#24小話【好みフルコンボ≠理想像】
あまりの衝撃に私の脳が完全に停止してしまった為、今回の対峙はお開きになった。取り敢えずナツには帰ってもらった…と言うか…雅が私との充電行為について、
「貴方だけ今世で一生の終わりみたいに言ってるけど、私には前世の記憶はない訳だし、皆んな輪廻関係なく毎回今世が最後だと思って生きてるんだから、貴方の言い分は関係ないっ!それに、咲でなくても原始に近い魂を見つければ問題ないんでしょ?貴方の魂の番を見つける為なんだから、貴方は我慢しなさいよっ!とにかく咲との充電行為は禁止!はい、サヨウナラっ!?」
と、有無も言わさぬ剣幕で追い返したのだ。そして、部屋には三人だけだ。雅が徐に口を開く。
「と言うか、あんたは何でナツさんに戸籍ないのとか気付かない訳?!」
「……婚姻届も離婚届も届出をナツに任せてたし、私は自分の分を記入して用紙だけ渡してたから……あいつ私の姓に入るからって言ってたし…私は結婚しても姓が変わらなかったし……式とかも挙げてないし…」
「とんだ結婚詐欺じゃん。ってか、10年間結婚相手の姓も知らずによく生きて来れたわね…相手の親なり親族なりに会おうとしなかったの?」
「親はいないって言ってたし…お盆とかお正月も何も言って来ないから天涯孤独なのかと……親の面倒みなくて済むし、親戚付き合いもないから楽で良いな〜くらいにしか……思わなかったです……」
「はぁ〜〜〜」
私の答えに雅が深い溜息を吐く。するとアールが不意に爆弾を落とす。
「——意外と奴の中身もお前好みなんじゃないか?」
「「はっ!?」」
私と雅は顔を見合わせる。
「アレが良い人間なんていないでしょ!?」
(雅さん、オブラートお忘れですよー。横に妻じゃなかっけど、10年間結婚してたつもりの人間居ますよー。それにナツの魂の番とやらも居ますよー)
「いや、前に[執着されたい]と言っていただろう?一応、(充電器として)執着されているしな。」
(それ、私の求める[執着]と違う)
「[一途なのが良い]とも言っていた。一つの魂を一途に想ってはいるみたいだしな。」
(それ、執着の対象が私ではないです)
「[イケオジ]にも入ってはいるんだろう?」
(あ、言いましたね、でも其れを上回るクズっぷりが台無しだとも言ったよね?)
「で、顔もエッチも好みと…」
と、雅が付け加える。二人は何か考えながら顔を見合わせる。そして、雅とアールがそれぞれ私に向かって口を開く。
「ナツさん、あんたの好みフルコンボしてたのね。」
「お前の好みを寄せ集めると、あぁなるんだな。」
——部屋に三人分の溜息が漏れる——




