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6. 旅立ち



 あれから何日経っただろうか。やはり町に戻ってくる者は居なく、フレッド1人でのゴミ処理作業は続いた。


 幸いにも食料はたっぷりあったし、家の中に残されていた有用な物もそれなりにあった。


 運びきれない物、持ちきれない物はそのまま置いて行ったのだろう。中には普通に食料もあったりして、更にフレッドの『便利収納保管箱』が充実する事になったのだが。


 当然、それらの殆どが普通の人なら見向きもしなかった状態の食料だったのだが。それはフレッドにとってのご馳走であったりしたのだから仕方ない。


 出来るだけ処理する前に使えそうな物は集めてから作業を進めて行った。だから余計に時間が掛かってしまったのだが。



 更にスキルのレベルも上がってしまったから、これも仕方なかった。当然のように色々な確認しながらの作業だった為、余計に時間が掛かってしまったのだ。



 ★はnew

 ◇◇◇

 スキル名  :ゴミ処理

 スキル効果 :ゴミ箱に入れたゴミを処理できる

 スキルレベル:5→7


 ゴミ処理可能対象:可燃ゴミ、不燃ゴミ、

  粗大ゴミ、資源ゴミ、自動分別、

 ★処理困難ゴミ、★有害ゴミ


『ゴミ箱設置』でゴミ箱を設置

『ゴミ処理』で中に入れたゴミを処理

『ゴミ箱回収』で設置したゴミ箱を回収


 ゴミ箱設置可能数:5→7


 ゴミ箱設定可能色:砂色、黄土色、赤茶色、

  深緑色、土色、★灰色、★紫土色


 最大処理容量:3m→5m×5m×5m(縦×横×高さ)


 最大処理回数:1日300→500回

 ◇◇◇



 これまでは処理できなかったゴミが処理できるようになった。ひと言で言えばそういう事だった。


 これまではゴミ箱の中に入れられないと処理できなかったし、最大処理容量を越える物も当然処理の対象としては除外されていたのだが、今回のレベルアップによってそれも可能となった。


 勿論、最大処理容量を越える物については、その分回数を使う事になるのだが、それでも対象を認識してやれば、ゴミ箱内にあると判定されて処理できるようになった。いや。なってしまった。



 あと、遺体の処理も出来てしまった。これは流石のフレッドも迷ったのだが、それなりの数もあったりして、穴を掘るなんて出来ないし、火葬もした事が無いので怖かった。


 流石にこのままにする事も出来ないと考え、実行した。まずは魔物の死骸から行い、その後で冥福は祈りつつ、1人ずつ処理して行ったのだった。



 何体か見付かった魔物の死骸。これを処理すると、ゴミ箱があった場所に魔石が残る事を発見した。


 流石のフレッドも魔石の事くらいは知っていて、魔道具を起動させる為の動力となる事も知っていた。これを売れば金になる事も当然知っていたので、有り難く頂く事にした。



 人の遺体に関しては、流石に『ゴミ処理』とは言いたくなかったので、無言で『ゴミ処理』が行われるように意識を向け、思いを込めてみたら出来てしまった。処理が。


 フレッドが『完全無詠唱』を手に入れた瞬間だった。



 更に、有害ゴミ。この扱いはまだまだ確認中なのだが、どうやら人間にとって有害になり得る物質。フレッドにとってはと言い換える事も出来るのかもしれないが。


 毒や燃える炎等も対象となるようで、作業中に処理できずにそのままになっていた、いかにも危険物と分かるビン入りの液体なんかも処理する事が出来た。


 今でもあれが何かフレッドは分かっていないが、対魔物用の毒だったり、攻撃用魔道具の材料となる素材だったりした。勿体無い気もするが、フレッドにとっては使いようの無い物だったのだから仕方ないだろう。



 試しにやってみた火の付いた焚き木も処理できた。これは以前には出来なかった事なので、今回のレベルアップによるものだというのは間違いないのだろう。



 この期間、本当に色々とあったのだが、要は、この町の処理作業によって、ゴミ処理スキルがより使い勝手が良くなり、やろうと思えば何でも処理できるようになってしまったのだが、それはまだ確認中の為、フレッドは知らない。


 それはこれから知る事になるだろう。徐々にかもしれないし、一気にかもしれないが。



「さあ。出発しよう」


 あれから更に数日。漸くフレッドの中での区切りが付いたのか、それとも流石に1人が寂しくなったのか。


 フレッドはこの町だった場所を旅立つ事に決めた。


『便利収納保管箱』の中には、まだまだ何10日分かの食料は確保されているのだが、流石にここではこれ以上の食料の確保は出来ないし、ずっとここで1人で居るつもりもなかった。



