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トラとシノの戦国ものかたり(トラの好物には塩加減が大事です。)  作者: 野松 彦秋
第3章 御前試合

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導火線(虎之助が激怒した理由)

虎之助の身体は徐々に回復し、御前試合から三日目の朝には、寝床から起きれる様になっていた。驚異的な回復力である。


虎之助が寝床から出れない二日間、彼を支えたのが久次郎、力士の二人であった。一番困ったのが、(かわや)である。


大男の虎之助に二人の肩をかしあい、その都度、まるでお神輿を担ぐ様に声をだしあって(かわや)に連れて行ったのである。


献身的な二人の介護があって、虎之助は徐々に力を取り戻していったのである。


3日目の朝食は、虎之助は自力のみで座って食事が取れた。


自分の回復に自信を取り戻しつつある虎之助の部屋に、才蔵が虎之助の顔を見にやってきた。


『随分、血色が戻って来たみたいだな。』と才蔵が虎之助に声をかける。


『久次郎と、力士の二人の御蔭です、二人には頭が上がりません。』と虎之助は返答する。


『元気そうで、何よりだ、もう2日もすれば、もとに戻るとは言わないが、帰りの旅には耐えられるぐらいになるのではないか?』


『今は、何とも、ただ早く帰りたいです。明日の状況をみて、秀吉様、秀長様と相談しみます。』と才蔵の問いに虎之助が答える。


『才蔵殿は、私達と一緒に戻られるのですか?仕官先については、ヒゲ殿が何か持って来られたのでしょうか?』


『いいや、未だ何も連絡が無い。御前試合で、乱入した件も有り、少し難航しているのかもしれん。まあ、俺の槍さばきをみて、俺を欲しいと思う武将達は一杯いただろうよ。』と虎之助の質問に自信満々に答える才蔵であった。


『まあ、仕官口が決まらない限り、俺は美濃に残る予定だ、だから、お前たちが帰る日が、お別れの日だな、元気でやれよ。』


『まあ、お互い生きていれば、また会えるさ。』と才蔵は言った。


才蔵の返答を聞き、頼もしい兄弟子との別れがもうすぐ其処に迫っている事がわかり、悲しく思う虎之助であった。


『ところで、虎之助、御前試合の時、一つ気になった事があったんだが、聞いてもいいか?』と才蔵が思い出したかのように、話を変えた。


『御前試合の時、お前、怒りで我を忘れていなかったか?』


『お前が最初にくりだした力任せの上段からの一撃、ありゃ、下手したら、返し技を喰らって、その場で終わりの可能性があったと、見ていた俺はヒャッとしたぞ。』と才蔵は、試合の時に感じた虎之助の違和感を確認するように質問したのであった。


『ハイ、実は、信長様から木槍(もくやり)を取れと下知された時、その勝手な物言い、理不尽さに実は頭に来ておりました。』


『その時は、羽柴家、山崎家の方達の顔が浮かび、自分の怒りを収めれたのですが、試合が始まる時に、長可殿が私に挑発をしてきて、その挑発を聞いた時、なんとか我慢していた堪忍袋がついに切れてしまったのです。』と虎之助は当時の自分の心情を才蔵に伝えた。


『挑発?、長可はお前に何を言ったんだ?。』と才蔵が虎之助に真相を追及する。


『お前も、可哀そうな奴だな、まあ、安心しろ、お前が死んだら、お前の妻、山崎シノだったか、俺が側室として迎えてやるよ。17歳と年増(としま)だが、側室としてなら、問題はないだろうっと』と虎之助は、その時の事を思い出したかのように言いながら偉く不機嫌な顔になった。


『信長様も、長可殿も、自分だけに運命の選択権があると思っている、その横暴さと、愛する妻を蔑まれた様な気になり、我を忘れて激高してしまったのです。』と続ける。


『そりゃ、怒って当然だ、悪かったな、思い出させてしまって』と理由が分った才蔵は、言いたくない事を言わせた虎之助に謝罪した。


『結果、長可は猛虎(もうこ)を相手にする事になったんだな・・。いい気味だ』と納得した声で才蔵は結論づけた。


そんな事を二人が会話をしていると、其処(そこ)へ才蔵の仕官話の件を持ってヒゲ殿が宿屋へ訪れたのである。


『虎之助、元気になったか?御前試合は、凄かったな、見ていたワシも血が騒ぐ、真剣勝負、名を、いや男を上げたな。』


『これも、ヒゲ殿が私を鍛えてくれたお蔭です。』と、ヒゲ殿が虎之助にかけた言葉を、虎之助が修業してくれた感謝の言葉を返す。


『才蔵、今日はお前の仕官の話を持ってきたぞ、先ずは胤栄様を呼んで来い!』とヒゲ殿は、才蔵に指示をした。


才蔵が、部屋を出て、胤栄を部屋に連れてくると、ヒゲ殿は才蔵の仕官口について話始めたのである。


ヒゲ殿は、先ず、御前試合の反響を説明した。


あの名勝負の後、織田家中では虎之助の勇猛さが話題になり、羽柴家、山崎家の名前を十分に上げる結果になったと・・。


重臣筆頭の柴田勝家様が試合に感動し、虎之助を是非(ぜひ)にでも柴田家にくれと、秀吉殿に直談判したという噂も出る始末との事だった。


その中で、虎之助に助太刀した才蔵も、あの槍の名手は誰だと是非(ぜひ)我が家に欲しいという武将も一人や二人ではなく、話題の一つになっていたとの事だった。


『ウヒョウ、やったぜ、見る目が有る奴はいるんだなぁ。』と其れを聞き、才蔵は声を上げて嬉しがった。

『じゃが・・・。』と、突然ヒゲ殿の語るのを止めた。


『じゃが、ってなんだ、じゃがって?どうしたんだ?』と突然の声色の変化と、語る事を止めたヒゲ殿に、真剣な顔で問い詰める才蔵。


才蔵の問いに、ヒゲ殿が渋々と語りを再開する。


『ワシも、御前試合の前からも相談していた武将達が、是非(ぜひ)才蔵殿を紹介してくれと言っていたので、その者達の家にいったんだが・・。』


『悪い、この前言った事は戯言だ、忘れてくれと、口を揃えていうんじゃよ。』


『なんだ、クソ、最悪だ、どうしてだ。』と才蔵が辛抱たまらない様にボヤいた。


『そして、昨日、ある武将から、是非才蔵殿を欲しいと頼まれたのじゃ、聞くところによると、他の武将は、その武将を恐れて才蔵殿を諦めたという事らしい。』とヒゲ殿は続ける。


『誰だよ、その武将って・・・。』と勿体ぶった言い方に半分怒ったように、才蔵が聞くと、ヒゲ殿は意外な人物の名前を答えた。


『森長可殿じゃ。』


『ウソ、マジ、最悪だ。』と才蔵がその場の者達の意見を代弁する様に、声を上げた。

『面白かった!』


『続きが気になる、読みたい!』


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