合流
「良かった。本当に良かった。」
梨香は俺のことを心配してくれてるみたいだった。
「俺の方こそ心配したさ。村に戻ってきたら誰もいないんだから。皆が何処にいるか心当たりはないか?」
「心当たりも何も皆はこの村の地下にあるシェルターみたいな場所にいるわ。貴方とミカエラさんが知らないから私がここで待ってたの。」
「シェルターに逃げ込んだ……ってことは皆無事なのか?よかった。」
「でも、ジョートさんが……」
「ジョートがどうした!?やっぱりあいつらがここに来たのか?」
「私たちも村の周辺で変わったことが起きてないか調べてたの。そしたら、この村の近くにオークが何匹かいてね。知らせに戻ろうとしたんだけど、そうしたらこのオーク達まで来るかもしれないって思ったの。それで悩んでたらジョートさんが……」
「引き付けておいてくれたと。」
「それどころか倒してくれて!でもその代わりに大怪我を……。」
「分かった。皆を避難させてくれて有難う。梨香が居なかったら皆襲われてたかもしれない。梨香のお陰で皆が助かったんだよ。勿論ジョートもだけどな。」
「有難う……」
「よし!皆のところに案内してくれ。ミカを呼んでくる。」
「よかった。ミカエラも無事なのね。」
「ちょっと待っててくれ。」
民家から外に出てミカを探す。
「ミカ!返事をしてくれ!」
……
ったく。あんまり遠くに行かれると直ぐに連絡できないじゃないか。この世界には携帯なんて、便利なものはないんだから。
時間もないし、小走りで探すか。綺麗な村だよな。この二日間忙しすぎて周りを見る余裕なんてなかったよな。この騒動が終わったら皆で村を廻ろう。もっと、皆から聞かないといけないことはあるし、妹にもまだ会ってないしな。拒絶されてるみたいだけど、こっちから歩み寄れば親しくなっていくだろう。ジョートにもレオンのこととか聞きたいし、まだ、会ってから時間も経ってないが親しくしていきたい。
そんなことを思っていたら、荒い息づかいが聞こえる。
「また、このパターンかよ!」
音のした方に走り出す。今度は余裕で間に合った。ミカが三匹のオークに絡まれてる。
取り敢えず一匹減らそう。
"相転移"!
相手の背後に回ると同時に吐き気がする。
「グッ!"抜刀術"!」
何とか一匹倒したが倒れそうだ。
すっかり忘れてた。俺もうスキル使えないんだった。あれ?なら一番役立たずじゃね?
三匹相手でも互角だったミカが二匹に減ったオークに負ける訳もなく、倒した後に俺に駆け寄ってきた。
「レオンはバカなの!?なんで、さっき魔力枯渇を起こしたばっかりなのにまたスキルを使ってるの!そんなんじゃ今戦えなくなるどころか、もう一生戦えなくなるわよ!」
へ?何で?
「これも知らないのよね……。あのね!魔力枯渇はなればなるほど辛くなるの!時間をおけば緩和していくらしいけど、無理してスキルを使い続けた兵士がトラウマになって戦えなくなった、なんて話も珍しくないのよ!自分の体なんだからもっと大事にしなさい!」
「面目ない。でも、俺も必死だったんだよ。」
「過ぎたことだからもういいわ!でも、今日はスキル禁止よ!」
いや、これからが一番大事じゃないの……
「で、何の用?」
「そうだったな。梨香を見つけた。他の皆も地下に逃げ込んで無事らしい。」
「よかったわ!早速向かいましょう。」
「おう。あっちの民家だ。」
民家に到着した俺達は梨香に案内され、隠し扉から地下に降りる。
「アリの巣みたいだな。」
すいすい進んでいるが何本も枝分かれしていて道に迷いそうだ。もう一回戻れと言われても多分無理だ。
人の話し声が聞こえると思ったら、大広間のような場所に出た。
「おお、無事に戻ってきたか。で、情報はどうだ。かなり近くまで接近されておる。早く行動しなければ。」
「それが……俺達が調査した拠点は今俺達を襲ってる群れが使っている拠点じゃありませんでした。」
「なんじゃと!ならば今よりもっと増える可能性があるのか!?」
「いえ。それは心配しなくてもいいと思います。目的は別にあるようでしたから。」
「そうか。それは良かったが、事態が好転した訳ではない。急ぎ作戦を考えなければならないな。」
「それでしたら……俺にいい作戦があります。」
いやー本格的に忙しくなってきました。
今急ピッチで書いたのでミスがあるかもしれません。
せめて、二章が終わるまでは毎日投稿したいのですが……
読んでいただき有難う御座いました!
評価等よろしくお願いします!