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第20話:はじまりの先
気づけば、部室に通うことが日常になっていた。
最初に感じていた不安や戸惑いは、完全に消えたわけではない。
それでも、それ以上に続けたいという気持ちが強くなっていた。
まだ上手いとは言えない。
思い通りにいかないことのほうが多い。
それでも、確実に前とは違う自分がいると分かる。
小さな変化が積み重なり、少しずつ形になっていく。
その過程そのものに、意味があるように思えた。
先のことは分からない。
どこまで行けるのかも、まだ見えない。
それでも、美咲は思う。
この先に、自分の知らない景色があるのだと。
その景色を見てみたい。
その願いが、はっきりと心に根を下ろし始めていた。




