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2ギャルが勝ち 〜因習村ジェノサイドRTA編〜  作者: 結城 からく


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第3話 後編

 殺し合いを終えた二人は互いの負傷具合を確認する。


「ミホ、大丈夫?」


「うちは平気。サーヤは?」


「もちろん元気いっぱいだよー! いっぱい殺してスカッとしちゃった!」


 二人とも軽傷で行動に支障はない様子だった。

 ナイフの血を振り払ったミホは、口から触手を垂らした死体に注目する。

 彼女は顎を撫でつつ考察する。


「普通なら死ぬダメージでも動ける……でも不死身じゃない。脳を潰すのが確実みたい」


「銃もちゃんと狙えば効果あったよ」


「うん、二人で連携すれば効率よく倒せそうだね」


 死体から使えそうな武器を拝借した後、二人は儀式の中央に横たわる女に近寄る。

 仮面を着けた女は縛られたままぴくりとも動かない。


「死んでる?」


「生きてるっぽい」


 ミホがナイフで縄を切る。

 次の瞬間、女が絶叫しながらミホに掴みかかった。


「よくも我が眷属を殺めてくれたな、この外道がァッ!」


「なんだこいつ」


 ミホは掴まれた手を起点に投げ飛ばす。

 女は地面に叩き付けられて呻いた。


「げはっ」


「ねえ、ミホに何してくれてんの」


 サーヤが絶対零度の眼差しで女を睨み、その後頭部に銃弾を何発も叩き込む。

 さらにミホが石で頭蓋を叩き割った。

 数度の殴打を経て、ミホは石を投げ捨てる。


「ここまでやればさすがに――」


「ぬっ、おおおおおおおぉぉぉ……」


 血みどろの女がおぞましい声を発しながら立ち上がった。

 ぐちゃぐちゃに損壊した頭部が瞬く間に再生していく。

 異常現象にサーヤは戸惑う。


「脳を潰したのになんで……」


「力の断片しか持たぬ信者と一緒にするな。我は邪神……肉体は無限に再生できる」


「邪神? 何それ」


 女の言葉にサーヤが疑問を呈する。

 仮面越しに高笑いする女は、胸を張って堂々と名乗った。


「我が名はルプテロ。混沌を司る邪神ルプテロだ!」


「るぷてろ……」


「かわいい名前だね」


「ええい、汝らは何者だッ!」


 ルプテロが苛立たしげに詰め寄る。

 二人は気の抜けた返答をした。


「あたし達は正義のヒーローでーす」


「悪い奴らをぶっ殺すのが趣味でこの島に来ましたー」


「ふむ、殺人鬼か。興味本位で島に踏み込む愚者は少なくないが、汝らのように優れた暴力を持つ人間は稀ではあるな」


 ルプテロは納得した様子で頷く。

 挙手をしたサーヤがルプテロに質問した。


「はいはーい、ルプテロさんはこの島で何が起きてるか知ってますか?」


「無論だ。現在、島では複数の邪神が勢力争いを繰り広げている。それぞれが信者を集めて世界の征服者を決めているのだ」


 誇らしげに答えるルプテロ。

 今度はミホが挙手した。


「なんで邪神が島に集まってるの?」


「邪神信奉の人間が異界の扉を開いたからだ。そこから我のような上位存在が侵入したわけだな。だが完全復活には至らないため、こうして人間の肉体を借りている。真の姿になれば、この星など半日足らずで滅ぼせるだろう」


「へー、すごーい」


「スケールが大きいね」


 二人はぱちぱちと暢気に拍手をする。

 その反応に気をよくしたルプテロは、仮面越しに禍々しい笑みを湛える。


「本来、汝らは八つ裂きにするところだが、特別に力を与えてやろう――我が眷属となるがいいッ!」


 ルプテロの両手の指が触手に変化して二人に襲いかかる。

 しかし、殺気を読んでいたミホがナイフを一閃させる。


「よっと」


 鮮やかな斬撃が触手をまとめて切り落とした。

 続けてサーヤが拳銃を発砲する。


「わっしょい」


 拳銃はルプテロの両膝を撃ち抜いた。

 ルプテロは跪いて悪態をつく。


「おのれ、小癪な……!」


 立ち上がろうとするルプテロに対し、ミホは素早く距離を詰めてナイフを振るう。

 一瞬で脚の腱を斬られたルプテロは転倒した。

 さらにミホは追撃を止めず、ルプテロの四肢や胴体を滅多刺しにした挙句、信者の死体から奪った鉈で首を落とす。


 生首となって狼狽えるルプテロに対し、二人は狂気に歪む笑顔を見せた。


「けんぞく? とかよく分かんないけどさ」


「どっちが上か勘違いしてない?」


 数時間後、双方の優劣は決した。

 度重なる拷問で心が折れた邪神ルプテロはサーヤとミホに服従を誓い、島の案内役を買って出ることになったのであった。

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