【第14話】異世界には休みがない!?
「な、なんじゃこりゃ……」
俺は今レナと一緒にギルドのカウンターにいる。
「アタシも信じられませんよ! 何ですかこれ!」
そう、俺達の目の前にあるのは……
――大量の申請用紙
どうやら武器屋に来た冒険者がギルドへの加入申請をして来たらしいが……
「それにしても多すぎだよな……これ何枚あるんだ?」
「ざっと数えたんですが300枚以上ありました……」
いくらなんでも多すぎる。
それに武器屋に来たのは100人くらい、多くて150人だろう。
(それなのになぜ300枚もあるんだ……?)
疑問に思っているとルナさんがカウンター越しに何かを渡してきた。
「ふふふ……これを見てみなさい!」
ルナさんから受け取った物は新聞だった。
……何だろう? 前にも同じようなことがあった気がする。
「なになに……? 【突撃! 今話題の隠れ家ギルドに潜入! 才能溢れる若き鍛冶屋に密着!】って何でまた!?」
そこには笑顔で剣を持つ俺の写真と受けた覚えのないインタビュー記事が載っていた。
いつ撮ったんだろうか? お客さんの中に怪しい人はいなかったと思うが……
(しかしこのアングル……何か違和感が……)
剣を持っていた時には……確か武器屋でおじさんと話してて……おじさん?……おじさん!?
「やられた!? あのおじさんか!」
位置的にこの写真を撮れるのはあの時のおじさんだけだ、インタビュー記事もよく見ると、断片的に俺とおじさんの会話に似ているものがある。
「ふふふ……これじゃますますギルドが賑わうわね〜♪」
(楽しそうだな……ちくしょう……)
異世界でもメディアは恐ろしい……
――――――――――――――――――――――
「ふう……大体終わったな……」
ルナさんにも手伝って貰って、ようやくギルド加入申請の確認が終わった。
比率としては男性2割、女性7割、その他1割……
その他って一体何者なんだろう?
そんな事を考えているとレナが話しかけてきた。
「ソウマさん! このギルドも賑わってきたことですし新しく人を雇いませんか?」
今回の新聞騒動でこのギルドの登録者も一気に増えたし、人を雇うことには賛成だが……
「それって俺に聞くことか? ルナさんとかに相談した方がいいんじゃないか?」
「ええ〜。お姉ちゃんはギルドの人じゃないし〜。聞いても『あら〜』とかしか言わないし〜」
確かにそうか。忘れがちだけどルナさんはギルドとは無関係だった。
「うーん……まあ確かにこれから忙しくなるし人を雇うのはいいと思うけど……。こんな辺境のギルドで働きたい! って人なんているのか?」
「うっ! そこはまあ……何とかなりますよ!」
(本当にギルドのオーナーがこんなのでいいのか?)
「はあ……まあここのオーナーはレナ何だから好きなようにすればいいんじゃないか?」
「あっ……そうでしたね! アタシがオーナーですもんね! じゃあ行ってきますね!」
そう言うとレナは足早にギルドから出ていった。
(本当にレナがオーナーで大丈夫か……? 心配だ……)
――――――――――――――――――――――
「2人か……」
レナが連れてきたギルド職員候補は2人。
俺は今、その2人をギルドの裏に連れてきて面接をしている。
「ではまずあなたから自己紹介をお願いします」
俺はまず1人目のうっすら赤い髪の女の子に言った。
「わ、私はメル・ラングフォード……16歳です! 特技は……ええっと……特に無いです……ごめんなさい……」
緊張しているのか、知らない人だらけで怖いのか、今にも泣き出しそうだ。
「だ、大丈夫! 特技とか無くても頑張れば何とかなるから!」
慌ててフォローを入れる。
気弱そうな子だが……大丈夫だろうか?
(しかし、16歳ってことは俺の一つ下か……見た目が幼いからもっと下に見える)
「ええっと……じゃあ次は……」
続いて俺はメルの隣にいる人に目を移す。
その人は艶のある金髪で、凛々しい目、口紅を塗った厚い唇で美しいドレスを着た……
筋肉隆々のオッサンだった……。




