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「時空の魔女の道草」(セーラー服と雪女 第12巻)  作者: サナダムシオ


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⑤ 魔女の初恋

 つまりコレは、雪子にとっての初恋にあたるのだが、本人もあまりハッキリした意識も無く、なぜこれ程、吉川正義のことが気になって仕方がないのか、自分でも判然としないまま、彼との関りをその後も続けることとなった。


 結論から言うと、この恋は成就することは無かった。

 それはそうだろう。

 ただでさえ、出会ったときに雪子は17歳。

 その後、サン・ジェルマンに教えられた方法で、不老不死になってしまったのだ。


 片や相手は自称❝正義のヤクザ❞。

 吉川正義の名のごとく、曲がったシノギは大嫌い。

 子分、組員を大切に育て、養う。

 オンナ子どもに迷惑を掛けないがモットーの、見上げた極道だ。

 永遠の未成年の少女に手を出すわけも無く、二人の間柄に進展は無いわけで……。


 それでも雪子は何だか楽しかった。

 久しぶりに気分転換ができたからかもしれない。

 今までは雪村や友人たちのサポート。

 それからずっと自分の同位体の捜索。

 そのスキルやチカラの収集に努めていたのだ。


 そう言えば、出会った同位体たちの多くが、「疲れた。」と言っていた。

 そして趣味に没頭したり、パートナーと結婚したりしていた。

 コレはそういうことの影響なのだろうか?

 私もとうとう疲れちゃったのかしら?


 いくら考えても分からない。

 だって、これは気持ちの問題だから。

 とりあえず、❝昭和❞の歴史を壊さない程度に、今を楽しんだらいいのよね?

 そんな風に考える雪子であった。


 吉川正義は困っていた。

 真田雪子は強く、頼りになる。

 その上、ちょっとカワイイ。

 まさに魔女。いや、小悪魔だ。

 拒否し難い魅力を持っている。


 だが、彼女はカタギの未成年だ。

 まさか女房にするわけにも行かない。

 それだけは主義に反する。

 それに何だか神出鬼没で、何でもお見通しだ。

 もしもパートナーとして迎え入れたら、今後頭が上がりそうに無い。

 それも困った話ではある。


 そんなわけで、今後は付かず離れずの付き合いをすることとした。

 失礼のない程度にもてなし、機嫌は損ねないようにしよう。

 後は、うっかり好きになったりしないようにしよう。

 彼はそう心に誓うのだった。


挿絵(By みてみん)

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