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第11話:ためらいの先
掲示板の前で立ち止まったあの日から、その言葉が頭の中に残り続けていた。
「ダンス部 新入部員募集」
ただの紙切れのはずなのに、視線を外したあとも、その存在は消えなかった。
入れば何かが変わるのかもしれない。
けれど同時に、今までの自分が否定されるような気もしていた。
一人で踊る時間は、誰にも壊されない場所だった。
そこに他人が入り込むことへの怖さがあった。
放課後、気づけば足はまた掲示板の前に向かっていた。
迷いは消えない。
それでも、立ち止まり続けることにも、少しずつ疲れ始めていた。
ほんの少しだけでいい。
覗くだけでもいい。
その考えが、静かに背中を押していた。




