↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/62

#22 調和の結晶


 馬車の通った雪の上には、2つの車輪の跡がくっきりと残っている。その付近には様々な足跡が、点々と道しるべのように付いていた。


 そしてその先に停まった馬車と、立ち止まるモノたちの姿があった。谷底にあたるこの場所は、岩肌に囲まれている。


「ここですか?」

「そうここ。ノエル君こっちに来て」


 手招きするセーレさんに続いて、僕は近くにあった洞窟へとはいる。人一人やっと通れるくらいの、小ぶりな洞窟を進んでいくと、奥は行き止まりになっていて、やや広い空間が現れた。

 その空間の中央には、何かの台が有り、その上には小さな黒い結晶があった。だけど、以前見た闇の結晶とは少し違うのか、白が混じり合っている。


「これは……闇の……」

「そのとおり、これは闇の結晶(クリスタル)だよ。結界の媒体に使ってるんだ」


  セーレさんがその結晶に手をかざすと、彼の力に呼応するかのように光が瞬いた。


「でも何もしないで放置しておくと、闇を集めて次第に闇の狭間とかしてしまうからね、そこである人に頼んで光分子を半分加えてある。これはこの世界の四方の結界の要でもあってね、それぞれの地域を守る結界の創造や、その他の様々なことに利用されるんだ」

「光分子は……この世界にないのでは?」

「君は何も聞いてないの?」

「え?」


 驚いた彼にそう聞かれたけど、僕はなんのことだかさっぱりわからない。首をかしげる僕を見て、しばらく何かを考えていたようだけど、再びその結晶に視線を戻した。


「今からこの地域の結界を再生するために、この結晶……調和の結晶っていうんだけど、それの力を引き出す。もちろん僕は悪魔だから闇分子しか使えない、だから周りにあるこの地にある闇分子すら目覚めさせてしまう。それをノエル君に抑えてもらうよ」

「そう言われましても、僕ひとりでは……」

「大丈夫。僕もそこまで無茶苦茶なこと言わないよ。この洞窟もそのとある人が、術を施して、入口以外は薄い光分子に守られてる。だからノエル君は入口から、僕の気がもれないようにしてもらえればいいんだ」


 たしかにこの洞窟内の空気は、外に比べると異質だった。いいかげんそのとある人というのが気になるけど、今は結界が最優先だし、あとにしよう。


 セーレさんを洞窟内に残し、僕は入口へと戻った。ちょうどアモンさんが、隊の人たちに指示し終えたようで、入口の方に向かってきた。


「セーレが結界を作り始めると、闇の分子は少なからず変化を示すんだ。そしてそれを察知して、周りにいる魔獣たちを引き寄せる。でも、ノエルはこの入口と洞窟の中だけ注意してて」

「は、はい……」

「あと……この前の奴がいるかもしれない。けど……もうノエルを危険な目には合わせないから」


 そういうアモンさんは、何故か僕ではなく近くの岩肌を見つめていた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。