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因果応報①

かなり久しぶりの更新です。

「また縁切り?偶には縁結びもしたいよ」

見事な腰まである黒髪の日本人形のような少女がふてくされたように叫んでいた。


「しょうがないよ。縁結びで有名な神社があるんだから、うちみたいな知る人ぞ知る所には依頼はこないさ」

そう答えながら肩をすくめる青年は少女とよく似た顔をしていた。



ここは九州の某県のある町の神社。

大きくはないが歴史ある神社として近隣には知られていた。

町の規模も小さく初詣に訪れる人もテレビで紹介される程はなく近所の人が訪れるくらいである。

その神社は万縁神社といった。この神社には当代宮司に二人の子供がいた。次代宮司の長男である赤星望と長女で巫女の赤星恵美である。

先ほどの少女が恵美であり青年が望であった。

望は神道系の大学を卒業して神職の資格を取ったばかり。

恵美も高校を卒業して正式に巫女となった。それまでは初詣や例大祭や地鎮祭などにお小遣い稼ぎに手伝っていた。

進学せずに実家の巫女になったのは恵美が頭が悪かったわけではない。これには理由があったのだがいずれ語る機会はあるだろう。



もう一人この部屋にはいた。先先代巫女である二人の曾祖母である赤星小百合。齢90を越える老婆であるが背筋もしゃんとしておりとても年齢相応には見えなかった。祖父と並んでも夫婦または姉弟に見られるほどであった。今の万縁神社の特別依頼を仕切っているのはこの小百合である。

「依頼主は中野プロダクションの社長である中野達朗。依頼内容は桜庭敦の周囲に起こっている怪異の原因を突き止め解決すること」淡々とした口調て話す。


「桜庭敦ってモンスターのボーカルの桜庭敦?最近ワイドショーで騒がれてたね」


「また不倫だったよな?二度目の奥さんとも不倫しての再婚だったよな?」

恵美の言葉にすかさず望が反応する。


「ブレイクしたばっかりの頃、桜庭敦結構好きだったんだけどな。売れない頃を支えてくれた奥さんを大切にしてて…。でも売れた途端モデルと不倫して支えてくれた奥さん捨てて再婚とか最低。新しい奥さんになったモデルも皆に嫌われてたよね?で今度捨てられるかもしれない立場ってことか…ざまぁみろって思ってる人多いよね」「これこれ。ざまぁなどと言うでない。人を呪わば自分に返ってくるもんじゃ。そのモデルも自分がしたことの報いが来ただけともいえる。男についても一度したら同じことをするかもしれないとは思ってなかったんだろうな。ましてや同じ目にあうとはな」孫の暴言を咎め、しみじみと小百合が言う。


「ごめんなさいお婆様。私がこんなこと言ったらシャレにならないですね」

愁傷な態度で恵美が小百合に謝罪する。


「そうじゃ。言霊というものがある。お主のように力の強い巫女の言葉は力があるからの」


「これから注意します」

頭を下げる恵美に鷹揚に頷く小百合。

「そうだぞ。お前の言葉を神々が叶えたら大変なことになるからな」

偉そうに小百合のあとに追従する望。

「お兄様は黙ってて」

恵美が冷たく言うと途端に悲しい顔をして恵美に謝る。

「ごめん恵美。調子に乗って言い過ぎた」妹大好きのシスコン兄であった。



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