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流光のオラシオン  作者: ふぇんりる
13/13

第13話 ~明かされた記録~

ルシウス「はああ!!」


轟く雷鳴、嵐の中ルシウスはクラーケンに単身で突っ込む。


しかし、振るう光剣、星刻メトシエラはレヴナントに代表される未知なる魔物に対して優位性を誇っているが、その他の相手には防御を貫通する武器、その程度しか能力が発揮できず、その威光も以前ほど輝かしいものではない。


その上相手は神代を代表する魔物、一筋縄ではいかない。


ルシウス「クソ! 攻撃は確実に効いているはずなのに体躯が大きいからなのかあまり深手を負わせられていない!」


ガレアス「坊主! 加勢するぞ!」


エルド「貫け! 魔導の矢!」


ガレアスが船の高所から盾を構え、クラーケンの頭上に突っ込み強烈な打撃を打ち込む、それに続き間髪なくエルドが魔導矢を無数に放つ。


ガレアス「ほいと……ふう、やはりいまいちじゃのう」


ルシウス「ああ、こいつを倒すには相当な一撃が必要になりそうだ、それも魔法ではなく単純な質量勝負で……」

エルド「まったく、こんなんだから神代暦からずっと生き残っているんじゃねーかよ」


ルシウス「まあいい、とりあえず今は突撃あるのみだ! はああ!」


3人はその後もただひたすらに攻撃を続けた。


一方その頃。


フェリス「……い、痛い……」


フェリスの足を貫く船の残骸が波に揺られると共に彼女に痛みをじりじりと与える、苛まれる苦痛の中、フェリスはある異変に気が付く。


フェリス「……ルミネ……?」


動けず、ただ伏して船首に映るはルミネを捉える。


しかし、様子がおかしい。


足取りがおぼつかず、顔は無表情でまるで意識もない、そして何より体から得体の知れない魔力が僅かににじみ出ていた。


フェリス「だめ! それ以上先に進んだら!」


フェリスは船首に立つルミネを心配する、この大波、いつ海に落ちてクラーケンの餌食になってもおかしくないのだ。


しかし、フェリスの呼び留めは時化た波の音にかき消され、ルミネには届かなかった。


ルミネ「……」


そして次の瞬間。


ルミネ「広pro域je殲c滅tーー」


ルミネの体が青白く輝き出し足元からメテオライトが生え、次第に上の方へと体を結晶化させていく。


フェリス「え……」


ルミネの黄金の瞳は深い緋色に染まる。


ルミネ「ac接tiv続teーーcall秘to匿mete情報or003ーー」


周辺が赤く染まり出す。


血に染まった海だけでなく、空さえも。


ルシウス「はあ、はあ、きりがない……ルミネ!?」


空の異変と共に3人は心配になりルミネ、フェリス達がいる方角へ振り向と。


ルシウス「ルミネ……?」


エルド「おいおいおいおい! どうなってるんだよ!」


そこにあったのは、体のほとんどが結晶化し、繭を周辺に撒きながら発光するルミネの姿であった。


ガレアス「クソ……一旦撤退じゃ! 嬢ちゃんの所へ急げえい! ここはわしが食い止めて見せるぞ!」


ルシウス「任せました! エルド行くぞ!」


エルド「おうよ!」


2人はルミネの元へ駆けていく、そのとき上空の雲をかき分けるかのように無数の隕石が現れた。


星、嵐の海に降りしきる。


ルシウス「エルド! 避けろ!」


エルド「うわあ!」


2人の頭上にも隕石が落ちてきた。エルドが間一髪でそれを躱す。


ルシウス「……認めたくないがこの状況から察するに隕石の原因はルミネ、見境なく攻撃しているあたり意識が無いのだろう、なんとかしなければ……」


エルド「いてて……でも、あれを見ろよ」


エルドはクラーケンの方を指さす。


