11話
彼女の罪の話。(ただしうわべだけ)
――兄嫁になるはずだったサティがアクオスの部屋に侵入した件の翌日、彼女を送迎してきた一行が予定通りに到着していた。
そしてその一行のリーダーと思われる人物がぽつりと口にしたことは「やはりダメでしたか」だった。
「どういう、ことか説明してもらえるかな」
「えぇ、事が起こってしまったのなら話さなければなりませんから」
そうサティ・ディスタには身内によって秘匿にされた事柄があったということ
そしてそれを隠したまま嫁入りをさせようとしていたらしい
当たり前のことだが、ヒセント家の人々はその事実を聞きディスタ家に対して怒りを覚えたのは言うまでもなく……
「誘拐にごーかん??」
「あぁうん……そこはアクオスは知らなくてもいいよ……」
ウィントは両親経由で教えられたサティについての事柄を被害者でもあるアクオスへと伝えた結果とも言えるのがこれだった。
もちろんアクオスとしてはそれらの語句の意味など知るはずもない……が、彼は前世の記憶からその意味合いを引き出してすぐに理解をした。
理解したところで意味をなさないから彼はそれを気付かなかったフリもする
「じゃあ兄様の結婚のお話はなくなったの?」
「うんまぁ、いずれは誰かとはしなければならないけど彼女との話はなくなったよ」
「そっか」
よかった、とは口に出して言えないだろう。例えそう思っていたとしても……
――サティ・ディスタがかつて行った行為及びディスタ家による秘匿事項について――
当時20歳だったサティ・ディスタは当時8歳の少年を誘拐し、ディスタ家が保有する別邸にてひと月近く彼を監禁
その間少年は彼女によって自身が望まない行為を繰り返され
開放時の少年は心身は衰弱、人間不信、手足にはロープの痕が残り、その行為について苦言が呈されるはず、だった……
当時少年が平民であったとこと、ディスタ家が多少は金を持っていた為にそれらのことは全てなかったことにされたのだった……
これが、サティの行った行為。
彼女は、年下のみに対して欲情する性質を持っていた――
それからあったことと言えば、まだこの家に居座ろうとするサティを連れ帰る役目を担うことになってしまった送迎してきた者達は一応は雇い主の娘であるはずの彼女を縛りあげて馬車に乗せ、帰りついたことくらいだろう。
その後一家はいつも通りに足湯にいた。
「ウィントには申し訳ないことをしたな」
「いいですよ、ディスタ家は警戒対象だったということがわかっただけでも」
「あぁ、そうだな……」
父親とウィントの会話を耳にしながらギンを丸洗いしていたアクオスはほんの少しだけ歯を食いしばっていたが、そのことに2人は気付いていなかった。
もっとも、ギンとシウは気付いていたが。
「そういえばアクオス、あの時のあの結界はいったい……」
「わかんない……」
「あの結界は強いものだったな……アクオスはそちらの方に進むのか?」
「魔法、もっと覚えたいなって思いました!」
もともと、この家を継ぐのはウィントに決まっていたからこそアクオスがどの道に進んでも何の問題もなかったわけだが。
このことがきっかけとなりアクオスは明確に魔法使いになる道を選ぶこととなった。
数日後、アクオスは魔法使いの学校があることを知ったのはまた別の話だったりする。
てことで彼女はショタコン。(ただしウィントもギリギリに範囲に入ってる)
ショタコンだけど実はロリコンでもあるのは多分表に出ない話。
そしてあんまり結界の話でませんでしたね、うん、わかってた




