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Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第7章 ギルドバトル

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第95話 第4試合決着!!

《Let's Monster Battle》におけるバトルでは、道連れやその系統のスキルは使い手が極端に少ない。

 一番大きな理由はタイミングと距離感がシビアすぎる。

 倒されるに至る攻撃を受ける1秒前に相手モンスターが1メートル以内にいる場合のみ発動可能。

 ほんのわずかでもタイミングが狂わされると、道連れ系のスキルは不発に終わる。

 それをこのタイミング、ここしかないという所で使った。

 これはロザリアとしても盲点だった。


「頼んだぞ、ドランバード!」


 先に2体目を召喚したのは、薫だった。

 ドランバードは竜人という言葉が相応しい人に近い姿をしている。


「顕現せよ、ノワール!」


 薫がドランバードを召喚したのを確認し、

 ノワールは西洋の竜といった見た目で大きさは3、4メートルくらい。


 ドランバードがノワールを倒せば、ギルドバトルは鬼姫の勝利。

 ノワールがドランバードを倒せば、ギルドバトルの勝敗は第五試合で決まる。

 観客席、実況席と固唾を呑んで、バトルの行方を見守る。


 しばらく、両者共に動かなかった。

 相手の出方を窺っているのか。

 少なくともロザリアとノワールは窺っている。

 だが、薫とドランバードは違った。

 アルバスが最後に発動した『怠惰な道連れ』の追加効果がノワールに効果を発揮しているのか。

 それを見極めていた。


 本来なら新たに召喚されたノワールに強力なデバフや状態異常が付与される。

 だが、『デバフ・状態異常無効』を持っているノワールには効果を発揮しなかった。

 薫自身、これは想定の範囲内。

 万が一、効果を発揮してたら。

 その程度の認識でしかなかった。


 この沈黙を先に破ったのは、薫とドランバードだった。


「ドランバード、『竜爪拳』!」


 背中の翼をバサッと広げ、空を駆けノワールに接近する。

 ドランバードは青いオーラを纏った拳をノワールに繰り出す。


「ノワール、『アビスフィスト』!」


 それに対して、ノワールは闇に覆われた拳を繰り出した。

 ドランバードとノワールの拳が正面から激突。

 お互いに一歩も譲らず、痛み分けに終わる。

 その余波でドランバードとノワールは後方に僅かながら弾け飛んだ。


「ノワール、『アビスブレス』!」


「ドランバード、『アクアブレス』!」


 後方に弾け飛びながら、ブレスで反撃する。

 2体の中間地点で闇と水のブレスが衝突。

 これもまた、相殺され弾ける。


「ノワール、『アビスノヴァ』!」


 お互いが体勢を立て直すよりも早く、ノワールが追撃をする。

 フィールド全体の地面が闇に染まる。

 地面から上空へ闇の奔流が上るように吹き荒れる。


「ドランバード、『ドラゴンフォース』『水竜爪・滅』『水竜爪・破』!」


 これを『ドラゴンフォース』で全ステータス2倍にした状態で、水を薄く伸ばすように両手の鉤爪に纏わせ、相殺した。


「ノワール、『ドラゴンフォース』『ブラックスター』!」


 ドランバードが『ドラゴンフォース』を使ったことでノワールもすかさず発動する。

 これで一時的に開いた2体のステータス差は埋まった。

 直後、遥か上空から数多の隕石がドランバードに引き寄せられているかのように落ちてくる。


 地上から吹き荒れる『アビスノヴァ』によってドランバードは、空を飛んでいた。

 そこに上空から攻撃が降り注ぐ。

 これを回避するのは、さすがのドランバードもできなかった。

 かなりのダメージが入った。

 ロザリアは手応えを感じていたが、実際にはほとんどダメージはなかった。


「……防がれたか」


 ロザリアは、冷静に状況を見極めていた。


