的冷静な心を持つ子に産んでくれた両親に感謝したいね。


「そういえばまだ君の名前を聞いてなかったね」


「……森本アンコ」


「素朴な名前だね」


うるせぇほっとけ。


「じゃあ改めてよろしく、アンコ」


「こちらこそよろしくお願いします。…ネルガルさん?」


「ネルでいいよ」


「ネルさん」


「様はつけてね」


もういい。呼び捨てにしよう。


こうして新米死神としてのアンコの新たな人生の幕が今上がる。


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