エピローグ
エピローグ
「――ということがあって、それから俺達は浮遊戦艦に向かったんだ」
「ほぇー。それで、どうなったんですか?」
「戦艦にたどり着いた俺達は、警備の目をかいくぐって、最深部にある部屋へと入った。予想通りコネマテがあって、杏華が有無を言わさず破壊したよ」
その時、サイレンが鳴り響いた。
『全部隊に告ぐ。新たな任務要請が出された。出発できる部隊は、至急ヘリポートへ向かうように。繰り返す――』
「お、任務要請みたいですよ、先輩」
「お前は入隊して初の任務か。でもまあ、気楽にいこうぜ」
二人はカフェテリアを出ると、その足でヘリポートに向かった。
何機もある小型輸送機の中から、自分達の部隊の物を見つけると、早速機内に乗り込んだ。すでに機内には、他の隊員三人もいた。
隊長である若い女性が、二人に詰め寄る。
「遅いわよ! 何やってんの!」
「カフェテリアで一杯やってました」
先輩と呼ばれた男が答える。
「そんなのどうでもいいから! 早く準備して!」
「……あのー」
先輩と一緒にいた新人の男が、おずおずと手を上げた。
「何? 用件なら十秒以内に言いなさい」
「隊長と諒先輩って、養成学校時代ではパートナーだったんですよね?」
「そうよ」
「噂では、お二人は夫婦だとか言われてますけど、実際はどうなんですか?」
一瞬の間ののち、二人は返答する。
「残念だけど、夫婦なのよ」「夫婦だよ」
「……おい杏華、今残念って言っただろ」
「言ったわよ?」
「お前は俺がいないとダメなくせに」
「はぁ!? あんたこそ、あたしがいないと何もできないじゃない!」
「何だと!?」
「何よ!?」
二人はぎゃあぎゃあと喧嘩を始める。
その様子を見た新人の男は、
「お似合いですね」
と言った。
「「どこが!?」」
諒と杏華の声が、ピッタリと重なった――。