かの怪物は流石に無数の隕石に耐えかねたのか叫び声をあげながら船を放し、深い海の方へと逃げていく。


ルシウス「巨大な図体が大きな的として災いしたかんじだね」


エルド「だけど……」


クラーケン去れど隕石は降る。


2人を当たらぬよう空に気を配りながら隕石を躱し続け、ルミネの元へ向かう。


ルシウス「……なにか方法はないのか!」


考える2人。


エルド「ルシウス! 上!」


しかし、戦場は時化た海、その上隕石が飛来し続ける。安全な場所など存在しない。


ルシウス「!!」



ーーー

ーーーー



ルシウス「……」


白ローブの男「やあやあ、久しぶりだね」


ルシウスは目覚めると、以前来た事のある場所、白い空間にいた。


白ローブの後ろには一面ガラス張りの壁があり、辺りに機械のようなものが張り巡らされていた。


気になって質問すると”実験室”と男は言う。


ルシウス「また、また死んだのか」


白ローブの男「なあに、メトシエラの機能があれば死にはしないさ」


ルシウス「……一時的には、だろ?」


白ローブの男「ほう……よく気が付いたものだ」


ルシウスはセト大砂漠、そして海域で隕石に打たれたことを男に話した。


白ローブの男は質問に対し紳士に答える。


白ローブの男「そうだ、君の出会ったカースという人物の言っていた通り、君は目的を遂行するまでは死ねないようになっている。それがメトシエラ、その武器の機能の一部だ、そして彼がそれを知っている最大の理由それはーーー


ーーールシウス、君たちは複製品だ。」


ルシウス「どういうことだ……」


白ローブの男「順を追って説明しよう。今の世界より遥か以前、人類が発展を極めていた旧世界暦。そこには様々な人によって生み出された技術があった……完成された世界だった。しかしそれと同時に停滞していたとも言えた。


だがある時、転機が訪れる。かつてサハラ砂漠という土地に小型の隕石が飛来した。その隕石は普通ではなく生成したクレータ付近の環境が丸ごと変わっていたのだ、世界中から研究者が訪れ調査された結果、隕石から未知のエネルギーが発見されその隕石を”メテオライトtyp.2”と命名、この日が初めて人類が魔力を発見した記念日となった。


しばらく時が経ち新たな隕石は特殊な波長で魔力を加えると自己増殖を始めることに気がついた。これにより魔力を魔法として世界中で利用されることになる、商業、農業、日常生活だけでなく軍事にさえも、ここが非常にマズかった。その結果、メテオライトtyp.2で創り出された完全自立型の人工知能、”アダヴ”が創り出された。


アダヴはメテオライトtyp.2と情報ネットワーク、そして宇宙空間の星外施設の管理を無人で行う目的の人工知能だ、しかし、愚かにも人類はアダヴを創り出した技術とアダヴ自身の高度な処理機能を利用し兵器を開発、その内の1体が二ビルだ……これがアダヴの人格コードにエラーを起こし。かの叡智は次の行動に出る。


ーーー人類の撲滅、自身を起源とする悲しみの無い新たなる生命、世界の創造ーーー。


それにより、アダヴは7つの再創世プロブラムを組み込んだ神の機械を作り出し宇宙に打ち上げた。

これに対抗するため、かの時代の英雄はそれに抗える独自のネットワークシステム、そして君の手にしているメトシエラを創り出した。その独自のネットワークシステムの内容は……


ーーー今後の世界に自身の生まれ変わり、世界を変える英雄をネットワークの情報を基に繁殖の工程を挟まず空間からの突如生成、そして星刻メトシエラに組み込まれた原初の魔法”オラシオン”を用いてアダヴ本体、アダヴが創り出した”7つの星神機”、そして人類が創り出した”二ビルを代表とするメテオライト兵器”の抹消ーーー


