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異世界転生殺し-チートキラー-  作者: Michikazu Sashie
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第109話「光の異世界転生勇者」

ライゼレの絶対防御とされる<喰霊>――謎のダークエネルギーによる超高密度バリアを前に、エライトは一見して劣勢を強いられていた。だが、彼は冷静にその「防御のスキ」を突き、ついにライゼレに一撃を与えることに成功する。

挿絵(By みてみん)

高い金属音が響いてゾーレの刀を受け止めたのはアルレッキーノとの戦いをセクタスネに預けてきたエライトだった。

「間に合ったな。」

エライトはゾーレの刀を跳ね飛ばすと後ろを向いて笑った。


「ふむ。デリト君というチートのさらに上のチート能力を持つ兵器には<アンチヒーローシステム>は効くが、普通の異世界転生者には聞かないのか。」

ライゼレがやれやれと首を振った。

「ふん。”O.W.H.L.”第一聖であるこの僕を普通とは言ってくれるじゃないか”魔王四天王”。」

苦しそうにエライトは笑った。



「私も・・・負けない・・・。」

ゾーレがゆっくりだが、レーゼの支配を解き、自らの意思でライゼレの方を向いた。

「何・・・!?どうやって私の<操り人形の祝宴パレード>を解いた・・・?」

いつもは無表情なレーゼが珍しく驚いている。

「<アンチヒーローシステム>はデリトだけに限らず”権能”自体の緩和が可能らしいわ。あなたの”業”も少し解けていた。そして、エライトが受け止めてくれたときの衝撃でほとんど解除されたわ。あなたの”業”はある程度理解した。」

珍しくゾーレはにやりと不敵に笑った。


「なるほど。<アンチヒーローシステム>は”権能”にも対応していたと・・・。<異世界転生殺し(チートキラー)>という”権能”の対抗兵器だとしたらありえない話ではない。

