招かれた宴02
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着いた場所は首都からこそ遠めだが地方都市としては名高い街デュロイ。昔から魔道具の原材石が採れる鉱山があることで知られていて富裕層が多い。だから皆商売のために資源のある街に行きたがる。並ぶ店数は王都ほどではないがこれほどの街はそうないだろう。まず住人の服を見て驚いた。手を振って馬車を迎えている人たちが着ている服は田舎では余り一般的でない洒落た服だと思った。
それを見て「相変わらず見栄はりねこの街は」と余り好意的でない様子の母様に「去年来た時もこんな感じだったよね」はは…と微妙な返事をするユーゼフ。
二人に聞いたもう一つの街の姿。それは貧富の格差が酷いの一言に尽きる。上は王族の様な暮らしをし一部の特権市民達と贅の限りを尽くしている。一般市民のほとんどはその傘下の企業に勤めているためそれらの意思の下働く活動員と言うのだ。ただ気にいられれば安定した生活が送れるので皆必死に働いているらしい。ああして各地域から来る御客に自分たちの街がいかに素晴らしいかを見せる絶好の機会と用意された服を着て出迎えているらしい。
「さて。もうここまで来たけれど、ユーゼフ貴方は体調を壊さないように気を付けて。あの腹黒たちとの会話は私がやるから貴方は振られた話題だけ何とか答えられるようにしてちょうだい。シャロンは特にすることはないわ。他の家の家族と一緒の所に居てくれればいいわ。目立たないようにね。」「はっ…はい」「分かりました」2人が理解したのを確認すると執事と予定の確認を始めた。