54チュン目
皆様。おはようございます。
悪いどころか良い事したはずなのに怒られて不貞寝したミコです。
なお、プールの管理は町長に投げました。後日、管理担当が住民から決まるらしいです。
「ミコ様、今日の予定はいかがなされますか?」
「うーん……どうしようか?」
朝一、支度しながらシェリルちゃんに聞かれる。特に予定はない。
王都――わたしが王都と言う場合はリバーダムの王都。リバーダムから爵位と領地を貰ったので――で調査を依頼した事は分かり次第教えてくれるとの事でこちらから行く必要もない。
受勲や領地に関する事も聞きに行く必要が無い。何かあればシャーリーさん経由で処理してくれる。
「うーん……」
「あのう……お食事に集中した方が良いと聞きましたよ?」
「……あぁ、そうだね。ごめんね」
「あ!いえそんなつもりでは!」
朝ごはん食べながら考えていたらシェリルちゃんに心配されてしまった。反省反省。一応、ながらは消化に悪いらしい。
「……ミコ様?」
「え?」
「いつもダンスされていますが、今日はいかがなさいます?」
「あー?じゃ行こうか?」
「えっと……もしご気分が優れない様でしたら今日はお休みされたらいかがですか?その……朝から様子が……」
「あはは……ごめんね心配かけて。体の調子は悪くないけどちょっと考え事してて」
体の調子は悪くないんだ。むしろ調子が良いぐらい。
多くの魔物を吸収し……正直、人の体でなくなった今。体調が悪くなるなんて事が有るんだろうか?
真っ当な手段では死なないだろうと思う。生身で宇宙にすらいける気がする。呼吸してないし、マグマに入れるからね……。耐圧や耐放射性も大丈夫だろう。
気分転換も兼ねてホールで踊った。うーん……何だこれは、ブレイクダンス的な……。楽しいけどダンスギルドの人に怒られそうだ。
「ぶ、分身している……」
「え!?何!?」
「い、いえ!なんでもありません!」
何だったんだろう?よく聞き取れなかったんだけど?まぁいっか。
午前中の残った時間で街を見て回る。フフッ。領主様の抜き打ち視察だぞ?
まぁわたし一人だと発言力はあっても影響力は無い。シャーリーさんか町長が居ないと意味が無いのだ。だってわたしはお飾りの領主……。
こうして言葉にすると思ったよりも虚しい……うーん、全部終わったらちゃんとやろうかな?
武器屋を見つけたので入る事に。
「いら……うぇ!?領主様ぁ!?}
「あー気にしなくていいよ。どうせお飾りだし」
「いやぁ……流石にだからって、街の子ども等みたいな扱いはできませんでさぁ。でけぇ魔物も退治してもらってますし」
「まぁわたしがいつも居る訳じゃないからもしもの時は皆で上手くやってよね?」
「お任せくだせぇ!こう見えて俺や漁師連中は腕利きでさぁ。騎士や冒険者連中にも負けてねぇぜ」
「うん。実力は昨日見させてもらってるからね。むしろわたしが当てにする時が有るかも知れないぐらいだよ」
ほんと凄かったんだよ?昨日の乱闘。ぶっちゃけ、お城の騎士より強いよ。
そんな会話をしながら店内を見て回る。
槍……というより銛?何か不思議な武器だなぁ。
「これは?」
「あぁ、これは漁師等が使う武器でさぁ。丁度、銛と槍の中間物さぁ」
「へぇ?」
まぁ元々槍と銛は刺突する長い武器であるから区別し難い物も有るとか?矛も関わってくるけどね。
ところでこの人……店主か、変な口調だなぁ。ちなみにこの街特有ではない。
「これ、何か仕掛けしてある?」
「よくお分かりですね。そいつは刺さった後、爆発する様に術式組んであるんでさぁ」
つっついてみると他にも有るな……これ、かえしが展開するな。それにサイズもあきらかに大きい。ワイヤーは多くより合わせてある。そしてこれは……げ、電磁加速射出じゃん……。
「これもう捕鯨砲じゃん……」
魔法で再現した近代兵器ね……。
あ、そうだ。
「これ見て思ったんだ。ちょっと作って欲しいものが有るんだけど?」
「何でさぁ?」
「えーっと……」
と言う訳でこちらの武器屋の店主にライフルを製作してもらうことに。
基礎理論から発展考察に話が盛り上がり、昼食も夕飯も店で取って話し込んだ。
「たっだいまー♪」
「どうやらもうすっかり良さそうですね」
「朝はごめんね。おかげさまですっかり。それでね……」
ご機嫌で帰宅し、入浴を済ませ。日課の勉強を進め。就寝。
しかし、これが後に大変な事態を引き起こす事になるとはこの時のわたしは思いもしなかった。




