表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rewrite : Let's Monster Battle〜無限の可能性 進化と退化の軌跡〜  作者: 夕幕
第7章 ギルドバトル

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/131

第93話 大本命

 リベリオン控え室。

 誰もがメリダの勝利を確信していた。

 だが、結果は敗北。

 控え室の空気は最悪だった。

 それでも、メリダの表情は試合前に比べると明るかった。



 ◆◇◆◇



 第三試合、海夕があのメリダさんに勝った。

 控え室でバトルを見ていたオレは喜びよりも驚きの方が大きかった。

 一度、模擬戦とはいえバトルした。

 あの時、リーフィアが手も足も出ずに負けた。

 この結果には、オレは鳥肌が立った。


「すげえな。まだCランクで覚醒スキルを使えるのか」


「うん、本当にすごいよ。それに価値ある一勝だよ」


 特に薫先輩と琴音先輩は海夕のことをよく知ってるオレたちよりも興奮していた。


 しばらくすると、疲れ切った様子の海夕が控え室に戻って来た。

 みんな海夕を明るく迎えたけど、あまりにも疲れてそうだったから、ゆっくり休んでもらうことにした。

 メリダさんとのバトル、見ているだけじゃわからなかったけど、相当集中力を使ったみたい。


「二階堂はまだか。そうなると、次の試合は俺か」


 薫先輩が髪を掻きながら、ため息をつく。

 小声でボソッと最後がよかったのに。

 そう言ってたのも聞こえてしまった。


「鬼灯、二階堂はあとどれくらいで到着予定かわかるか?」


「えっと、さっき送られてきたメッセージだと、あと10分で学園に着くそうです」


「あと10分か。念のための時間稼ぎをするか。選出をギリギリまで引き延ばす」


 ついに選出時間の引き伸ばしを使った時間稼ぎか。

 普通のギルドバトルって観客の余韻が冷めないうちに次の試合が始まるんだけどな。


「そんな露骨な時間稼ぎ大丈夫ですか?残り2試合の対戦カードは決まったも同然で選出に時間が掛かる余地がないけど……」


 莉菜が心配そうな顔で薫先輩に確認する。

 それには、薫先輩、琴音先輩と顔を顰めた。

 二人のその表情からかなりのグレーゾーンであることをオレたち全員察した。


「実況席にいる二人がなんとか場繋ぎをしてくれると信じるしかないだろ」


 薫先輩から告げられたなんとも言えない人頼み。

 でも、今はそれに頼るしか道はなかった。


 輝夜さんに事情をメッセージで伝えるか悩んだけど、たぶん見れないと思ってやめた。


「あ、忘れるとこだった。薫くん、ちゃんと私の仇を取るんだよ!」


「それに関しては善処しますよ。俺だって戦うからには負けるつもりないし」


 琴音先輩が薫先輩の肩をガシッと掴んで大きく揺する。

 なんかこういうの見ると、琴音先輩が本当に先輩なのか疑っちゃう。

 すごくいい人なのは間違いないけど。


 5分ほど時間を稼いで、第四試合に薫先輩を登録した。

 それと同時に実況のステラさんの声が響き渡る。


「大番狂せの第三試合。その興奮が覚めぬ中、第四試合の対戦カードが発表されました!」


【第四試合 生保内薫VSロザリア・ブラン】


「勝利にリーチをかけている鬼姫からは遂にこの男が登場。白黒学園、最強の男、生保内薫!それに対するのはもちろんこの人。リベリオンからはギルドマスター、ロザリア・ブラン!」


 ステラさんの実況で観客席も一段と盛り上がる。

 今までで一番の歓声が聞こえてくる。

 オレたちの時と全然違う。

 歓声から圧を感じる。

 みんながこのバトルを楽しみにしていた。

 それが伝わってくる。

 オレが出るわけじゃないのに、鳥肌が立った。


「楽しみね。唯一のBランク同士のバトル。このために薫くんは鬼姫に加入したわけだし」


「生保内さんの実力は未だに底が見えません。トーナメントでは負け知らず! 噂ではまだ本気じゃないと」


 ステラさんと輝夜さんの掛け合いでどんどん観客席のボルテージが上がる。

 そんな中、薫先輩とロザリアさんはフィールドに登場する。


 薫先輩、ロザリアさんと緊張しているようには見えない。

 その理由を琴音先輩が教えてくれた。


「二人とも慣れてるからね。大勢の人の前でバトルすることに」


 慣れることを怖い。

 そう言う人の気持ちが少しわかったかも。


 薫先輩とロザリアさんがなにか会話している。

 控え室には、二人の会話まで届かない。

 だから、なにを話しているのかわからない。


 二人が話を終えると同時にバトルが始まった。


【第四試合 生保内薫VSロザリア・ブラン START】


「働け、アルバス!」


「怒り狂え、ミザリー!」


 アルバス……。

 ドランバードじゃない。

 初めて見るモンスターだ。

 正面には、本が浮かんでいて、黒いローブを羽織っている。

 背中に生えた特徴的な翼が悪魔だと物語っている。

 ただ、目にはクマを作り、背中を丸めて、気怠そう。

 薫先輩のモンスターだから強いと思うけど、なんか弱そうにしか見えない。


 ロザリアさんのモンスターはその対極。

 見た感じ、人類種のモンスターで活力溢れる戦士。

 身の丈ほどの巨大な戦斧を右手一本で軽々持っている。

 左手は空いていて、盾などは持っていない。

 リーフィアやアナスタシアみたいな鎧も着てなくて、かなりの軽装。


 薫先輩のアルバスは空を自由自在に飛べる。

 だけど、ロザリアさんのミザリーは飛べなさそう。

 遠距離攻撃の手段があるかはわからないけど、かなり薫先輩が有利な気がする。


「アルバス、『神技・スロース』!」


「ミザリー、『神技・ラース』!」


 え、いきなり神技!?

 それも二人とも。


 隣でこのバトルを見ている琴音先輩は当たり前のような雰囲気だけど、莉菜たちは驚きを隠せない。

 オレが異常に反応して、驚いてるわけじゃなかった。


 神技は切り札。

 だから、開幕速攻使うのは、かなりリスクが高い。

 少なくてもオレの認識はこれなんだけど……。

 琴音先輩や薫先輩、ロザリアさんの認識は違うみたい。


「あ、これ見本にしたらダメなバトルだからね! 開幕神技とか普通じゃないから」


 呆気に取られていると、琴音先輩が慌てた様子で薫先輩とロザリアさんのやっていることを否定した。


「二人のモンスターはちょっと特殊な進化を遂げてるから」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