”業”も”権能”とほとんど同等の仕組みだとしたらその対応も可能ということか。フフフフ。面白くなってきたな。」

ライゼレは場の状況を冷静に分析していたが、レーゼは”業”が破られたことで不満げにしている。

「よし。そしたら、ゾーレはレーゼの相手をしてくれ。やつも強いがおそらくライゼレほどではない。僕はライゼレと戦う。デリトは俺ら二人のサポートに入ってくれ!」

「なんだか仕切られているのは気に入らないが、遠距離攻撃が得意な俺が補助に回るのは得策だな・・・。・・・なっ、<ダイヤモンドバリア>!」

三人が策をねろうとしていた時、デリトを狙って矢が打ち込まれた。


デリトはバリアで防ごうとしたがすぐに破られた。

危うく当たりそうになったが、バリアで少し方向を変えていたので直撃を免れた。


「あなたの相手は私がしましょう、デリト。」

ウルレカッスルがライゼレの隣に舞い降りた。手にはユークリートから奪い取った<オーディンの雷鎚>を持っている。

先刻、デリトを攻撃したのもそれだった。


「くそ、ユークリートは・・・。」

見るとユークリートはウルレカッスルと戦っていた場所で血を流し倒れている。

やはり、先程、不意打ちで槍で刺された時に重症を負っていたらしい。


「他の”転生の女神ワルキューレ”も死んだ異世界転生者から奪った”権能”を使っていたところをみると、お前もか・・・?」

「さぁ、どうでしょうか。」

ウルレカッスルは余裕の笑みを浮かべ、弓を構えた。


皆がウルレカッスルたちに気を取られているすきに、エライトは攻撃をライゼレに攻撃を仕掛けた。

「ぐっ・・・。」

ライゼレは腕で攻撃を防いだが、吹き飛ばされてしまった。

「やはり、”業”をいくつ持っていようが、それを使わせる隙が無ければ勝機はある。」

エライトはライゼレを追って走っていった。


「私も!」

ゾーレも双剣を出現させてレーゼを攻撃した。

「ふん、私の<操り人形の祝宴パレード>が効かないからといって勝てると思うなよ。

小娘が・・・!」

「ふっ、そんな口が悪いんじゃ好きな人にも嫌われてしまうわよ!」

「そんなもの一度たりともできたことはない。全ての人類が好きになる人間がいると思うなよ!この恋愛脳が!」

レーゼは蹴りでゾーレの双剣を吹き飛ばした。


しかし、再びゾーレは双剣を出現させると、嫌悪感あらわに言った。

「確かに人は必ず恋愛をするとは限らない。でも、あなたはきっとそういう意味以外でも人を好きになったり、優しい気持ちになったことないんでしょうね。悲しい人。」

「はっ。御名答。前世でも転生してからも、人間なんて私にとっては操る対象。ただのお遊び、おもちゃよ。あなたはおもちゃに優しくするのかしら?」

「・・・ええ。私は好きなおもちゃも大切に優しく扱うわ。でも、それ以前に人をおもちゃなんて考える思考が最低。」

「そう。じゃあ、私たちは一生わかり合うことはないわね!」

レーゼは素早い蹴りを繰り出した。




一方、エライトはライゼレに猛攻をしかけていた。

光の速さで攻撃を仕掛けるが、ライゼレの<喰霊>に阻まれていた。

「くそっ、なんで攻撃が通じない・・・!」

「無駄だ。私の”業”のひとつ<喰霊>はダークエネルギーによって構成される反発する重力の壁だ。簡単に言えば全ての物質の攻撃を弾く超高密度な反重力のバリア。君の攻撃はこの壁に届いてすらいない。」

「ダークエネルギーだと・・・!?」

「そう。<喰霊>を使っていたのは宇宙オタクの宇津うつ君だ。この”物語世界”は想像力や妄想を具現化する宇宙。

彼はまだ現実宇宙では解明に至っていない、むしろあるかどうかも分からないダークエネルギーを具現化することで絶対的なバリアとしたんだ。

ダークエネルギーとはつまり誰にも、創り出したはずの宇津にもよく分からない謎のエネルギー。だからこそ、それは何者をも阻む空間の壁となる。」

そう言うとライゼレは手をかざし、暗黒に染まった壁をエライトとの間に創り出した。


「君がいくら光の速さで動こうと、時を超えようと、」とライゼレは続けた。

「空間が断絶してしまっていては私に攻撃を加えるなど不可能だ。相性が悪かったともいえよう。君ではこの壁を超えることなどできない。私には勝つことなどできない。」

ライゼレは冷たく言い放った。

デリトと話していた時と違って何の興味がないかのように振る舞い、エライトをいらいらとさせた。

「どうにかして俺の<光よ、時間を超えろ。(ライト・ウォーカー)>を届かせることができないか・・・!」

「早速だが、そろそろ君との戦いにも飽きてきた。<肉骨超強化オールアルティメット><激怒の暴風ヴァイオレンス・レックス>!」

ライゼレは”業”を複数使って、身体のステータスを強化し、黒い竜巻でエライトを吹き飛ばし、切り裂いた。


「がはっ・・・!」

「君に勝ち目は無いよ。”権能”や”業”はXクラススキル。攻撃系であれば、圧倒的な攻撃力だ。いくら君が早いと言っても・・・」

ライゼレの言葉はそこで打ち切られた。

エライトが目の前に現れ、ライゼレの肩を切り裂いたのだ。


「・・・簡単な話だ。その”業”を使うためには防御の壁を解かなければならないだろう?そのスキを突いただけだ。」

吹き飛んだライゼレの前でエライトは聖剣ゴールドシルバーを担いだ。


「ふ・・・ふふふ。」

ライゼレはにやりと笑った。


少しして「前言撤回だ。」と呟いたライゼレは目をギラリとさせてエライトを睨んだ。

「君との戦いも面白くなってきた。」

エライトも鋭い目つきをしながらにやと笑った。


作者のほか作品もぜひご覧ください!

・異世界転生殺し

https://ncode.syosetu.com/n8355gr/

・SEX ANDROID(完結)

https://ncode.syosetu.com/n9297hx/


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