秋庭國光・・・
2本目ができてしまった・・・
勢いってすごいですね・・・
「私は、鏡だ。
人が持つ幸福、自由、愛、苦悩、嫉妬、憎悪・・・
1つ1つは、小さいものだった。だが、映せば映すほどその思いが大きくなり、やがて私はいなくなる。
私は、そんな人々の鏡に・・・・・」
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とある町の中・・・2つの影が横切る。
「待ちやがれ!!さもないと殺すぞ!!」
1人は、物騒な言葉を吐き、前方の人を追いかける。
一方、前方を走る人は、逃げきる一心で駆けていた。
秋庭國光 14歳 地元の中学校に通う生徒。
彼が今、追いかけられているのは、下校中に金銭を要求され、絡まれた不良から逃げるためであ
る。
「はっ、はっ、はっ。」
追いつかれたら、何をされるか想像したくもない。何とか逃げないとという気持ちがあった。
しかし・・・
「はい!ストーーップ!!」
前方に、彼の仲間らしき人物が目の前の道をふさいだ。どうやら、別の道から回ってきたようだ。
「残念だね~。頑張って逃げていたのにね!」
笑顔ではあるが、どこか舐めている態度を見せて、秋庭に言った。
そして、後ろから追いついた不良と前方の不良が、彼を・・・
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夕方、大きく立派な一軒家がずらりと立ち並び、その中でも一際目立った家があった。
「秋庭」と書かれた表札の前に、全身がボロボロで今にも倒れそうな彼が、玄関前で入るの
をためらっていた。
「はぁ・・・どうしよう・・・」
こんな姿を見せていいのか・・・彼は帰ることに迷っていた。
しかし、いつまでもいるわけにはいかないと思い・・・
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辺りは暗くなり、車のライトやビルの明かりが夜を照らしていた。
その中をひっそりと顔をなるべく見せないように、彼は歩いていた。
・・・彼は家に帰っていない。
ただただ、夜道を1人で歩いていた。何かに憑かれたようにあてもなく・・・
「今日は、どうするかな・・・。昨日は、友達の家に泊まらせてくれたけど・・・」
どうやら、彼は家に帰らないこと自体は日常的な様子だった。
「くそっ!あいつら、いつか絶対殺してやる。」
そう吐きながら、このまま行くとどこかで補導されそうだなと考え、近くに合った路地裏に逃げよ
うと思い、足早に入っていった。
真っ暗な中、なんの光もなく、ただただまっすぐ歩いて行った。
今日は、このあたりで寝るのかなとそう考えていたら・・・
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それは、鏡だった。T字路の突き当りに、不自然なほど雰囲気に合っていない姿鏡があった。
秋庭は、不思議そうな顔でその鏡を見た。
「なんだこれ。こんなのあったのか?」
一応、彼はこのあたりのことは知っていた。だが、ここに鏡が置いてあるなんて、記憶していな
い。しかし・・・
「まあいいや。どうでも。」
どうせ誰かが捨てたんだろうと結論付け、値付けられそうな場所を探し始めた。すると・・・
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目の前が、鏡だった。どこを見渡しても鏡だった。
「はっ!?」
秋庭は、パニックになっていた。当然だ。いきなり、鏡だらけの場所にいたのだから。
「そういや・・・最近、『鏡の迷宮』ってSNSで噂になってたよな・・・。
願いを叶える迷宮があるって・・・。」
もしかして、ここが?と秋庭は思った。
「こいつは、ラッキーだ。これを上げれば、ぜって~バズる。」
ガセが多い中、まさか本物に入れるとは思っていなかった。
彼は、新型のスマホを取り出し、動画撮影を行った。
「ひとまず、ほかに何があるか見てみるか。」
そう言うと、彼はさらに先へ先へと進んでいった。
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「くそっ!なんもねえじゃねえか!」
撮影してから、20分近く歩いたが、行っても行っても鏡しかない。
「つまんね。」
秋庭は、撮影を止めて、引き返そうを思った。後ろを振り返ると・・・
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家だった。家にある風呂場だった。
秋庭も頭が真っ白になった。なぜこんなところに?
