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「まぁ、休日に遊んだりはするけど。それは琴も一緒だし」
「仲良し三人組ってやつか」
「う……なんかヤな言い方」
「そんなことない。男女の友情が成立していることに驚いてるだけだ」
「成立するに決まってんじゃん……もしそうじゃなかったら、夕月としおりんって友人じゃないってことになるっしょ?」
なるほどたしかに。と納得しかけたが
「……俺と詩織って友人なのか?」「私と夕月って友人なのかな……?」
詩織も同じようなことを思ったようで、キレイにハモる。
「え、二人って喧嘩中なん?」
「「いや?」」
「そうなん……?」
朝日はただただ困惑している様子。
「じゃあなんでそんな……こう、お互いを疑うようなこといってんの」
「だって……なぁ」
「うん……」
なんとなく、詩織を友人と言い切ってしまうことに違和感がある。
俺と詩織は学校では朝や休み時間にちょっと話すだけで、特に絡みがあるわけじゃない。話している時間を総計しても10分を超えるかどうかだ。実際、普通の友人だったらもう少し仲良くしてるはずだ。
休日に出かけたことも片手で数えられるぐらいしかないし、それも本屋に行くとかのラノベに関係することだけだしな。
「俺と詩織は友人と言うか……なんというか」
「……戦友、かな」
「そう、それだ」
戦友。この言葉がすべてを表していると言っても過言ではない。
俺は過去のトラウマがあって、友人という存在を信じ切ることができない。一緒の時間を過ごして、話して、遊んで……そんな適当なプロセスを経ただけで手に入る友人という称号には、なんの保証も、重みもない。
その点、詩織は違う。
俺たちは日陰者として互いを尊重し、踏み入ってはならないラインを理解している。だから昼飯も一緒に食べないし、教室でも大っぴらに話したりはしない。でも、俺は詩織が困っていたら助けることは厭わないし、それは向こうも同じはずだ。
「……それ、友人とどう違うん?」
「わからないのか?」
「ミリもわかんない。教えてよ」
「……俺もわからん」「……私も」
「……それ、別に友人でよくね?」
「「それはダメ(だ)」」
「えぇー」
心底理解できないという顔の朝日。このあやふやな感覚は当事者にしかわからないだろう、と俺は思った。
「もしかして、夕月としおりんってけっこーめんどくさい?」
「う……そうかも」
「……認めるのは癪だけどな」
自分の性格がいかに屈折しているかなんて、言われなくてもわかっている。それは詩織も同じようで、苦い顔をしながらも腹を立てている様子はない。
「……じゃあ、アタシは?」
「え」
「二人からして、アタシって友人なん?」
詩織と顔を見合わせる。
どうやら、考えていることは同じようだ。
「「知り合い以上友人未満」」
「めっちゃ微妙な距離感じゃん……」




