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第43話:言えなかった本音
部屋に戻った美咲は、ベッドに座ったまま動けずにいた。
さっきの会話が頭の中で何度も繰り返される。
母の表情。
自分の声。
言葉にした瞬間に広がった静かな空気。
後悔しているのか。
それとも、少しだけ楽になったのか。
自分でも分からなかった。
今まで、美咲は母に反対されたくなかった。
認めてもらいたかった。
「頑張ってるね」
その一言が欲しかった。
でも、いつからか美咲は気づいていた。
本当に欲しかったのは、母の許可ではない。
自分自身が、自分の選んだ道を信じることだった。
公園で一人踊っていた頃。
誰にも見られていなかった時間。
あの頃は、評価なんて関係なかった。
ただ踊りたかった。
その気持ちを思い出した瞬間、少しだけ胸が軽くなった。
母に分かってもらうには、まだ時間が必要なのかもしれない。
でも、逃げずに向き合うことはできる。
美咲は机の上のノートを開いた。
そこには練習の記録が書かれている。
できなかったこと。
気づいたこと。
少し変わったこと。
そのページを見ながら、美咲は小さく息を吐いた。
まだ途中。
だからこそ、進む意味がある。




