【悪魔のテクニック①】エデンの園
【悪魔のテクニック①】エデンの園
☆聖書の教え:人間には、本当の愛はない。人間は不完全な存在である。
とある小さな教会で、毎週のように、高校生たちが輪になって、あるときはゲームをしたり、あるときは、聖書の話を聞いたりして集っていた。
その学生の中のひとりの快活な少年がふと質問を牧師に投げかけた。
「ねーけいつぁん。」(けいつぁんとは、牧師のあだ名である)
けいつぁんは、いつものように、学生と同じような気分の声で答える。
「はい?」
「あのさー。神様は、人間を救ってくれたんだよね?」
「うん。そうだね。」
「じゃーさ。悪魔も救ってあげれないのかな?」
聖書では、神様は全知全能の神であり、不可能がない存在であると書かれている。時を超え、場所を飛び越え、すべてのものごとを把握できるという。
その神様なら悪魔も救えるのではないのか?という疑問が横切ったのだった。
完全である神様は、この悪魔を救うことが出来るのでしょうか?そして、悪魔とは一体どんな存在なのでしょうか?
けいつぁんは、この少年の質問に優しくある物語を再度もちだした。
「悪魔はね。イヴの前にその世界で一番綺麗で狡猾な蛇の中に入り、現れたよね?」
「うん。確か今の蛇とは違う姿だったんだよね?」
「そうだね。そして、悪魔は、善悪の木の実の前でこう言った。
「あなたがたは、園のどんな木からも食べてはならない。と神は、ほんとうに言われたのですか?」」
少年は思い出すように、普通にうなずいた。
「うん。」
「この時の蛇の言葉、”ほんとうに”という言葉は、日本語にはないような言葉なんだ。」
「どういうこと?」
「ヘブライ語でいうと”アフ”という単語でね。この”アフ”っていうのは、とても訳しにくい言葉で日本語で正確に訳すと
「うぇぇえぇぇぇ!?ほぉんとぉうにぃぃ!?」
っていう、言葉なんだよ^^;」
「なんか、嫌な感じだね・・・。」
「でしょ。イヴもそう感じただろうね。そして、イヴは、善悪の木の実を食べてはいけないと神様から直接聞いたわけじゃかなったんだ。アダムから間接的に聞いていただけだった。だから、蛇に
「うぇぇえぇぇぇ!?ほぉんとぉうにぃぃ!?そういわれたのですか?」
といわれた時、イヴの中に自分への疑問がわいたんだね。
「あれ・・・確か、アダムはそういってたはず!」
そこで、イヴは、蛇に答えたね。
「わたしたちは、園にある木の実を食べてよいのです。しかし、園の中央にある木の実について、神様は、
「あなたがたは、それを食べてはいけない。それに触れてもいけない。あなたがたが死ぬといけないからだ。」と仰せになりました。」
そこで、蛇はさらにじょうずに言った。
「あなたがたは、決して死にません。あなたがたが、それを食べた時、あなたがたの目が開け、あなたがたが神のようになり、善悪をしるようになることを神は知っているのです。」
すると、イヴは、善悪の知る木の実をみると、まことにおいしそうに見えた。とてもその実がほしいと思ってしまったんだ。そして・・・触ってもいけなかった実を触ったけれど、死なずそのまま食べてしまった・・・。」
少年は、言葉がためいきのように出た。
「あぁぁ・・・。」
「いいかい?この話で大切なのは、本質をみることなんだよ。」
「本質?」
「うん。本質とは、”善悪の木の実を触ってもいけない。食べてもいけないってことなんだ。”」
「うん・・・。」
「でも、ここで蛇は、うまーく、その本質から人間の目を誘導していく。神様の言葉は本当かもしれないけれど、イヴさんあなたの記憶は確かですか?ほんとうに確かでしょうか?
と、誘導していく、そうするとイヴは、すこし自分に疑問をもちはじめる。」
「うん・・・。」
「そして、神様のように目が開かれて、神様のようになるんですよ^^
と、誘惑し、触ってもいけなかった実をイヴは触ったのに、死ななかった。だから、食べたんだね。でも、さっき神様が言った言葉を思い出してごらん。神様は、触った瞬間死ぬとは言われていないんだよ。
それを蛇は、
「ほらごらんなさい。触っても死なないでしょ?」
と、本質からいつの間にか、イヴを誘導して、木の実を食べさせたんだ。
そして、善悪の木の実を食べたイヴが死んでいないのを見て、アダムもそれを食べてしまったんだ。」
「悪魔って・・・本当に狡猾だね・・・。」
「うん。そうなんだよ。悪魔はとても頭がいいんだよ。神様の言われる本質から色々なもので誤魔化し、いつの間にか人間を違う道に誘導するんだよ。
そして、人間は、善悪を知って、はじめてロボットのような植物のような存在から自分の考えで動くものへと目が開かれたんだね。そうすると、自分たちが裸であることを恥じるようになり、神様から隠れたね。
神様は、一番悪い綺麗で狡猾であった蛇を現在のような手も足もない姿に変え、女性は、男に支配され、こどもを生むとき苦しみを増すようにして、男には一生苦しんで働かなければいけなくなったんだね。」
「悪魔のせいで・・・。」
「そうだね。では、この悪魔とは一体どこから来て、どこに行こうとしているのか。悪魔の策略を次は話すよ。」
【悪魔のテクニック①】完