すると、風呂場のドア越しに会話が聞こえた。
「ねえ!どうするのよ!もうこれ以上は絶対無理よ!」
「仕方ないだろ!連中が勝手にやりやがったんだから。」
男女の喧騒だった。しかし、秋庭はこの声を聞いたことがある。
おそるおそるドアを開けて、声のする方へ向かうと・・・
「遅かったじゃないか。静かになっても、全然出てこないんだから。」
「こっちは終わったけど、この人がヘマをして、やばいから早く逃げましょ。」
2人の男女の足元には、別の男女が赤い水たまりをつくっていた・・・
あたりを鉄のような匂いがして、男女の体から何かが出ていた・・・
「うっ・・・」
あたりに鉄のような匂いがあり、今にも吐きそうな気分だ・・・
「おいおい。何やってんだよ。」
「そうよ。なんて顔をしてるのよ。」
足元にあるそれをよそに、不思議そうな表情で秋庭の顔を見ていた。そして・・・
「「この2人は、お前//あなたの両親じゃないか・・・」」
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秋庭は、体が強張った。
なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?
なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?・・・・なぜ、ばれた?
頭の中で駆け巡る・・・誰にも気づかれていない真実を・・・
秋庭は・・・
「なんで・・・知ってる・・・の?」
強張った声で聞いた。バレたことの恐怖を感じて、必死に声を出した・・・すると・・・
「なんでって・・・そんなの当たり前じゃないの・・・」
「あなた・・・昔から言っているじゃないの。話すときは、相手を見なさいって。」
そう男女は答えた。
秋庭は、さっきから前を見ておらず、下しか見ていなかった。
恐怖で前を見ることができずにいた。
「まぁいいや。お前は、昔から誰に対してもそうだったからな。
さて、質問の答えを話そうか。」
男がそう答えて、話を始めた。
「もともと、お前はこのあたりの一等地の住宅に住んでいた子どもだよな。
両親は、お金持ち。何不自由なく、幸せを感じていた。」
「けれど、中学2年生の時、突然起こった。
いじめだった。周りはあなたのことを煙たがって、いじめを始めた。」
「最初は、小さな嫌がらせだった。けど、だんだんエスカレートをして、直接的な暴力を行うように
なった。」
「それが我慢ならず、あなたはその子たちに手を挙げた。」
「凄惨なことだったなぁ・・・あれは、なかなかひどかった。」
淡々と秋庭のことについて語りだした。彼は、それをただ聞いていた。
「そんなことがあって、当然警察やら教育委員会やらで大騒ぎ。
あなたは、被害者という形で特に罰はなかった。親が支払った多大な賠償金でね。」
「当然、周りからは受け入れられず、孤立。何人かの友達は味方についていたけど、ほとんど何もし
ていない。泊まるって言っても、家の外で!でしょ?」
「こんなことが起きたから、親からはひどい仕打ちを受けた。
暴言、暴力のオンパレードだったからな。」
「そんなことが何日も続いて、最悪な状況だった。そして・・・」
かなり細かく話をして、まるで煽るように話を続けていった。すると
「うるせえんだよ!勝手にペラペラいってんじゃねえよ!!」
秋庭は、話す男女に向かって手を上げようとした。
しかし、止められた。いや・・・動けなかった。
「そうそう。そんな風に怒って、両親に手を挙げた。そして、無我夢中でそのへんにあったもので
両親をボコボコにした。だよな?國光。」
目の前にいるのは、彼の両親だった。
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秋庭は、混乱した。なんで、目の前に両親がいる?なんで、足元に両親がいるのに、もう1人いる
の?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?
なんで?なんで?・・・・・・・・・・なんで、生きてるの?
「ん?あぁ・・・なんで生きているのか?って顔だな。
残念だけど、鏡との約束で話せないんだよね。」
「けど、1つだけ教えてあげる。
鏡は、昔から信仰の対象であったり、異界やあの世との交信に使われたりしていたりするらしい
よ。」
発せられた言葉。しかし、秋庭はそんなことを聞く余裕すらなかった。
振り上げた拳を降ろして、膝から崩れ落ちた。
「さて、君はこの後をどうするのかな?
前のように、僕たちを放っておいて逃げていくのかい?」
「それとも、やるせない気持ちをほかの人にぶつけて発散するの?」
「「さあ、どうするの?」」
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私は、鏡だ。
人が持つ幸福、自由、愛、苦悩、嫉妬、憎悪・・・
1つ1つは、小さいものだった。だが、映せば映すほどその思いが大きくなり、やがて私はいなくなる。
今回は、感情と向き合いのお話でしたね。
さてさて・・・次は、一体誰にしましょうかね・・・
いいのだろうか・・・勢いのままにいくのが・・・
それはそうとして、のむヨーグルトうまい。ただ、おなか痛い・・・