 まだ12歳。よくぞここまで1人でやったものだと褒める者こそ居れ、このままでいいと考える者は居ないだろう。


 フレッドに声を掛ける人の姿は無いが、1人で歩む事を決めたのだ。



 色んな物を回収出来たからこその決意かもしれないが、いかにも安そうな旅人の服。その上から色んな場所からかき集めた防具を組み合わせ、フレッドの体のサイズに合わせて着こんでいる。


 パッと見は、見習い冒険者。ものは良くはないと思うが、短槍短剣なんかもあったので、遠慮なく貰う事にした物を装備している。


 勿論、そんな物は見た事はあっても使った事などないのだが。何故かある程度の自信と身のこなしが出来るようになっていた。見る者が見れば、それなりに見事な槍さばきと短剣さばき、体術だった事だろう。


 その意味は、当然今のフレッドには分からない。まだ分からない。



 これは少ししてから気付くのだが、フレッドの体力、力、素早さ、知能といった面でも、大幅に能力が向上しているのだが、それは、過酷な作業を1人で終えたからだと思っていた。


 それなりに長い期間1人で頑張っていたのだから強ち間違いではないのだが、それ以外の要因もあったのだが、それにフレッドが気付くのは、もう少しだけ先の話だ。


 

 くるりと振り返り、元町のあった場所を感慨深気に眺めるフレッド。


 ここでの暮らしは、決して楽でも、楽しくもなかったはずなのだが、それでもずっとここで育って来た事は変わらない。良い思い出も、悪い思い出もそれなりに。


 他者から見れば悪い思い出ばかりだろうが、当のフレッドはそうは思っていない。それなりに充実できて、集中して打ち込める対象があった。それだけで十分だったのだ。



 それでも、やはり不思議と涙は出てこなかった。


 これからの期待と不安。そちらの方が大きいのだろう。こんな所でいつまでも感傷に浸る訳にもいかない。なんて考える事もなく、この町の跡を見回してから前に進むのだった。


 もう振り返る事もなく、真っ直ぐに。



 これが、世間知らずのゴミ少年が世に放たれた瞬間だった。正確にはもっと前からなのだが、それはいいだろう。


 これが幸となるか不幸となるか。少年にとっての初めての冒険が始まる事になった。



読んで頂きありがとうございます。

5日目にして、『23』PV。

思った通り、こんなものですよ。

やはりと言うべきでしょう。

しかし!

評価とブックマークを頂きました。

ありがとうございます。

そんな方にも祝福を。

『今週いっぱいは幸運気微増。忘れ物をしにくくなりますように』\(・o・)/



【スキル補足】


 ◇◇◇

 スキル名  :ゴミ処理

 スキル効果 :ゴミ箱に入れたゴミを処理できる

 スキルレベル:7


 ゴミ処理可能対象:可燃ゴミ、不燃ゴミ、

  粗大ゴミ、資源ゴミ、自動分別、

  処理困難ゴミ、有害ゴミ、


 *レベル1:可燃ゴミ

 *レベル2:不燃ゴミ

 *レベル3:粗大ゴミ

 *レベル4:資源ゴミ

 *レベル5:自動分別

 *レベル6:処理困難ゴミ

 *レベル7:有害ゴミ


『ゴミ箱設置』でゴミ箱を設置

『ゴミ処理』で中に入れたゴミを処理

『ゴミ箱回収』で設置したゴミ箱を回収


 ゴミ箱設置可能数:7

  ゴミ箱設置サイズは最大処理容量範囲内で任意で選べる


 ゴミ箱設定可能色:砂色、黄土色、赤茶色、

  深緑色、土色、灰色、紫土色

  レベル5より、ゴミ箱色は任意で選べるようになった


 *レベル1:砂色

 *レベル2:黄土色

 *レベル3:赤茶色

 *レベル4:抹茶色

 *レベル5:土色

 *レベル6:灰色

 *レベル7:紫土色

 

 最大処理容量:5m×5m×5m(縦×横×高さ)


 *レベル1~2:50㎝×50㎝×50㎝

 *レベル3~4:1m×1m×1m

 *レベル5~6:3m×3m×3m

 *レベル7  :5m×5m×5m


 最大処理回数:1日500回


 *レベル1:1日50回

 *レベル2:それぞれの対象に1日50回ずつ

 *レベル3:それぞれの対象に1日50回ずつ

 *レベル4:それぞれの対象に1日50回ずつ

 *レベル5:対象自由合計1日200回

 *レベル6:対象自由合計1日300回

 *レベル7:対象自由合計1日500回

 ◇◇◇


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