鈴木将太・・・
初投稿です。(文字通り)
なぜこれを書いたのか、なぜ書こうと思ったのかは、わかりません。
勢いです。
「私は、鏡だ。
人が持つ幸福、自由、愛、苦悩、嫉妬、憎悪・・・
1つ1つは、小さいものだった。だが、写せば写すほどその思いが大きくなり、やがて私はいなくなる。
私は、そんな人々の鏡に・・・・・」
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とあるSNSでの会話。
A『願いの叶う鏡の迷宮を知っている人いますか?』
B『入った人に願いを叶えてくれる話のこと?』
C『そんなのあるわけないでしょ。ww』
D『あるなら、間違いなくバズって、どこか知られてるはずだよ!www』
A『けど、実際に願いを叶えた人もいるらしいって話じゃん。
だけど、話を聞きたくても、フェイクニュースとかあって、真実がわかんないんだよね~・・・』
C『だれだよ。そんなのアップしてるの。』
D『もし、叶えた人がいるなら、プロフィールに連絡先載せてるから、連絡してよ!
報酬も払うからさ!www』
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鈴木将太 29歳。 独身。 都内のアパートに住む会社員。
現在、副業として、フリーライターとして活動中。
「くそっ! ネタがねぇ・・・。」
彼は、そうつぶやき、SNSの中から、ネタを見つけている。
「次の投稿日まで、時間ねえのに・・・
今月やばいから、ここで稼がねえと・・・」
タバコの煙で、画面が見えにくいのに、そんなことを口にしていた。
「『鏡の迷宮』ねぇ・・・
あったら、間違いなくバズって稼げるんだがなあ・・・ほとんどガセだし、ホントっぽくても、情
報量って言って金払えって言ってくるし・・・」
投稿日の〆切と金銭的余裕のなさから、焦っていた。そんなとき、彼宛てにメールが来た。
「ん!?・・・誰だ?
『迷宮の管理者』? なんだこの名前?」
どう考えても、偽物としか考えられない名前だった。しかし、さらに偽物と思うのは、その内容だっ
た。
『初めまして。私は、鏡の迷宮の管理をしているものです。
普段、このように連絡をすることはないのですが、あなたにだけこの迷宮についてお教えすることが
決まり、連絡しました。
よろしければ、明日お教えするために、こちらの住所へお越しくださいませ。』
と、書かれていた。
鈴木は、この手の連絡が何度かあったが、全て詐欺への勧誘や恐喝して金をとろうとする輩の連絡だ
ということだと思っている。(もちろん、警察に突き出した。)
今回もその手かと思ったが、すぐに詳しい住所の連絡が入った。
ここから、そう遠くはない距離で、ちょうど明日は会社も休みで暇だった。
「まあ・・・行ってみてもいいかもな・・・いざとなったら、逃げられるし、それに多少の稼ぎに
はなるかもな。」
本当にあるとは、思っていない。だが、話を聞いて本当なら稼げるし、嘘だとしても多少脚色を付け
れば、小遣い稼ぎにはなると思っているらしい。
「本当にあったら、何を叶えてくれるのかねぇ・・・」
そんなことを思いながら、煙草の火を消した。
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翌日、指定された住所へ行くと、そこにあったのは、
なんでもないただの通り道。近くにあるものとすれば、喫茶店と牛丼屋その間にある路地、二車線の
道路と人が往来しているだけだった。
ただの日常の風景。ただのなんでもない場所。
「やっぱり、ガセか・・・
まあ、元から期待はしてないけど・・・何してんだか、俺は・・・」
わかっていたこととはいえ、何もないのは、やはりしんどい。
とりあえず、適当な店に入ろうと考えた時、ふと路地の方を見てみると、『何か』があった。
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「???」
気のせい・・・ではなさそうだ。確かに何かある。
吸い込まれるように、入っていき、その『何か』を確かめようとした。
その場所まで行くと・・・
「鏡?」
1枚の姿鏡だった。なんであるんだ?と不思議そうに思い、じっと見つめる。
すると、鏡の中から何かが浮かび上がった。
文字のようなものがあり、そこには、
『鏡の迷宮へようこそ。どうぞ、お入りください。』
と書いてあった。
さすがに、気味が悪い。そう思って、振り返ると・・・
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そこは、鏡だった。正面も天井も床も・・・何もかもが鏡だった。
鈴木は、訳が分からなかった。自分は入ってもいないし、なんなら鏡に触れていなかった。
しかし、そこには鏡だけしかなかった。
どうやら、迷宮の中に入ってしまったようだった。
助けを呼ぼうとしても、出口がわからない。携帯はつながらない。大声をあげても、自分の声しか聞
こえない。絶望的だった。膝を崩して、
このまま死ぬのか?と思ってしまうほどに・・・
そこに、彼の正面にある鏡から文字が出てきた。
『まっすぐ進んでください。』
そう書いてあった。
怪しいとわかってはいるが、ここにいるよりはましだ。と考えて、素直にまっすぐ歩いて行った。
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数分ほど歩いた。
たった数分だが、彼にとっては長い長い道のりだった。
全てが鏡だ。どこを見渡しても彼以外の姿がない。彼の映った鏡が反射して、自分が何人いるんだと
思うくらい無限にあった。
彼も、今まっすぐ歩いているのか、曲がっているのか、上り下りしているのかがわからない。
