21チュン目
本日1話目
う、うーん……何か重い……。またリリィがのしかかっているんだろうか?
瞼を開けると真っ暗だった。なんだまだ夜か。
「よいしょ」
上に乗ってたものを押しのける。全くいつになったら1人で寝れるのか……あれ?ここ、渓谷だったよね?
これ、なに?
うそぞぞぞぞ
わぁ、これ巨大百足だぁ。
皆様。おはようございます。
パチパチ
今日は巨大百足を焼いて朝ごはん。よくもやってくれたな。
うっかりここ数日の癖で無防備にも崖の出っ張りで寝てしまった。なんとわたしを狙ってきた巨大百足の下敷きになっていました。
多分、攻撃はされていたと思うけど全くの無傷。魔力は減っていたのでバリアで耐えていたんでしょう。
減った分を百足で補給します。バリバリ。何か苦い?
気を取り直し駆け下ります。もう何時間下っているんだろう?いい加減に底が見えてもいい頃だと思う。
結局、底に着くまでにもう1泊する事になった。今度は寝てないよ。
しかし、底に着いたからと言ってボスが居ると言う訳ではない。どこに居るんだろう?
谷底は真っ暗で何も見えない。明かりの魔道具を借りてきたけど魔力が燃料のランタン的な物なので光量も大した事はなくほとんど見えない。
どうやって探そう?アーノルドがいれば見えるんだけどなぁ。無いもの強請りはできない。
谷底がどっちの方向に伸びているかも分らず。今の自分の位置も分りません。
そう言えばスマホのマップが有ったな。
スマホを見るとアンテナが0本。一応マップを起動。表示されたのは最後に見たところだった。無能。
何か。何か手は無いかな?うーん、うーん……。
にょろり
頭の上からサブアームを精製し明かりの魔道具を持たせてみた。
サブアームってかっこよく言ったけど、伸びるアホ毛または触手……。
チョウチンアンコウ幼女、爆誕!
なんも解決にもなりませんでした!
頭触手で壁を触りながら移動します。意外と感度と強度が有る……擦りながら走っても砕けないし。これだと触手と言うよりは触角?ガリガリと岩を削る振動が頭に響く……。
とりあえず見えなくても壁にぶつからなければ何とか進めると動き出す事に。
途中、岩が降ってきたり、岩が転がってきたり、壁が迫ってきたけどそう言うのは映画だけで結構です。そう言えば百足もたくさん出たからやっぱり某考古学教授の先生が冒険するやつだよね。
地面の段差とかで躓くと嫌なので、魔力板で地面よりちょっと高いところを走る。
ゴゴゴゴゴ
何か地鳴りのような音と共に前方から温い風が。何だろう?
音が大きくなるにつれ温度も段々上がってきて……あっつ!?
明かりが見えてきました。いや、もう何が有るか大体分かるんだけど……。
「うぁわ……」
轟々と流れ出る溶岩の滝。
流れ渦を巻く炎の湖。
奈落の底は地獄でした。
あかん!これはあかん!撤収!
バリアで何とか熱に耐えてるけど落ちたらまず死ぬって!
ゴゴゴゴゴゴ!
ドーン!
「あっ」
溶岩の中から何か巨大な物が飛び出してきた!?全力で逃げる!
幸い?にも溶岩から出てきた何かが光源となっているので前方は見えます。走れ走れ走れ!
谷底を溶岩の川に変えながら何かが迫ってくる!
おわああああ!?早いいい!?
土石流が迫ってくる衝撃映像とか有るけどこんなのマジで助からないって!?
今のわたしでも全力で逃げるレベル。こわっ!?
どれぐらい走ったかは不明だがかなり魔力を消費。まずいって!切れたら死ぬ……。
そして無常にも行き止まり。何でや!?
絶体絶命の大ピンチ!どうする!?どうする!?
壁走って登った。とりあえずその場しのぎで。
ゴウゥン!
何かが壁に衝突する!
衝撃でガラガラと上から岩が降ってくる!慌てて横っ飛びに回避。魔力板で空中に立ちます。もう降ってこないね?
足元を見下ろすと、溶岩から何か伸びてこちらを見上げています。何だろう?超巨大溶岩ウミウシ的な?
燃え盛っていなかったらかわいかったかもしれません。ウミウシすこ。
しばらく睨めっこしていると、溶岩の中に頭を引っ込めていった。そのまま様子を見るが反応は無し。居なくなった?
崩れてできた壁の窪みに入って作戦を練ることに。
どう見てもボスだった。魔力の量が半端ない。
しかし溶岩のアレをどうやって倒し、吸収するか……今のところ検討がつかない。
うーん……。
しばらくしたら溶岩が冷めて固まるかと思ったら。白熱したまま冷えるような気配は見られない。魔法的な力だろうか?
作戦1。とりえず撃ってみる。
パチュンパチュンパチュン
……反応無し。次。
作戦2。途中で引っこ抜いた百足を落としてみる。
ジュッ
焼けて無くなった。次。
作戦3。水をかけてみる。
ジュッ
以下略。
作戦4。ミコは怪しい踊りを踊った!
ミコは混乱した!
うーん?どうしよう?
興味本位で頭の触手を伸ばす。これ長さも自由自在なの。
チョンチョン
溶岩の表面を突っついてみる。熱が伝わってくる。熱い。
でも結構触れる事に気がつく。わーい。溶岩触ってる!すごーい!
調子にのってチョンチョンと突っついて遊びだす。
バクン
「ほわーーーー!?」
フィッシュ!アレが掛かった!
違うよ!これそう言うのじゃないよ!おっも!?首がもげるー!
慌てて触手をパージ。竿へし折られるよりはライン切れた方が助かるぜ。まぁこの場合折れるのはわたしの首だけど。
でも釣れる事が分ったので何か作戦を考えよう。
じゃーん。
わたしは今にも崩れ落ちそうな巨大な岩の塊の上にしがみついている。これをアレの上に落とす作戦だ!
と言う訳で触手をキャスト!アレがかかるのを待ちます。
チョンチョン、チョンチョン
バクン
入れ食いだった。
グイと引張られるとそのままボコリと岩が剥がれ落ちます。
「あ」
これ一緒にダイブじゃん……やべぇ……。
ドボン!
しかもアレの目の前に着弾した。最悪だ!
めっちゃ目が合ってるよ。目見えないけど。そんな感じする。
「や、やぁ。こんにちは?」
ニッコリと微笑んで……ごめん、かなり引きつってる。
ええい!チクショウ!死なば諸共!
くらえ!触手乱舞斬!
鋭い刃の鞭となった触手を振るう!
目にも留まらぬ速さで繰り出した連撃は相手を八つ裂きにした!
溶岩に耐え、竜の鱗も切り裂く触手……もうコイツだけでいいんじゃないかな(白目)。
バラバラになったアレの肉片は溶岩へ落ちたが燃えたりはしないらしい。回収しないと。
ピシリ
「あ」
バカン!
乗ってた岩砕けた……。
ドボン
「ぎゃー!?」
こんな所で全ロス!?いや、違うってし、死ぬー!?
ゴメンよ……父ちゃん、母ちゃん……わたしここまでだったよ……。
あぁミコよこんな所で死んでしまうとは情けない……短い異世界幼女人生だった……。
「あれ?」
死んでない。耐えてるね。
よく見ると、バリアが小さな光の鱗みたいになって燃えて剥がれ落ちては下から生えてきていた。
その代り、ガリガリと魔力が減っている。さっさと回収して脱出だ!
ちなみにボスらしきアレは百足と同じ味がした。やっぱりボスって不味いんだな。魔力量だけは多かった。




