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Nostalgia world online  作者: naginagi
第六章
337/370

悪霊たちの宴⑯

「結果は街の人に被害はないわね。これでいいかしら?」

「うん、精霊様ありがとー」

「でもこんな事で何かわかるの?」

「大丈夫、これで確信が持てた」


 街の人に被害が無いことが確信に繋がる?

 一体どういうことだろ…?


「飛鳥、説明してくれる?」

「いいよー」


 ルカが飛鳥ちゃんに質問すると、飛鳥ちゃんは近くに置いてあった箱にちょこんと座って説明を始めた。


「まず初めに、クイーンハロウィンの『探しモノ』は物じゃなくて者、つまり人だと思うよー。だからクイーンハロウィンは街の人に聞き込みしないで自分で探してるんだよー。あるいは霊界の王様だから生きてる人が苦手なのかもー」

「確かに話はわかりますが、それで何故探しモノが人となるのですか?」

「実は元々ヒントはあったよー」


 そう言って飛鳥ちゃんは特別クエストの詳細を私たちに見せる。


「ここの女王に差し出せって一文。わざわざ女王っていう表現をしている目上の人に対して物を渡すなら『献上せよ』ってのいうのが正しいって飛鳥は思うのー。それに差し出すって言葉には送り出すっていう意味も含まれてるって前に辞書で見たから少し気になってたのー」

「おぉぅ…」


 飛鳥ちゃん凄い…。

 差し出すっていうから私は普通に物かと思ってたけどそういう意味もあるんだ…。


「それで二つ目の理由としては街の人に被害が出てないこと。普通これだけ大事になってたら街の人への被害があってもおかしくないと思うのー」

「そういえばあたしもお姉様と合流する前にもそういったのは見ませんでしたわね…うぷっ…」

「確かに言われてみれば飛鳥を追ってる時も、海花を追ってる時も街自体に被害はなかった」

「…もしかして街の人に被害が出たら避難を始めちゃうから?」


 王様たちも街の人に被害が出れば避難はさせるだろうしね。

 逆に言えば被害がなければ例年通りかで済むもんね。

 私の考えに飛鳥ちゃんは小さく頷く。


「アリスお姉ちゃんの言う通り。街の人に避難されちゃうと向こうが困るから被害を出さないようにしてるんだと思う」


 飛鳥ちゃんの推理通りに探しモノが人だとして、確かに人がいなくなったらその分見つけやすくなるもんね。

 しかももし住人とプレイヤーを別の場所に分けられた場合、クイーンハロウィンに見つかる可能性は一気に高くなるだろう。

 それなら街の人を襲ったりはできないよね。


「…って、あれ? じゃああの時悪霊に襲われてた男の子って…」

「うん、たぶんその男の子がクイーンハロウィンの探しモノだと思うよー」

「つまり自作自演ということですか。とはいえ…」

「男の子の顔覚えてない」

「だよねぇ…」


 どんな顔だったっけ…?

 というか悪霊に目が行ってて髪の色すら曖昧なんだけど…。


「飛鳥も顔覚えてないけど大体位置はわかるよー」

「飛鳥ちゃんわかるの!?」

「また精霊様の力を借りるけど大丈夫ー。でもたぶんだけど飛鳥と海花お姉ちゃん以外は近付けないと思うのー」

「それはまた何で?」

「悪霊たちが妨害してるのはクイーンハロウィンが近付かないようにするためと、飛鳥たちが男の子を捕まえさせないようにするための二つの目的があると思うのー」


 まぁこんだけプレイヤーに憑りつかせていたら男の子に近付く以前の問題だしなぁ…。


「それでたぶんだけど一度乗っ取られた人は耐性が付くんじゃないかなーって飛鳥思うのー。だって海花お姉ちゃんこんな隙だらけなのに乗っ取ろうとしないしー」

「あたしだって好きでこうなってるわけじゃ…うぅ…」


 未だに横になって不調を訴えている海花を横目に飛鳥ちゃんの話に耳を傾ける。


「確かにこんな海花の状態なら乗っ取るのなんて楽だもんね…」

「でも飛鳥がこんなピンピンしてるのは何で?」

「相性…でしょうか? もしくは乗っ取られていた時間とかもありますね」

「でもそうなると飛鳥ちゃんの方が乗っ取られてた時間長かった気がするけど…」

「むしろ海花はほぼ瞬殺だった」

「うっさいわねぇ…」


 確かに海花を捕まえるのに掛かった時間は飛鳥ちゃんの半分以下だったしなぁ…。

 むしろ飛鳥ちゃんは空を飛ぶ分捕まえるのが大変だったし。


「海花お姉ちゃんの状態から考えると、長く乗っ取られてた方が影響が少ない感じだと思う。逆に短時間で解除されると行動不能になるように不調になるのかもー」

「耐性を付けるとした場合その方が妥当でしょうね。となると私たちもわざと乗っ取られてすぐ解除したとしても行動不能となっているのでしょう」

「だから飛鳥と海花ってこと?」

「でも海花は今こんな調子だしなぁ…」

「お…お姉様ぁ…」


 さすがにこんな調子の海花を行かせるわけにはいかないからなぁ…。

 でもだからと言って飛鳥ちゃん一人で行かせるのもちょっと不安だなぁ…。


「飛鳥、海花お姉ちゃんが使えなくて一人でも大丈夫」

「うぐっ!?」


 あ、海花に追い打ちが掛かった。


「とはいえ心配だからある程度近くまではついてくよ。まだプレイヤー乗っ取りの騒ぎは続いてるっぽいもんね。それで場所の目星は付いてるの?」

「えーっと、精霊様ー」

「何かしら?」

「悪霊騒ぎの一番大きい場所ってわかるー?」

「少し待ってもらえばどこら辺かってぐらいはわかるわよ。ただ細かな移動があるからその都度更新する必要はあるけどね」

「それで平気ー」


 騒ぎが一番大きい場所…?

 …もしかして!


「なるほど、木を隠すなら森の中ということですか」

「確かに、普通に探したんじゃ見つからない」

「クイーンハロウィンが人嫌いという線も考えるとそれが一番見つからないですね…」

「うん。探しモノの男の子の居場所は、たぶん悪霊騒ぎの中心のはず」

推理物書ける人ってやっぱりすごいと思うんよ(率直

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