終わりがないかもと気にしていると、
『この鏡を押してください。』
と文字が出てきた。
とりあえず、出られると思った。不思議と安堵した気持ちが出て、躊躇いなく鏡を押した。
すると・・・・・・・
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・・・道だった。あの鏡を見かけた路地裏の道だった。
鈴木は、頭が真っ白だった。当然である、突然戻ってきたのだから。
ふと、我に返って、鏡があった後ろを振り返ると・・・何もなかった。
そこには、行き止まりの壁があるだけだった。
「さっきのは、何だったんだ?」
鈴木は、そうつぶやき、帰路につこうとして歩みを進めようとした。しかし・・・
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「あなたの願いは?」
突然、後ろから声がした。
声をかけた人物?の声があまりにも幼い。しかし、なぜか聞いたことのある声だった。
鈴木が振り返ると、言葉を失った。
そこにいたのは・・・赤ん坊だった。立つことができるとは思えないほど、とても小さな体で、弱々
しかった。けれど、問題なのはそこではなかった。
俺は、この子のことを知っている。
鈴木は、そう思った。
なぜ、彼にその子のことが分かるのかは、彼自身も不明だった。しかし、知っていると自分の心の中
がそう思っている。
すると、赤ん坊はか細い声で鈴木にこう言った。
「おとうさん・・・なんで・・・?」
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赤ん坊は、言った。「お父さん」と。「なんで?」と・・・
鈴木の頭の中はパニックだった。
赤ん坊のことを知らないはずなのに、知っている。独身であるはずなのに、お父さんという言葉にな
ぜか心に刺さるものがある。
話を聞くどころではないというのに、赤ん坊はさらに続けていった。
「おとうさん・・・なんで・・・だめだったの?
なんで・・・おかあさんをとはなればなれなの・・・?」
だめだった。おかあさん。はなればなれ。鈴木のパニックになった頭の中で聞こえてきた言葉が彼の
脳内を駆け回る。いったい何のことだ?だめってなんだ?おかあさんってだれだ?なんでおれはこの
このことをしっているんだ?
回って、回って・・・おそらく一生の中で最も考えたことであろう。
一体、何があったんだ。俺がなにしたんだ。そんなことを考えて、赤ん坊に言おうとしていた。
理由はわからない。ただ、目の前にいる赤ん坊に伝えないとと思っている。
だが、出てこない。必死に考えても出てこなかった。
鈴木は、もしかして死ぬのかとふとよぎり、逃げようとも考えた。しかし、気付くとあたりは鏡だ。
あの迷宮の中にいた。
これでは、無理だな。そう悟った。
観念しようと思った時、赤ん坊が再び言った。
「そうやって、にげたんだね・・・
じぶんがしてしまったことなのに・・・わすれようとするんだね・・・」
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赤ん坊はそう言った。
まるで、自分の知らないことを知っているように・・・
諦めが見えていた鈴木は、ぽつりとつぶやいた。
「なんで・・・しっているの?」
自分では、もうわからない。一体この子は何を知っているのか。
知りたいと思った。知らなければいけないと思った。わからないことをわからないままにするのは、
いけないと鈴木は、そう思った。
すると、赤ん坊はぽつりと話し始めた。
「あなたが高校生の時・・・好きな人がいました。」
鈴木は、それを聞いて、はっとしました。
「そうだ。高校生の時、彼女がいた。」
思い出したかのように、鈴木が語りだした。
「初めての彼女で、うれしかった。向こうも嬉しそうだった。お互い好きという気持ちがあって、こ
のまま一緒にいようと思った。けど・・・」
「そう・・・あなたは、犯してしまった。
あなたは、おかあさんとの子どもができた。しかし、逃げた。
高校生の僕が育てられるわけないだろ!と・・・」
「そう・・・なにもなかった僕は、彼女の知らせを聞いて逃げたんだ・・・
怖かったんだ・・・周囲の目も、あんなことを言っていしまったことが・・・」
「そして、彼女は僕を・・・」
「仕方がないんだ・・・君を・・・父親として育てられるのかが・・・」
「そう・・・子どもだったあなたには無理だった・・・」
「彼女には、必死に謝った。両親にも、彼女の両親にも・・・
許されるはずがなかった。けど・・・許された・・・許されてしまったんだ・・・
それから、彼女のためにもと思って、稼いだ。偉くなろうとしたんだ。こんなことを二度とあって
はならないように・・・」
「けれど、おかあさんはいなくなった。僕を追いかけて・・・」
「ああ・・・そうだね・・・」
自分が忘れていたことを思い出し、自分の罪について独白をした。まるで、懺悔するかのよう
に・・・
鈴木は言った。
「僕は、どうすればいいのかな・・・」
かすれる声で言い、自分のこの先を問いかけた。すると、赤んぼは・・・
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私は、鏡だ。
人が持つ幸福、自由、愛、苦悩、嫉妬、憎悪・・・
1つ1つは、小さいものだった。だが、写せば写すほどその思いが大きくなり、やがて私はいなくなる。
今回は、罪と記憶のお話でしたね。
さてさて・・・次は、一体誰にしましょうかね・・・
いろいろ思うかもしれません。
豆腐メンタルですので、過激なことは、ご遠慮ください。
しかし、真摯に受け止めていきます。
続きがあるとしたら・・・勢いですね。




