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閉ざされた真実 - 4
「……ここは」
扉の中はまるで時間が止まったかのような部屋だった。
整えられた机。
本棚。
窓辺に置かれた小さな花瓶と写真立て。
写真に写るのは、若い時のレオナルトともう1人。
イリスと同じ髪色をした上品そうな女性が写っていた。
まるで王妃のような佇まいの女性。
「イリスさまに似ていますね。お母さま……でしょうか?」
「……お母様……?」
セラの言葉に、腑に落ちる感覚を覚える。
「お母様は、ここで生きていた……のか?」
イリスは初めて“母の存在”を実感した。
ふと視線を逸らす。
部屋の奥の小さな飾り棚。
そこには見覚えのある黒い仮面と、古い鍵が並べられていた。
「……これ……」
仮面は無表情。
ヴェイルのアルベルトが付けていた仮面と似ている。
そして隣に置かれた鍵は、セラの存在に呼応するように、微かに震えていた。
そして、セラが近づいた瞬間
「……っ!」
鍵は光を放ちながらセラの手の中へと吸い寄せられた。
同時に、仮面に亀裂が入った。
「……何を、隠していたんだ……」
お父様……王が語らなかった真実が、ここにある。
イリスは、静かに拳を握りしめた。
「必ず、真相を確かめる」
亡き母の残したもの。
父が隠し続けた理由を……。