 ドランバードが使ったのは『仙竜爪(せんりゅうそう)・天』。

 このスキルは、目に見えないオーラを纏って防御力を一時的に上げる。

 無防備に攻撃を受けたように見えたが、実際にはしっかりと防いでいた。


「ノワール、『アビスブレイク』!」


「ドランバード、『アクアブレイク』『竜爪牙』!」


「ノワール、『アビスクロー』!」


 一進一退の激しい攻防が続く。

 だが、お互いに与えるダメージは微々たるもの。

 にも関わらず、神技を使わない。

 こういう展開のバトルでは、神技を使うタイミングが重要になる。

 大ダメージを期待できる神技を回避されたら、流れが一気に傾く。

 確実に当てられる状況。

 二人ともそれを待っている。

 そして、作ろうとしている。


「ドランバード、『水竜爪・滅』『水竜爪・破』『水竜爪・絶』!」


「ノワール、『ブラックラグナロク』!」


 ドランバードの使った水竜爪のコンボスキル。

 これに対してノワールは全体攻撃の『ブラックラグナロク』で応戦する。

 薫はこれまでのバトルで水竜爪のコンボスキルは滅と破の二つしか見せたことが無い。

 今回、このタイミングで三つ目の絶を使った。

 それだけロザリアとノワールが強く、ダメージが与えられていないことを意味していた。


 フィールドがノワールを中心に徐々に闇に染まっていく。

 この闇に触れたらそれだけで大ダメージを負う。

 今のままでは、水竜爪のコンボスキルでも相殺できない。

 そう感じ取った薫は勝負に出る。


「ドランバード、『竜闘気解放』!」


 突如としてドランバードは青色のオーラを纏う。

 するとノワールの『ブラックラグナロク』を水竜爪のコンボスキルで相殺した。


「水竜爪・極!」


 その直後、四つ目の水竜爪のコンボスキルがノワールに炸裂する。。

 コンボスキルは決められた順番に使い、攻撃すると威力が跳ね上がる。

 既に滅、破、絶の順で使っている。

 ここにきて、ノワールに大きなダメージが入った。

 ここまでハイレベルなバトルを繰り広げてきた。

 ロザリアとノワールにとって、このダメージは大きくのしかかる。

 そう誰もが思ったが、ロザリアは顔色一つ変えず、冷静だった。

 そう、冷静にドランバードの状態を見抜いていた。


「それ、長く持たないでしょ?」


 ロザリアからの指摘。

 薫も顔には出していないが、『竜闘気解放』は『ドラゴンフォース』と違って制限時間がある。

 その上、効果が切れると同時にドランバードのステータスが本来の半分にまで下がる極大のデメリット付き。

 この指摘に薫は内心かなり焦っている。

 このタイミングで『竜闘気解放』を使わされた上に長時間は使えないことを見抜かれた。

 それもあって、薫は大きく攻勢に出る。


「ドランバード、『仙竜爪・絶』!」


「ノワール、『ブラックテンペスト』!」


 青いオーラを纏ったドランバードの竜爪と漆黒の嵐がぶつかる。

 壮絶な嵐の中を『仙竜爪・絶』で掻い潜りながら進む。

 やがて嵐を抜けるとその先にノワールは――




 いなかった。

 ドランバードは嵐を抜け、反撃される前に攻撃しようと考えていた。

 それもあって、目の前の光景を理解できなかった。

 そして理解した時には既に遅かった。

 ノワールの使った『ブラックテンペスト』はただの目眩し。

 本命は別にある。

 ドランバードがノワールを見失った状態で繰り出される本命の一撃。

 そんなの一つしかない。


「今、『神技・ビッグバンノヴァ』!」


 薫とドランバードは、完全に虚をつかれた。

 このタイミングで真上から神技による広範囲攻撃。

 これを防ぐには、ドランバードも神技を使うしかない。

 だが、ドランバードの神技は多少のタメを必要とする。

 この局面では間に合わない。


 薫はこの瞬間、目をそっと閉じた。

 静かに敗北という二文字を受け入れた。


【ドランバード DOWN】

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