しかし君の前任が情報エラーを起こした、それが彼、オルデット・カースという人物、その結果世界に複製体が2体同時に出現することなったのだよ。


これが君達を複製体という理由だ」


幾星霜、果てしない時間、知らされた自身の目的、ルシウスは白ローブの男から告げられた話を受け入れた。


ルシウス「わかった……それで、ルミネのあれはなんだ?」


白ローブの男「おや? 故郷が無い、両親が無い、これについては何も悲しまないのかい?」


ルシウス「俺にはもう帰るべき場所と待っている家族がいる」


白ローブの男「君は……強いのだね……」


白ローブの男はそういうと横にあった鋼鉄の扉を開いた。


白ローブの男「ついてきてくれ……」


ルシウスは言われるがままに男についていく。


扉を抜けると大きな部屋に出た、鋼鉄の壁、天井には青白い光の筋が走っていて、床は分厚いガラスを隔てて淡く発光した水で満たされていた。声を出すと木霊するほど広い。天井には沢山の凹凸と細長い長方形の機械がぶら下がっている。


白ローブの男「ここは星外施設にある情報管理室、ここにはこの星の全ての情報が集積、保存される……少々お待ちを……」


すると白ローブの男は中央の固定端末を操作する。


白ローブの男「どうやらそのルミネさん、体内の魔力粒子が感情により励起、暴走しているようだ、そのせいか星外施設の一部機能にエラーが発生、接続してしまっているみたいだね、このままだと力を使い果たすまで施設の機能を使ってしまい、やがて生命活動を停止する」


ルシウス「どうすれば! どうすればルミネを元に戻せる!?」


白ローブの男「全てのメテオライトtyp.2は魔力や感情が一致したときに互いに共鳴しようとする。共鳴したメテオライトはより高いエネルギーを生み出し、それが武器として使用されるのならば使用者に莫大な力を与える、そしてメトシエラは概念自体に干渉することも可能だ、彼女の意識と施設の繋がりを糸だと思い断ち切れ、それにフェリスといったか? 彼女もまた”いい拾い物”をしたようだ、頼もしい戦力になるだろう」


ルシウス「糸を……断ち切る……よし、イメージできた」


白ローブの男「なら行ってくるがいい、世界はいつでも君を待っている」


ルシウスは目を瞑りメトシエラに意識を込める。


ルシウス「糸を……断ち切る……糸、糸を世界に……再び繋がる糸を……」



ーーー

ーーーー



エルド「クソ! 魔力が……もう……空っぽだ……」


そのとき空からまたしても隕石がエルドを襲う。


エルド「ああ、もうダメだ……」


諦めたそのとき。


ルシウス「すまない、少し寝すぎた」


ルシウスは向かってくる隕石を切り砕いた。


砕かれた隕石の破片は光の粒子となって散っていく。


ルシウス「イメージ……概念……魔力……そういうことか……」


エルド「お前、さっきまで隕石でぺしゃんこに……」


ルシウス「前も似たようなことがあったろ?」


エルド「お、おう、そうだな……だけど無理はするなよ」


ガレアス「はあ、はあ、すまないのお、少し遅れたわい……うむ、この感じからして嬢ちゃんをなんとかする感じじゃの」


エルド「流石爺さん! 話が早いぜ!」


ルシウス「ガレアスさんエルドを守ってくれ、俺は一旦フェリスの所へ向かう」


ガレアス「何か算段はあるのかね?」


ルシウス「ああ、とっておきなのがね」


エルド「ルシウス! ……生きろよ……そして妹を、ルミネを頼む……」


ルシウスは仲間達を背にして目を閉じ、剣に意識を向ける。


ルシウス「俺はいつも死んで皆を悲しませてばかりだ……ルミネ、エルドは俺を家族として迎え入れ、ガレアスはいつも盾として俺達を守って……認めてくれて……ついてきてくれた! フェリスにも世界の美しさを見せる約束もしたんだ……たとえ俺には本当の家族、故郷なんてなくても、皆が俺の帰る場所であり、守らなければならないものなんだ! たとえ使い捨ての複製体だとしても……偽物の命だとしても! 俺は確かに”ルシウス”なんだ! はああ!」


ルシウスは覚悟を決めると剣を天高く掲げた


ルシウス「認証コード、セラフィム・デルタ! 武装接続! 第一ウェポンコマンドを開放、自身の魔力出力量を最大とする! ……励起せよ! メトシエラ!」



剣よ……願いよ……天高く掲げ、明星となれ。



クラケリア海域、星降る大海原にて。

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