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「時空の魔女の道草」(セーラー服と雪女 第12巻)  作者: サナダムシオ


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1/7

① 事の始まり

「その後の酒井弓子」につながる物語です(>ω<)

 真田雪子は超時空の魔女だ。

 行く先々で「お前は何者だ?」と聞かれて、めんどくさいので「魔女」と名乗ったのが事の始まりだ。


 彼女は幼い頃から頭脳明晰で、特に数学と物理学が得意で、ついには並行宇宙の別の時間軸への旅を実現した天才だ。

 彼女はそのスキルを、「別宇宙の自分の同位体からチカラを集める」という、実に個人的な目的のために使っている。


 なぜなら、もし他人にこの手段を教えようものなら、軍事目的など、ろくでもないことに利用されるであろうことが、目に見えているからである。

 残念ながら、多くの時間軸で、人類は愚かな行いを続けている。

 だから、なかなか外宇宙の知的生命体に、「付き合うのにふさわしい生物」として認めてもらえない。

 彼女がそういう事実にうんざりしていることも確かである。


 彼女はまた、念動力を持ち、後に不老不死になる。

 これは後付けのチカラで、悪友のサン・ジェルマンのおかげで身に着けたものである。それゆえ、名実ともに「永遠の17歳」となり、いつまでもセーラー服が手放せなくなるのだが……。


 コレは彼女がそうなってしまう、少し前の話である。

 場所は、数々の並行宇宙の中でも、唯一彼女の同位体が居ない世界の、とある座標地点。この「昭和」の世界には、彼女の大切な「有る人物」が暮らしているので、時々様子を見に来ているのだ。

 

 彼女は用事を済ませてホットと一息。

 気分転換に海でも見ようかと、名護屋港の、とある埠頭にやって来たのだった。

 暖かい春の潮風に吹かれて気分良くなっていると、背後のコンテナの方から、数名の男たちの野太い怒号が聞こえて来た。


「てめえら、裏切りやがったな?」

「あんたの弟の方が組を大きくできる。オレたちはそっちについて行くぜ!」

「こんなことをして、ただで済むと思うなよ!」

「あんたはここで死ぬんだよ!」


「あ~あ~ヤクザ同士の絵に描いたような修羅場だ。何で他所でやってくれないかなあ。」

 雪子はつい、口に出して言ってしまった。


 男たちは全員振り返って雪子を見た。

「見つかっちゃったかあ。逃げるのは簡単だけど、人を見殺しにできない性格なんだなあ、私……。」

 雪子はまた呟く。


「なんだあ、このアマ。見られたからにはオマエも生かしちゃおけねえなあ。」

 と、悪人A。……雑魚の名前なんか雪子には興味が無かった。

「こいつも一緒にスマキにして海に放り込んじまえ!」

 と、悪人B。どいつもこいつもベタなセリフを吐くのね。と思う雪子。

「かまうものか、やっちまえ!」

 と、悪人C。やっちまうのはこっちだけどね。と雪子は次の行動に移るのだった。


挿絵(By みてみん)

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