発覚
「セレス!!わかったよ!君の魔力の正体が!」
突然のアレンさまの宣言に、私とパパは驚愕の声を上げる。
「「ええっっ!?」」
「とにかくこれを見て!」
そう言って目の前に差し出されたのは、昨日から何度も見た黒い魔石。
「魔石…ですね」
「そう、魔石だ!これには何が入ってる?」
「お前の魔力がたっぷり入ってるんだろう?」
パパが訝しげに答える。
「そうなんだよ!僕の魔力だ!」
話が見えて来ない。
「君は昨日この石5つ分の魔力を取り込んだ。なのにほとんど髪の色が変わらなかっただろ?僕はどうしてもそれが納得出来なくて、夕べからこの石をずっと調べてたんだけど…」
パパが少し遠い目をして「執着…」と呟いている。
「この魔石の中の魔力は〝無〟なんだよ!いや言い方が難しいな、無…属性?なんだ!」
無属性…。
「…アレン、それはどういう…」
「つまり何の色もない、ただ純粋な魔力ってことさ!だからセレスの髪色は変わらなかった!それが君の魔力の色だからだよ!」
「純粋な魔力…?」
「セレス!君すごいよ!本当にすごい!君は、何かから取り込んだ魔力を自分の体内で、自分の魔力に変換してるんだ!君の魔力、純粋な〝無〟の魔力に!」
アレンさまは今にも私に抱き付かんばかりのはしゃぎようである。
「…ごめんなさいアレンさま、まだ頭に全てが行き渡らないんですけど、仮に私の魔力が、無…属性だとして、それは何かの役に立つんですか?何も無い、という事は、何も出来ない、というふうにも取れる気がするんですが……」
アレンさまは目を閉じて首を大きく横に振る。
そして目を開き、私を真っ直ぐに見つめる。
「違うよ、セレス。何にも染まっていないという事は、何にでも変えられる、という事なんだ」
何にでも変えられる…。
突如として頭に浮かんで来る、これまでの人生の不思議なこと。無いはずのものがそこにあり、私に見せてきた様々なこと。
「何にでも変えられる……」
アレンさまが優しく微笑む。
「セレス、手の平を出してごらん」
私は言われた通りに手の平を上に向けてアレンさまに差し出す。
「魔力を集めてみて?」
コクリ。私は頷く。
いつものように、手の平の上に魔力を集める。
「そうだな、小さな光にしようか。光魔法のディムライト…」
ディム…ライト。微かな光…。
そう心に念じた瞬間ー
淡い…とても淡い光が私の手の平を包む。
その淡い光を見ていたら、何故だか涙で目の前が滲んだ。
私が、私の真実に、初めて気づいた瞬間だった。




