妹
何で最初からバイクなの?
「そう言う事なんだ、この格好で来いって意味がやっと分かった!」
荷物の取り扱い所で宅急便に荷物を預け、都心でまだ明るい時間だから隣の千葉県なら明日の午前中には届く筈、明日は休みだ受け取りも問題無い。
「これがお兄ちゃんのバイクなの?」
不思議そうに<Γ>を見ている。
「俺の運転で後ろに乗るのが嫌なら、電車にするが如何する?」
「何でそんな事聞くの、お兄ちゃんの後ろに乗せてもらうよ!」
「怖く無いのか?バイクで俺の運転だぞ?何処かで乗った事有るのか?」
「初めてだよ、でもお母さんが言ってたもん、お父さんの後ろにずっと乗ってたって、楽しかったって。後で絶対乗せて貰おうと思ったけど最初から乗せて貰えるっては思って無かったけどね!」
其の顔は本当に楽しそうだ。
<血は繋がる、親父とお袋が好きな物は俺達にも受け継がれている>
「聴いても良い?、何で最初からバイクなの?、荷物も有るのに?」
「簡単だよ、電車や車の窓からじゃこの都会は感じきれないからな、俺が今どんな処で生きて居るのかバイクに乗って良く見て感じて、其れで親父達に伝えて呉れ!」
「分った、よ~く見て行く、そしてちゃんとお父さんにお話しするからね!」
大きく頷いた。
「じゃあ、行こうか途中で休み休み行くからな、ちょっと時間かかるぞ。」
「大丈夫、やっとお兄ちゃんに会えたんだもん。」
ゆっくりスタートし少しずつ速度を上げてゆく、今迄で一番Γの機嫌が良い、俺の家族だからだろうか?、あの時の機嫌の悪さが全くの嘘のように渋滞の中を泳いでいた。
「本当に凄い所なんだね、是でも同じ日本の中なんだね!」
感心している。
後ろからパッシングを受ける、何だと思って居たら信号でGSX400Rが並んで停まる。
「やっぱり森田だったんだ、追って来て良かった!」
「櫻庭先輩!」
「後ろに乗ってるのが妹さんかい?、良かったな代った甲斐が有ったよ!」
「如何したの、お兄ちゃん?知ってる人?」
と聞いて来たので。
「お前に会えるように、当番を替って呉れた先輩だよ!」
慌てて頭を下げていた。
「有難う御座います。何時も兄がお世話に為ってます。」
先輩も笑って居た、もう信号が変わる。
「お兄さんにいっぱい甘えて置くんだぞ!」
青に変わり左手を上げて走り去っていく、直ぐに渋滞の中に消えてしまった。
「良かった、お兄ちゃんのお仕事の仲間って良い人なんだね!」
「そうだよ、皆に自慢できる人ばかりだよ。」
ゆっくりしがみ付いて来た。
<是は役得なのか?シッカリ感じられる、妹なんだが?良いのか是は?>
「何で、お兄ちゃん帰って来ないの?」
小さな声で呟く声が届いた。
〈ゴメンな…〉
東京タワーから議事堂、皇居とゆっくり流し本社に立ち寄る。
「此処が俺の勤め先だよ!」
もう一台の相棒を見せるためだ。
「コイツも仕事の相棒だ。」
「何で二台も有るの?」
「街中は渋滞して狭いから、遠い所は今の方に乗って居る。」
伝えたが余り理解して居ない様だ、別に理解出来なくても良い、ただ相棒に俺が胸を張れる家族を紹介したかっただけだから。
「そろそろ帰るか、もう直ぐ日が沈み寒くなるからな。」
「いよいよ、お兄ちゃんのお家だねどんな処か楽しみ!」
眼が光って居る、
絶対粗探しする気だな、
不味い物は無かったよな、
片付けて無いけど。
<家族なんだな、何年も会って無いし、姿が変わっても昔と変わらない。>
やはり一度は帰るべきなのだろうか、
帰宅の途中そんな事を考えて居た。
う~ん、
やはり同じ反応か、
腕組して俺を見下ろす小鬼が居た。
「大事な妹が来るのに、何なの此のお部屋は!、片付けようと思わないの!」
ハイ説教中です、
片してくれたり、
呆れられたりしたが、
説教されるのは今回初めてだ。
是が家族なのか妹に頭が上がらぬとは…、
反省してます。
「しょうがないお兄ちゃん、あたし悲しい…。」
呆れられていた。
「一寸片付けるからどっか行ってて、お邪魔だから夕食でも買って来て!」
夕飯買って来ると言って退散!
スーパーで適当に総菜を買って帰宅する。
玄関開けようとして泣く声が聞こえて来た、
如何した何か有ったのか?。
慌ててドアを開けたら、逃げる様にトイレに駆け込んでいった。
何か有ったのか、それとも中学生に見せてはいけない物が有ったとか?
と考えるが弄った形跡の跡から普通に居間にしている部屋と台所、台所は途中だったが、何で台所で泣くような事が?・・。
暫くしてトイレから出て来る時には、昼間と変わらなかった、総菜と弁当広げて夕食タイム、明日は御飯を作るからと買い出しにされてしまった、東京観光は何処へ行ったんだ?
夕食後風呂に入るが順番はジャンケンでと言いだした、今思えば是は嵌はめられたのかも知れない、いつも勝たせてやるのに使う手を読まれて居た様だ、先に入る事に為った。
明けの勤務、疲れが出て浸かりながらウトウトして居た。
シャワーの音がする、気が付き目が覚めると目の前で体を洗って居る、完全に覚醒した。
「何やってんだ、お前!」
大声に為っていた。
「躰洗ってるのよ」
悪びれず信じられない事をしている。
「兄妹じゃ無い、お兄ちゃんが出て行くまで一緒に入ってたでしょ?」
確かにそうだったが、頭を洗えなかったので洗って上げていたが、今は違うだろう?、何を企んで居るのか此奴は?
「俺はもう出るぞ!」
「あたしゆっくり入ってるね!」
と言って見送られた、単に昔の侭の心算だったのか?、だとすると女の子なんだからちゃんと気を使うようにさせないといけないな…。
「一緒に寝ようよ?」
炬燵で寝ようとした俺に言っている。
「大丈夫だよ兄妹なんだからさ?、それともお兄ちゃんは妹に欲情する変態さんなの?」
コイツこんな事言うようになったのか?
嗚呼…あの頃が懐かしい。
「分かった、分かった、一緒に寝れば良いんだろ!」
こんなに大きくなったのに中身は変わって無いんだ少し安心した。
「お兄ちゃん、彼女居ないの?」
痛い所を突いて来るな…。
「嗚呼、居ないぞ俺がモテるように見えるか?」
「見えない!」
即答かよ兄の威厳は丸つぶれ、
お兄ちゃんは悲しいぞ!。
「もう寝るぞ!」
久しぶりに腕に心地よい重みを感じていた。
その重みを与えて呉れるのが妹だったのが悲しい事なのだが・・。
泊まり明けで疲れていたのも有り、いつの間にか眠りに落ちていた。
即答かよ…




