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王の子は世界と世界のあいだで鍵となる  作者: 眠瑠
エピソード9:出口
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出口 - 6

遠くで、複数の足音がした。

イリスとリオを探す音だろう。

リオはイリスの前に出て、剣に手をかけた。


「……リオ、待て」


イリスが、低く声をかける。

目線の先には、一見、なにもないただの壁。

その壁にイリスは手を当てた。

イリスは、そこに“違和感”を感じていた。


「ここに、隠れ道がある」


読む力が、静かに働いた。

かつてエリオネが、双子の片割れを抱き、逃げるために通った道。

言葉にならない記憶が、イリスの中に流れ込んでくる。


リオは何も聞かず、ただ頷いた。

イリスが石壁の一部を押すと、カタン、という小さな音がして、壁がわずかに沈む。

すると、そこから隙間が生まれ、冷たい空気が流れ出した。


「……やっぱり」


壁の向こうには、闇があった。

人が1人、やっと通れるほどの細い通路。

足音と、剣の擦れる音が近づいてくる。


「イリス様、先に」


イリスは迷わず通路へ身を滑り込ませ、リオが続く。

2人が中へ入ると、石壁が静かに閉じる。


王宮の地下で、2人は音もなく姿を消したのだった。

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