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ダンジョンおじさん  作者: 広路なゆる


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135/147

135.おじさんのライバル?

 と、その時であった。


「おぅおぅ、楽しそうじゃねえの?」


「「「っ!?」」」


 また別の方向から割り込むような第三者……いや、第四者の声が聞こえた。


「えっ……?」


「何だてめえら……!」


「って、えっ……!? この人達……」


 リリース・リバティのメンバーはギョッとするような表情となる。


「あー、どうもどうも」


「どうするつもりです? セン輩」


 新たに現れた男性に、同時に現れた女性が確認する。その他にも二人の男性がおり、新たに現れたのは四人組のパーティであった。

 そして先頭に立つ赤い髪の男が仲間の女性の問い掛けに答えるように語り出す。


「まー、なんだ? ファンサービスの一貫じゃねえの……」


「ファッ!?」


「そう、ファン。なんつーか、俺って、一度会ったファンの顔は忘れないんだよな」


 リリース・リバティのメンバーは訳が分からないというように困惑している。


「というわけで、口論なんて面倒くせえことはしない。お前ら、喧嘩したいなら剣を抜け……」


「っ!?」


 現れて早々、対人戦闘など全く厭わないといった様子で剣を向けられたリリース・リバティのメンバーは言葉を失う。


 それもそのはずだ。剣を向けるその人物は最強のパーティとの呼び声高いStarry☆Knightsのエース、ジェル・ナイトのセンであった。


 ◇


「あ、有難うございました」


“覚えておけよ”、というどこかで聞いたような典型的な捨て台詞を残して去って行ったリリース・リバティのメンバーの背中を見送りつつ、ジサンはセンに礼を告げる。


「あー、いいってことよ……さっきも言った通り、ファンサービスの一貫だし……それに、なんとなく胸くそ悪かったからな」


(……)


 センは少し照れくさそうに頬を掻いている。


「え、えーと……小嶋くん……彼らって……」


「あ、えーと、恐らくStarry☆Knightsの人達ですね……」


 ジサンも一度、Starry☆Knightsのことは直接、見掛けたことがあるので、すぐにわかった。

 それは月丸隊とトウキョウ湾岸エリアで待ち合わせした時のことであった。


 Starry☆Knightsの皆さんが月丸隊に勝負を仕掛けていたところに、後から待ち合わせ場所に到着したジサンとサラが出くわしたのだ。


 その時、なぜかStarry☆Knightsの皆さんがジサンとサラのことをファンであると思い込んだこともジサンは何となく覚えていた。


「あ、いや、それは知ってるけれど……」


 ボス討伐をしたパーティは基本的に顔、名前、クラスがセットで公表されるのである。


 ==========================

 ◆2043年1月

 魔王:フンソウホウ

 ┗討伐パーティ<Starry☆Knights>

  ┝ゲンゾウ クラス:聖騎士

  ┝セン   クラス:ジェル・ナイト

  ┝リマ  クラス:マジック・ナイト

  ┗ナン   クラス:ヒール・ナイト

 ==========================

 ◆2043年3月

 魔王:ギャディン

 ┗討伐パーティ<Starry☆Knights>

  ┝ゲンゾウ クラス:聖騎士

  ┝セン   クラス:ジェル・ナイト

  ┝リマ   クラス:マジック・ナイト

  ┗ナン   クラス:ヒール・ナイト

 ==========================

 ◆2043年4月

 魔帝:ナード

 ┗討伐パーティ<Starry☆Knights>

  ┝ゲンゾウ クラス:聖騎士

  ┝セン   クラス:ジェル・ナイト

  ┝リマ   クラス:マジック・ナイト

  ┗ナン   クラス:ヒール・ナイト

 ==========================


 二魔王、一魔帝を討伐しているStarry☆Knightsのことを知らないのはよっぽど他人に頓着がないか、人の顔を覚えるのが苦手な人くらいであろう。


「あれ……? あんたは……」


「っ……!」


 センがサイカの方に関心を示し掛けた時……


「うわー、Starry☆Knightsだぁー! 本物ー!?」


(!?)


 突然、ファーマーの男性と一緒にいた狩人風の女性が騒ぎ出す。


「私、めっちゃファンなんです! サインください!!」


「おぅ、有り難いじゃねえの」


 センはそう言うと慣れた様子でサインボールに筆を走らせる。


「と、ところでStarry☆Knightsの皆さんもイベントに?」


「そうですそうですー!」


 狩人女性が尋ねると、クラス:マジック・ナイトで紅一点のリマが明るい雰囲気で応えてくれる。


 どうやらStarry☆Knightsの皆さんはファンに対しては割とフランクに対応してくれるようだ。


「ご存知の通り、我々は最強のパーティを目指しております」


 Starry☆Knightsのリーダー、ゲンゾウが解説する。


(いや、ご存知ではなかったですが、そうだったんですね)


「故に強敵を求めて、こういったイベントには、しばしば脚を運んでいるわけです」


「な、なるほどです……って、あれ? だったら今はちょうどイベントレイドバトルをやっているのでは?」


 ジサンはすっかり忘れていたのだが、狩人女性の言う通り、実は今日はイベントレイドバトルの日時と被っていた。


 ==========================

【イベント情報】


 ボス:

 ランク 魔王 


 場所:

 ヒロシマ イツクシマ神域ダンジョン


 日時:

 2043年6月15日 9:00~21:00


(以下、省略)

 ==========================


「あー、確かにそうなんだが……まぁ、今更、魔王を寄ってたかっていたぶって何になるんだって話じゃねえの。それだったら、こういうイベントで隠れた強敵との出会いを求めた方がいいってことよ」


「そういうことですか……! やべっ、超かっこえぇ」


 狩人女性はセンに憧れの眼差しを向け、それにファーマーの男が鋭い眼光を向けている。


(……まさかこんなイベントにStarry☆Knightsが来てるとは……副賞のオーク獲れるかな……)


 強力なライバルの出現に焦りを覚えるジサンであった。


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