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#11 光のリング

 あれから2日が経った。


 本当は昨日でも王宮には帰れたんだけど、どうしてももうしばらくここに居たくて、アシュタロスさんに頼んでしまった。渋々了承してくれた彼には頭が上がりません。


 今はアシュタロスさんの屋敷で、お迎えを待ってる。


 まぁ、まだこの世界の地理的なことは何もわからないし、アシュタロスさんの家は王宮とは近いらしいけど、それまでの道のりを知らないから、一人じゃ帰れないんだよね。


 しばらくして屋敷内にベルの音が響き渡った。来客を告げるものらしく、僕はアシュタロスさんと一緒に、玄関まで向かった。


 アシュタロスさん曰く、この屋敷内はある程度の悪魔にとっては毒になるそうだ。あまり詳しくは教えてくれなかった。


 アシュタロスさんがドアを開けたとたん、アシュタロスさんの傍らにいた僕に、誰かが抱きついてきた。


「ノエル、久しぶりだね」

「シャ……シャックスさんですか!?」

「正解だよ。さすがノエルだ」


 いえ……あなた以外で、こんなことしてくる人が、思い浮かばなかっただけです。



「なぜお前が?アグレアスだとばかり思っていたのだが」

「俺が行くといったんだ。ノエルを迎えに行くのは、俺の役目だろう」

「誰がそんなこと決めたんだ」


 ぎゅむぎゅむと、僕を抱きしめてるシャックスさん。そろそろ離して欲しいです。


「おやおや?珍しく顔がこわい。せっかくの美人が台無し。どうかした?」

「別に……。そろそろ離してやったらどうだ」

「おっと、ごめんよノエル」


 しばらく、僕の後ろにいたアシュタロスさんと話してたシャックスさん。怖い顔?をしてるらしいアシュタロスさんに言われて、ようやく離れてくれた。


するとそれを待っていたのかアシュタロスさんが僕の方を向いた。


「手を出せ」

「はい」


 両手のひらを上に向けて出すと、その上にアシュタロスさんが手をかざした。ポッと淡い光が生じ、それが収まると僕の手のひらの上に綺麗な乳白色のブレスレットがあった。


「これは……」

「これをつけていれば、前回のようにすぐ倒れたりはしなくなる。お前の力の補助をする。だからといって無茶をしていいわけじゃないがな」

「頂いてもよろしいのですか?」

「お前のために、用意したようなものだからな。ほかのやつじゃ、宝の持ち腐れになる」

「では、ありがとうございます。お世話になりました」

「あぁ」


 シャックスさんと一緒に、帰ろうと足を踏み出した。数歩歩いたあと、僕はふとあることを思い出し、再び玄関に戻った。


「忘れ物か?」

「いえ。あの、またここにお邪魔してもよろしいですか?」

「……何のもてなしも無いぞ?」

「構いません。僕がお邪魔するんですし」

「俺は基本家にいる。いつでもいいが、一人で来るなよ」

「はい」


 どうしても、これきりここに来れなくなるのは嫌だった。だから良いって言ってもらえて、すごく嬉しかった。嬉しくて、ついつい顔が緩んじゃう。


 緩みきった顔でお礼を言って、シャックスさんのところに戻った。


 シャックスさんに抱えられて、僕は王宮へと戻る。別に僕飛べるんだけどな。そういったんだけど、良いのって言われて断れなかった。


 

 


 

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