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8-16 新たな職業とユニークスキル


魔穴(まけつ)かぁ、なるほどなぁ。それで、どうやって塞ぐんだ? 今は重力を押さえつけてるからピギーウルフが出てこないんだろうけど、その状態でずっといるにもいかないだろ?」

「ああ」


 ――どうやったら、穴を塞げるか、か……。


 俺も明確なことはわからない。

 ただ、フレイヤのあの言葉どおりなら……。



『ここは、お主らたちにとって非常に重要な場所となる。ただの錬金術士ではなく、はじまり(創世)の錬金術士として、空間を創るのじゃ。創世(そうせい)の錬金術士として。今はまだ不可能でも、その時期(とき)は来る。鍛錬を積むのじゃ。ゆめゆめ、忘れるでないぞ』


 魔穴(まけつ)を塞ぐことに触れていなかったフレイヤからすると、いずれ、もっと重要かつ難題がこの洞窟に訪れるんだ。

 魔穴(まけつ)はその前哨戦のようなもの、と捉えれば、今の俺にでもできるはず。


 ――その気になれば、空間を創れるっていうことか……。


 俺の経験上、魔法はイメージだった。

 空間を創ることも、同じだとしたら……?


 俺は、洞窟の壁面を触る。

 ザラザラ、ゴツゴツしていて、外から見た地層の壁面とは少し違いそうだ。もっと、岩石ぽく、それこそ、歪んだアスファルトのような……。


「やってみるよ。ただ、俺のMPは1/3程度しかない。倒れたら、あとはよろしく」

「受け止める準備はしておくよ」

「だいじょうぶ、くまがはこぶ」

「ポチもはこぶ」

「ははは。ありがとうな。ポチくま」


 ――俺は木のロッドの先端にMPを集中させる。


 ……暑い夏の日。歪む視界。コンクリートから感じる蒸気。滴る汗は零れて落ちる。コンクリートにできた染みは、蒸気とともに再び宙へ。

 暑い暑いコンクリート。舗装中の工事看板……。

 アスファルトを押し固める電動機械……。


「うわっ」


 と言って亮は両手で鼻と口を塞いだ。


 熱中症警報が出そうなあの空気感。むわんとした工事中のアスファルトの香り。


 木のロッドから、柔らかいアスファルトのような灰色のドロリとした半個体が出てくる。

 ――あとはこれを、押しつぶすだけ。


「――闘神の重責!」


 ――俺の総てのMPで、固めてやる! このコンクリートをッ!


 木のロッドは電気機械のように激しく揺れるので、MPでねじ伏せるように固めていく。


「あとは乾燥だな。やったことないけど、イメージはドライヤー。 風属性と火属性のコンボだ!」


 ――アスファルトからジュウウウゥ、と音が出る。


 ――あ、意識が落ちる。


 その前に思ったのは、おかしなもので。


 ――この焼けこげたアスファルトでピギーウルフの焼き肉食べてぇ。


 だった。


 ◇


 ……ぐうううう〜。


「腹、減った……」


「お、起きたか、創太」


 自分の腹の音で起きるなんて、なんて品のない男なんだ、俺は。……と思ったが、それもそのはず!


「亮、まさかとは思うけど、ソレ」

「あぁ、創太が塞いでくれた穴で焼肉食べたくなってさぁ。悪いけど、先に食ってた」

「――! 俺にも寄越せ〜ッ」

「うおおおお! 急に元気になりやがって。まぁ、良かったけどさ。とってあるよ、お前のも」


 伐採した木でいつの日か作った割り箸に、滴るピギーウルフの濃厚な(あぶら)


「いただきまーす」

「召し上がれ! って創太のおかげなんだけどさ」

「……うんまっ! なんだコレは」


 今までピギーウルフを解体して火で炙って食べていたのとはわけが違う!

 滴る芳醇な肉汁。口の中がまるで大洪水だ(どこかの有名な芸能人が言っていたような気がするがそれはさて置き)!


「力がみなぎってくるようだよ!」

「そう、それも俺思ってさ。俺も創太ほどじゃないけど、満身創痍だったわけ。それがさ、見ろよ!」


「ステータスオープン!」


-----------------------------------------------

【名前】 加賀(かが) (りょう)

【称号】万象の女神フレイヤの加護を受ける者

【性別】ヒューマン 男

【職業】Lv.15/武闘家

    Lv.12/魔法剣士

    Lv.4/タンク

【体力/HP】300/300

【魔力/MP】220/220

【戦闘スキル】

   敵対心(ヘイト):Lv.11

   剣技: Lv.9

魔法剣(雷属性):Lv.9

固有スキル(ユニークスキル)

   多種多様な武器の使い手:Lv.5

   怒り:Lv.3

   大工:Lv.1

   解体:Lv.2

   見習いテイマー:Lv.3

-----------------------------------------------


「HPもMPも、全開してやんの。すげーよ、創太、焼肉ってすげぇ! ポチたちも、生肉よりも焼肉派みたいでさ。奪い合うように喰ってんの。可愛いよ、見ていて。癒される」


 言われてみれば、先ほどからポチたちがやんややんやとうるさかったのはこういうわけか。


「ステータスオープン」


 俺も自分のステータスを見ることにした。


-----------------------------------------------

【名前】 鈴木(すずき) 創太(そうた)

     (スズツリー=ソウタ)

【称号】万象の女神フレイヤの()()を受ける者

    はじまり(創世)の錬金術士

    世界を創りし者

【性別】ヒューマン 男

【職業】Lv.25/錬金術士

    Lv.28/魔法使い

    Lv.5/創世士

【体力/HP】3000/3000

【魔力/MP】7000/7000

【戦闘スキル】

   錬成アイテム:Lv.26 /♾️

   殴る: Lv.5 /♾

魔法(雷属性):Lv.18/♾

     (風属性):Lv.12/♾

     (炎属性):Lv.18/♾

     (水属性):Lv.3 /♾️

     (土属性):Lv.8 /♾️

     (闇属性):Lv.5/♾

     (光属性):Lv.15/♾

固有スキル(ユニークスキル)

   錬金術:Lv.26 /♾

   錬成知識:Lv.25 /♾

   テイマー:Lv.30 /♾

   鑑定:Lv.13 /♾

   探索魔法:Lv.15 /♾

   支援魔法:Lv.3 /♾

   創世の錬金術:Lv.5/♾️

-----------------------------------------------


「本当だ! 全快してる!」

「やっぱり創太もか! せっかくだから焼肉もっと焼いて、【マジックバッグ】に入れていこうぜ! 出した時焼き立てが食べられるんだろ?」

「そうだな、そうするか」


 亮の会話に、半分は意識なしで答える俺。


 ――また、レベルが上がり、職業と固有スキル(ユニークスキル)が増えていた。それと、今まで上がる気配がなかった闇属性も。

 創造することは闇属性なのか。

 創世士と、創世の錬金術、か……。


 俺は若干、不安に思う。

 ――錬金術士の俺に課された試練って、一体なんなんだろう。そして、この洞窟が重要な意味とは、はたして……?


 考えながら食べた焼肉は、少し味気がないような気がした。

 

 

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