17/34
第16話:繰り返し
次の日も、その次の日も、美咲は部室へ足を運んだ。
うまくできないことは変わらない。
動きは遅れ、形も崩れ、思い通りにいかない時間ばかりが続く。
それでも、足を止める理由にはならなかった。
同じ振りを何度も繰り返す。
失敗して、やり直して、また崩れる。
その繰り返しの中で、わずかに感覚が残っていく。
昨日よりほんの少しだけ、体がついてくる瞬間があった。
それは気のせいかもしれないほど小さな変化だった。
それでも確かに、自分の中に残る。
周りとの差は埋まらない。
それでも、何も変わっていないわけではなかった。
積み重ねるしかない。
その単純な事実が、ようやく現実として受け止められるようになっていた。




