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Nostalgia world online  作者: naginagi
第五章
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百鬼夜行③

「っと、いたわね」


 ルカが偵察潰してるからもしかしたら纏まってるかもって言ったからもしやと思ったけど、まさか本当に纏まってるとはね。

 てかむしろあそこを陣にしようとしてる感じね。

 見た感じ篝火を焚いて周辺警戒してるってところね。


「で、どう攻めるの?」

「混乱誘うための種が来るポイントG側の反対から仕掛けようかなって。まぁ釣るのは私がやる。それをアリカとレヴィたちで殲滅して」

「りょーかい」


 ルカはそう言うと、アレニアを呼び出して身体を噛ませて能力解放をする。


「ほんっとその能力解放は見てて痛々しいわね」

「慣れればどうってことない。むしろアリスになら噛まれたい」

「…しないわよ?」

「っち…」


 ルカにしろ海花にしろ、こうなんで普通とは少しずれた子があの子の周りに寄るのかしらねぇ…。


「じゃ、行ってくる」

「気を付けるのよ」


 ルカが移動を開始したので、あたしも少し下がってレヴィたちを呼び準備をする。

 すると先程陣を築いていた鬼たちの辺りから悲鳴が聞こえてきた。

 てかこれ十や二十じゃ済まないぐらいの悲鳴に聞こえるんだけど…気のせいかしら?

 ルカも張り切ってるわねぇ。

 っと、怒って一小隊ぐらい釣れたわね。


「ぎぎっ! 待てっ!」

「べーっ」


 ルカが挑発しているせいか、その先にあたしたちがいることに気付いてないわね。

 あたしはルカとすれ違う直前に木の上から降下し、レヴィも大きくなって降下する。


「ぎっ!?」

「ギュゥゥ!」


 小柄な小鬼はレヴィに一呑みされ、近くにいた小鬼もあたしに首を刎ねられる。

 慌てて逃げようとした他の小鬼たちもミラとネウラの攻撃であっけなく息絶える。


「アリカ、ナイス。じゃ、どんどん行く」


 ルカが方向転換して再び敵陣へと向かっていく。



 こんなことを繰り返して十小隊程を殲滅していると、さすがに敵も落ち着いてきたのかルカの釣りにも引っかかってこなくなった。


「案外対応が早かった」

「最初に潰すべきなのはあそこの指揮官だったかしらねぇ?」


 まぁ森での戦いの真骨頂はここからなんだけどね。


「じゃルカ、作戦Bよろしく。ネウラとミラも連れてっていいから」

「らじゃ」


 作戦B。

 それは遠距離攻撃による無差別攻撃。

 無差別攻撃と言っても、平地では姿が見つかってしまい対処されやすい。

 だが、森なら別だ。

 森は姿を隠し、場所をわからなくする。

 それが遠距離からの攻撃となれば対処は更に難しくなる。

 森でのゲリラ戦が恐れられた理由はこういった部分であろう。

 敵の姿も見えず、いつ来るかわからない攻撃に、緊張感による疲労。

 これが何日も何ヶ月も続けられたらたまったものではない。


 いくら攻撃に構えてたとしても、弓矢は音が小さく、ミラの攻撃なんてこの暗さじゃほとんど視認出来ない。

 そしてネウラの【植物魔法】による下からの攻撃。

 さぁこの上下無差別攻撃からいつまで混乱を抑えられるかしらね?


 予定通りにルカの弓矢の雨にミラの血の矢の雨で敵の防御はガタガタになった。

 というか、ミラの【血魔法】の貫通力が強すぎるのよね…。

 そこらの木の盾程度じゃ貫通するから全く盾の意味をなさない。

 それにネウラの操っている植物による奇襲。

 パニックを起こすのも時間の問題ね。


「エェェェェェイメン!」


 っと、知ってる声が聞こえてきたって事はそういう事なのね。

 奇声のする方を見てみると、武器も捨てて逃げている小鬼を追いかけている首狩り教の姿が見えた。

 しかも首狩り教の誰もが嬉々として笑顔のまま武器を振って追いかけてるものだから、逃げてる小鬼も必死の形相だ。

 うん、普通に怖いわね。


「さぁ首を寄越すのです!」

「首を! 首を! 首を寄越しなさい!」

「我らが女神への供物になりなさぁぁぁい!」


 …あれ味方よね?

 敵じゃないわよね?


 首狩り教が現れた瞬間、鬼たちの混乱は一気に広まった。

 武器を捨てて逃げ出す者、頭を抱えて丸まって震えだす者、混乱を抑えようと逃げようとした者を斬る者。

 こうなってはもはや軍隊はお仕舞だ。

 まぁ笑顔のまま凶器を持って走ってくる集団を目にして平然としている方が稀だと思うけどね。

 さて、敵への同情はこれぐらいにしてっと。


「ギュゥ…」

「レヴィ、お待たせ。じゃあ殲滅しましょうか」


 あたしは大きくなったレヴィの背に乗り、敵指揮官がいるであろう場所へ突っ込む。

 レヴィの巨体に小鬼は潰され、飛ばされ、どんどん道が開いていく。

 途中オーガが道を塞ごうとするが、レヴィの尻尾による薙ぎ払いであっさりと吹っ飛ばされる。

 そして敵指揮官のところへ到着する頃には、敵は大混乱を引き起こし、まともに戦おうとしている数の方が稀であった。


「にっ人間風情がぁっ!」

「ねぇその人間にコテンパンにされるのってどんな気持ちかしら?」


 国を落としていい気になってたんだ。

 それがたった数時間でここまで虚仮にされたのだ。

 腸が煮えくり返っているだろう。


「くっそぉぉぉぉ!」


 指揮官らしきオーガはこん棒を持ってあたしに向かってくるが、もはや手遅れね。


「ぐっ!?」


 あたしに近付く前にネウラの蔓に捕まり、指揮官オーガは動きを封じられる。

 動きの止められた指揮官オーガにあたしはゆっくりと近付く。


「これが貴方たちが馬鹿にしてた人間の力よ」

「ぐっ…。だが我らの頭は我らなど足元に及ばない程の強さだ! 頭が出てきた際にはお前ら人間程度塵も残っ!?」


 指揮官オーガが言い終わる前にあたしは首を刎ねる。

 ここまでの力の差を見せつけても全く理解しようとしないやつらの話など聞く耳持たないからね。


 こうして、森へと進行した先行部隊3000はたった百名足らずの部隊に殲滅されたのであった。

確かに凶器持って笑顔で向かってきたら逃げるわな(真顔

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[一言] 首狩り教って、モンスターの部族名でした…?
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