表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Nostalgia world online  作者: naginagi
第四章
168/370

吸血鬼イベント⑥

「ここは…どこ…?」


 気が付くと私は何もない真っ暗な空間にいた。

 適当な方向に歩いてみるが、何にも当たらずただ空間が広がっているような感覚だ。

 すると奥の方に薄っすらと火の灯りと人影が見えた。

 私は奥へと走って近づく。

 近づくてその人影が誰かわかった。


「ショーゴ…?」


 だがショーゴは返事もせず、こちらを振り向こうとしない。

 私はショーゴの肩に手を掛ける。

 するとショーゴはそのまま前のめりで倒れる。


「えっ…?」


 倒れたショーゴの顔を見ると、口から血を流しているのがわかった。


「ショーゴ! ショーゴ!」


 私は必死にショーゴの身体を揺らすが、反応が全くない。

 そして身体の方をよく見ると、ショーゴの身体は血まみれになっていた。


「何…これ…」


 すると今度は後ろに誰かが立っている気配を感じ、後ろを振り向く。


「リン…?」


 顔は見えなかったが、装備しているのがリンの物と一致していたためリンの名前を呼ぶ。

 だがリンもショーゴと同様反応はせず、次の瞬間にはこちらに倒れてきた。

 咄嗟にリンを抱き抱えるが、水が垂れる音が辺りに響く。

 私は恐る恐るリンの顔を見る。


「リン…嘘でしょ…?」


 リンもショーゴと同様に口から血を流し、身体中から血を流していた。

 そんな状態のリンを抱えていた私の身体も、徐々に血に染まっていく。

 そして一気に私の周りに何人もの気配が現れ、顔を上げた瞬間、それらの人は水飛沫の音を鳴らして倒れていった。

 その倒れた人の顔を見て私は驚愕する。


「ルカ…海花…それにアルトさんに団長さんまで…」


 一体何が起こってるのかわからない。

 まるで悪夢を見せられているようだった。

 そして気が付くと私の目の前に鏡が現れた。

 そこに映っていたのは…。


「そんな…」


 牙を生やし、その牙から血を垂らしている私の姿が映っていた。


「違う…私じゃない…私じゃない!」




「はっ!?」


 目を開けると先程の風景とはガラリと変わり、血だまりの空間ではなく、少し暗めだがランプの灯りが灯っている部屋の中で、天蓋の付いたベッドの上に私は横たわっていた。


「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」


 服が冷や汗で濡れてて少し服が気持ち悪い…。

 ホント…嫌な夢見た…。

 あんな夢…冗談でも見たくなかった…。

 それにしても…。


「ここは一体…」


 起き上がり部屋の中を見てみるが、最低限の鏡や机などの装飾品しか置いておらず、部屋の中には私しか見えなかった。

 とはいえ、この天蓋付きのベッドは高そうだし、結構お金のある人の家なのだろう。

 そうだ、まずはルカに連絡しないと。

 そう思いルカにメッセージを送ろうとするとエラーが発生し、お知らせが表示された。



 ―INFO―

 現在、システムとステータス、スキルやアイテムの一部を制限しています。

 ※条件を満たした場合、制限は解除されます。



 システムやスキルだけじゃなくてアイテムも制限?

 ということは…。


「おいで、レヴィ」


 だが、レヴィは出てこず、何も反応はなかった。

 となると、召喚系のアイテムやスキルは使えないってことだろう。

 スキルも戦闘系は軒並みダメで、使えたとしてもサブスキル系の内、戦闘には役に立ちなさそうなのばかりが使用可能となっていた。


 さてどうするべきか。

 一先ず部屋を出てみよう。

 私はベッドから出て扉のドアノブを握る。

 ドアノブを回して手前に引くと、鍵は掛かっておらず、引っかかる事無くドアを開ける事が出来た。

 ドアの隙間から外を覗き見てみるが、外には誰もおらず、ただ灯りが灯されている通路が見えただけであった。


 左右を確認して部屋を出てみたが、特に何かいるわけでもなかったため、少し通路を歩いてみることにした。

 通路の壁には、肖像画や綺麗な絵がいくつも飾っており、裕福な家である事は天蓋付きのベッドの事から判断できた。


「それにしても誰とも会わないなんてね…」


 正直誰かしらには出会うと思っていたのだが、当てが外れたようだ。

 道中部屋がいくつかあったが、どれも鍵が掛かっていたり、中には誰もいない部屋しかなかった。

 しばらく歩くと階段がある場所に辿り着いた。


「んー…」


 出口があるであろう下に行くのが無難そうだけど、今回に至っては条件をクリアしないと制限が解除されないとなると、すんなり脱出はできないだろう。

 となると、上を目指して親玉とかその条件の対象に出会う必要があると思う。

 なので私は階段を降らずに上へと上がった。


 階段を上がると、先程のような通路が広がっていた。

 先程からも感じたが、やはり外の様子を見れるような窓が全く見られない。

 完全に外部からの情報を得られないようにした作りの屋敷のようだ。


「って…あれ?」

「っ!?」


 歩いている私の目の前に、金髪の小学生ぐらいの女の子が現れた。

 だが、私を見ると同時に逃げ出してしまった。

 私も女の子を追いかけるが、ステータスが制限されてるため、うまく追いつけない。

 だが彼女はちょうど行き止まり近くの部屋に逃げ込んだようだ。

 私はゆっくりとドアノブに手を掛け、一呼吸ついてから部屋の中に入った。

 少女はベッドに隠れ、こちらを伺っているように見えた。


「貴女…誰…?」

「えっと…」


 誰と言われても…場所もわからないんだけどなぁ…。


「私はアリス。でもここはどこなの? 私気づいたらここにいて…」

「気づいたら…? ここは湖畔のお城だよ? 許可がないと立ち入りは禁止されてる場所だよ?」

「湖畔…ってことはあの川みたいな湖みたいなところの中心にあるお城?」

「そうだけど…。お姉ちゃんどうやってここに入り込んだの?」

「どうやってって言われてもな…」

「それは私がここに運んだからですよ」

「っ!?」


 背後で声がしたため、咄嗟に前に飛んで後ろを向く。


「お母様!」

「あなたは…!」


 私の背後にいた人物、それはこの国の女王様であった。

 少女は女王様に駆け寄り、抱き着く。

 女王様は少女の頭を撫でつつ、こちらを向く。


「まず初めに、手荒な真似をした事を謝罪します。ですが、この城について知ってしまった貴女を返すわけにはいきませんでしたから。それに、血を喰らう鬼に魅入られし貴女は私にとっても都合がよかった」

「血を喰らう鬼に魅入られ…? どういう事ですか?」

「自覚がない…というよりは、気づかない内にそうなっていたということですか。何か吸血鬼に血を吸われたり彼らの書物を読んだとかはありませんか?」

「書物…あっ!」


 書物と言われれば一つ思い当たる節がある。

 おそらくあれを読んだため、女王様の言う血を喰らう鬼に魅入られたのだろう。


「ですが、貴女がその呪いを受けていたおかげで、居場所はわかったのですから結果的には良かったのでしょう」

「呪い…ですか?」

「えぇ。しかし、立ち話も何ですし、私の部屋で話しましょう。メアリもついてきなさい」

「はい、お母様」


 一体、何がどうなっているんだろう…。

 これは気合を入れないといけないかもしれないね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