主人公は異世界で最も凡庸的な能力を手に入れました
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日は沈みすでに夜、彼女の大きな屋敷の前に着いた。結構な距離引きずられたぞこれ…。
彼女は俺を部屋に引き込むと、椅子に縛り付けた。手慣れてるのはなぜだ…?
「さあ、準備が出来ましたわ」
と、先ほどより小さな声で呟く。
「声、小さくないですか?」
「お父様がいらっしゃるのよ!」
激しく、あくまで小声で彼女は言った。育ちの良さ(笑)がうかがえる。
「まず、何から話しましょうか…」
「本当に教えてくれるんですね。この世界のこと」
「当たり前でしょう?自分の名前も覚えてないよう変質者を放っておいたら領主の娘の名が立ちませんわ」
領主の娘だったのか…。だから大きい屋敷な訳ね。あ、そうだ…。
「あなたの名前を教えて下さい!」
俺が思い出したように叫ぶ。
彼女はビクッと身を震わす。
「いきなり叫ばないで頂戴!驚くじゃないの…。それもちゃんと話しますから安心なさい」
そして彼女は近くの棚にある本を取り出した。続けて静かに語り始める。
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「この世界が成立したのは神々によるものと言われている…元々は神々の保養地として母なる大地は生まれたのだが、大地の神が自分だけのものにしようと他の神々が入れないようにしてしまった。そこで大地を見るだけの存在となった神々は戯れに人の形をした人形を複数体作り、大地に降りさせた。大地の神はこの人形を気に入り、命を吹き込み、男と女の区別を付けて、文化を与えた。大地の神は自分でもこの人形を作りたいと思ったが、人形作りはことごとく失敗。それらが人間界のそばをうろつく魔獣となった。
ここまでが神の時代と呼ばれているわ…。
そうして人々は魔獣に怯えながら文明を形成していった。
ただある日、今考えると雑な話だけど一人の指先から炎が出た。その後に魔獣に対抗しうるまでこの「魔法」を発展させ、その時代で一番強い人が王様ってわけ。
そして、現在この大陸は突然表れた大きい山によってほとんど2つに分断されている。私達がいるのは山の東側。あと敵対勢力がいるんだけどそれは山の西側。そして山の近くには魔獣がうろちょろ。おかげで今は休戦状態ね…。
そしてアナタのような違う世界…?から来た異端の存在は所々の歴史に影響を与えている。
炎しか出せなかった「魔法」を最初にアレンジもしたし、方角、時間、言語の概念も「ヤマト」という国から来た女が広めたし…。でもそれらの人物はだいたいはロクな死に方をしていない。
それまでがこの本に書いてある事ですわ…」
「んで、お前の名前は?」
「ちょ?!聞いていましたの?!今の話を?!怒りますわよ?!」
「いいから教えて下さいよ…相互理解しましょうよ…」
「まずアナタが名乗るべきでは?!まあ良いですわ、教えて差し上げましょう。私の名はクフール・リーナ!
コウル王国の最上位の研究員であり!コウル王国3番手の戦士を兄に持つ!父はこの地方の領主!生まれついての令嬢、お嬢様、エリートよ!これでも敬わずにいられるかしら?」
「取りあえずその…「魔法」ってやつを教えて下さい」
「アナタ人の話本当に聞かないのね…戦士にでもなるの?」
「俺の友達が異世界で戦いの日々を送りたいとか言ってたし。楽しそうだな、と」
「いいわ、私についてきなさい…」
「その前に!」
「?」
「リーナって呼んでいい?」
「もう勝手になさい…」
そう言うとリーナは縄を解いてくれた。迷路のような家を出ると無駄にでかい庭に出た。
「指先に意識を集中してあそこの木に玉を打ち出す感じで腕を構えなさい。そうそう、そんな感じ。」
指先に意識を集中する。元の世界では感じられないエネルギーのようなものが指先の熱さとなって俺を高揚させる。ついに…魔法が…で…出る…!!
指先から弾かれるように「なにか」が勢いよく出る。それが当たった木の幹は煙を出して少しくすぶったがすぐそれも消えた。
その瞬間、リーナも弾かれたように笑い出した。
「オーホッホッホ!!アハハ!アハハハハハ!!オホホホホホ!!こんなに笑ったの久しぶりですわ!オーホッホッホ!!」
静かにしろ、という話はいったい…?
「俺、何の能力ですか?よく分からないんですけど…」
「オホホホ!あなたは!最も平凡で!凡庸的で!普通な!「火の魔法」よ!オホホホ!
そしてこの瞬間!あなたの名前も私が決めましたわ!あなたの名前はその素晴らしい(笑)能力にちなんで「ヒノ」よ!」
何か雑に名前を決められてしまった。
そうしてリーナは今までの恨み、ストレス、これらをぶつけるかのように笑い続けるのであった…。
(三連休なにもする事が)ないです




