いざ大空洞へ
「さてと、携帯食料はこれぐらいあればいいかな?」
「そうですね。休みの日を合わせて二日ありますが大体五日分あれば様子見とはいえ十分かと思います」
今私とトアさんは大空洞へと潜るための準備をしていた。
先日あれほどガウルたちから言われてしまったのでここで行かないわけにはいかなくなってしまい、急遽予定を決めて向かう事となった。
「じゃあ数日は戻れないから二人ともお店のことよろしくね」
「はい! リア頑張ってお留守番します!」
「いない間に色々整理したい案件もあるからこっちの事はあんまり気にしないでいいよ」
サイとリアも立派になって…。
てかあんまり悲しまなくて私は少し寂しいよ…。
さてと、湖の都市にも飛べたし早いところ向かうとしよう。
って、あの後姿は…。
「アルトさん?」
「アリスさん、こんなところでどうしたのですか?」
「アルトさんこそどうしたんですか?」
アルトさんに気付いた私たちはアルトさんに近付き声を掛ける。
「えぇ、私たちはこれから大空洞へと潜ってみようと思いまして。その最終準備です」
「私たち?」
「おーい! アルトー! 待ってくれよー!」
少し離れたところからアルトさんを呼ぶ声がしたためそちらの方を見るとノイさんと…誰だろうもう一人女性の方がノイさんを軽く追いかけていた。
「ノイ…だから前もって準備しておきなさいと…」
「いいじゃんかー! 旅は準備も楽しまないとダメだろ?」
「私と貴女の二人だけならいいですけど、今回は違うんですから…」
「そっそれはそうだけど! 別にアヤだって気にしてないし少しくらいいいじゃんか!」
「はぁ…私をダシに使わないでください」
「酷っ!?」
えーっと…誰だろ?
少し目つきが細めで怖そうな人だけど…アルトさんの知り合いかな?
「あぁアリスさん。こちらの女性はアヤさんと言って、えーっと…なんて言ったらいいのでしょうか…」
「単純にライバルでいいじゃない。まぁ私が追いかける側だけど」
「私としては友人でいいと思うんですけど…」
「おいアヤ! アルトのライバルは私だぞ! 勝手に取るな!」
「はぁ…アルトも大変ね…こんなのが幼馴染なんて…」
「えぇ…もう慣れました…」
「二人してなんだよもぉー!」
ノイさん相変わらずだなぁ…。
てかアルトさんのライバルなんだ。
ってことは結構強い人なのかな?
「そういえば自己紹介してなかったわね。私はアヤ、二つ名では【一刀斎】と呼ばれているわ」
「初めまして。アリスです。えーっと二つ名は【首狩り姫】です」
「えぇよく知っているわ。有名人ですもの」
「きょっ恐縮です…」
あれ?
案外怖くない?
「全くどいつもこいつも二つ名付きやがって! ついてないのそこのメイドさんと私だけじゃんかー!」
「えっえぇ…そうですね…」
トアさん?
何で少し苦笑いしてるの?
…もしかして二つ名あるの!?
でもここで言うとノイさんが更にめんどくさくなりそうだから後でにしておこう…。
「それよりアリスさんたちはどうしてここへ?」
「えっとちょっと大空洞に潜ろうと思って」
「そうでしたか。…アリスさん、一つ提案させていただけますか?」
「はい? なんですか?」
「もしよろしければ同行させていただけませんか? 見ての通り私たち全員純粋な戦闘型なので食糧事情等が壊滅的で…一応食料等は用意していますがそこまで長く潜れはしないと諦め半分で挑もうと思ってまして…」
あぁ、ガウルたちの言ってた事ってこういうことか。
確かに私の場合敵を倒せばそのままご飯に繋がるし、土系統の魔法で臨時の陣地も作れる。
皆が呆れるわけか…。
「代わりと言っていいのかわかりませんが、戦闘力なら貸せます。ですのでその…」
「別に私は問題ないです。トアさんもいい?」
「えぇ。どうせお嬢様の事です。敵MOBに美味しそうなのがいたら食べるでしょうし、むしろ食事は余りそうな可能性すらあります」
「トアさん!? 私そこまで食い意地はって…はって…」
「…ないと言い切れますか?」
「言い切れないです…」
だってとりあえず食える物なら食ってみてから判断するでしょ!
珍味とかかもしれないし!
「というわけでお嬢様の食い意地も確認したところで改めてPTを組むとしましょうか。リーダーはお嬢様かアルト様のどちらにしましょうか?」
「アリスさんの方がいいでしょう。私たちは同行させてもらう側ですし」
「ではお嬢様、お三方にPT申請を」
「あ、はい」
私は勧められるままアルトさんたちをPTへと誘う。
なんだかんだでアルトさんとPT組むの初めてかも。
「ではよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
とりあえず印象的にアルトさんはともかくアヤさんは落ち着いてるし平気だろう。
問題のノイさんをどう抑えるかかな…。
アルトさん手伝ってくれるかな…?
「ノイ? 言っときますけどアリスさんたちに迷惑は掛けないよう心掛けてくださいね?」
「信用無さ過ぎじゃないか!? 私だってちゃんとするところはするぞ!」
「信用されてないから言われてるんでしょ。短い付き合いだけど私がアルトの立場だったら同じこと言ってるわよ」
「アヤまで酷いっ!」
うん、きっと大丈夫だろう。
私はアルトさんとアヤさんの二人を見てそう確信した。
と、いうことで第七章スタートです。




