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王の子は世界と世界のあいだで鍵となる  作者: 浅 眠瑠
エピソード5:閉ざされた真実
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閉ざされた真実 - 2

礼拝堂の裏庭は、夕暮れの光に包まれていた。

セラは1人、祈りの言葉を口にしていた。


「セラ」


背後から名を呼ばれ、彼女はびくりと肩を震わせる。


「イ、イリスさま……?」


振り返った先に立っていたのは、イリスだった。


「少し、話がある」


その声は静かだったが、拒否を許さない強さを帯びている。


「はい……」


セラは不安そうに頷いた。



礼拝堂の影になる回廊。

人目の届かない場所でイリスは立ち止まる。


「セラ。正直に答えてほしい」


真っ直ぐな視線が、セラを捉える。


「お前は、どうしてお父様にそこまで大切にされている?」


セラの瞳が、大きく揺れた。


「わ、わたしは……ただのシスターです」

「嘘だ」


即答だった。


「昨日、お父様へ報告した際、あの人はお前の事を気にしていた。そして、お父様のことを探ろうとした瞬間、拒まれた」

「……っ」


セラは息を呑み、指先を握りしめる。

長い沈黙のあと、セラはぽつりと呟いた。


「……本当に分からないです」


涙を堪えるように、俯く。


「私は孤児です。フィオと一緒に拾われて……でも私ばかり力のせいで贔屓にされていたのも事実です。もしイリスさまが本気で知りたいなら……私も逃げません」


一瞬の迷いのあと、イリスは決断する。


「セラ。今から王宮へ行く」

「え……?」

「二人で、確かめる」


セラの目が見開かれる。


「でも……王宮は……」

「内部構造は私が一番知っている。見張りの癖も、結界の弱点も」


イリスは静かに言い切った。


「それに、お前に王宮は何か反応を示すはず」


セラは一瞬ためらい、そして強く頷いた。


「……わかりました」


2人は並んで歩き出す。

王城の影へ。

真実の眠る場所へ。

知られてはならない秘密に、少女2人が踏み込む夜が始まる。

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