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「前見ながら歩かないと危ないぞ?どうせ今日は学校休んで1日一緒に居るんだから嫌という程お前の顔を見ることになる」


『お姉さんの顔見るの嫌なの(´TωT`)』


「比喩だよ……本気にすんなよ、こちとら留年確定で気落ちしてるんだから麗奈に泣かれたら俺も泣くぞ?」


美人の顔は3日で飽きるって言うけど、こいつの顔ならどんだけ見てても飽きない自信がある。

むしろずっと見ていたい…………って何を考えてるんだ俺は!

好意を自覚しただけでこいつの事で頭がいっぱいとか思春期男子かよ。


『留年かぁ……折角悠太と同じ学年になれると思ったんだけどなぁ(;´・ω・)』


そう言えば麗奈も留年確定だったな。てことは俺以外みんな2年生で俺だけもう1回1年生になるのか……。

浮くよなぁ、不良っちゃ不良らしいけど、そんなとこで肩書き発揮したくねえよ。

そもそも不良って周りが言ってきただけで俺が名乗ったわけじゃない。


「……ごめんな」

麗奈が取った留年って選択は限りなく頭の悪い選択だけど、俺に合わせて留年を選んでくれたのだから本当に申し訳ない。


『仕方ない。こうなったらもう1年( ๑º言º)』

麗奈は上を向いてガッツポーズをすると、スマホに打った文を見せてきた。

「そこまでするか?普通。今年は俺の世話があったけど、来年も留年するとなると親戚が許してくれないだろ」


授業料もタダじゃないし、働いてない俺達からしたら高額だ。親戚もは流石に誤魔化せないだろ。

2年も留年したとなると麗奈の親戚も不審がって見に来るだろう。そしてもぬけの殻となった麗奈のアパートを見つける……俺たちは引き離されたり……。

うん、何がなんでもこいつを進学させないと駄目だ。


どうせ俺が学校に行けば麗奈も学校に行くから来年は皆勤賞を目指そう。


『お小遣いは使わないで取ってあるから大丈夫だよ(o´艸`)お姉さんに何かあってもお姉ちゃんに連絡が来るようになってるし』


「その為に貯めてるわけじゃないだろ?とにかくダメだ。来年はちゃんと進学してくれ」


『むぅ。でもお姉さんが卒業したら君と一緒に居られなくなるよ?』


「卒業したら家を出るのか?」

『でないよ』

早い。この四文字を打つのに2秒も掛からなかったぞ。

「じゃあいいじゃねえか。帰ったら一緒に居られるんだから。麗奈が就職するのか進学するのかによるけど」


『やっぱり君は乙女心を分かってない(・ε ・ ` )』


そう言って麗奈はスマホをしまって口を閉ざした。

病院が目の前だからしまったのだと思ってるけども、最後にそれを言われると、俺が正しいはずなのに納得がいかねえ。


いつか俺の気持ちを伝えるまでは待ってて欲しい。

俺の気持ち的には、なんなら今ここで告白してもいいまである……。

が今ここで告白するのも違う気がするし、こんな俺を好きだと言ってくれた2人に申し訳が立たない。

何より俺自身が麗奈に振られそうで怖い。


「病院終わったら雪兄の所で飯食って帰るか」

だから今は隣で不機嫌そうに頬を膨らませているお姉さんの機嫌を取ることに徹しよう。


『それくらいでお姉さんのご機嫌が取れると思ったら大間違いだよ(o´艸`)』


演技か。うるせえよ。


俺の予想通り、怪我は大したこと無かった。

強いて言うなら担当医に家庭での虐待を疑われて少し焦ったくらいだ。

怪我して病院に来るのは今年2回目だから、そう思われるのも仕方がない。


厳しく、冷たくされたのは今は昔の話し、姉ちゃんと暮らしてる今そんなことは一切ない。

実家にいた時だったら洗いざらい喋ってたかも知れないけど、昨日の親父の姿を見たらアホらしくてそんな気は起きない。

だから俺は担当医には家族には愛されてます。と報告した。訝しげな目で見られてたから逆に疑わたよな、あれ。


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