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Nostalgia world online  作者: naginagi
第四章
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子供は急に成長する

「避暑?」


 お店でまったり清算作業をしていた私のところに、突然リンが押し掛けてきた。


「銀翼のメンバーもぼちぼち泳げる防具手に入れたから、エルフの里に向かうついでに、クラー湖で泳ごうか~っていうことよ~」

「確かにエルフの里ってクラー湖の先だけど…」


 大勢で行ったらイカグモさんたち怒らないかな…?


「ちなみにメンバーは?」

「銀翼で行けるメンバーほぼ全員ね。大体六十人ぐらいかしら?」

「流石最精鋭ギルド…」


 六十人ってレイド人数超えてるじゃん。

 まぁ、その中には生産職も含まれてるから多少は余裕あるのかもね。


「ちなみにルカと海花も含まれてるわ~」

「やっほー」

「えへっ…?」


 なんとまぁ用意周到なことで…。

 って、あれ?


「ショーゴたちは?」

「聞いたんだけど、今ちょうど火山に行ってて来れないんだって」

「また何とも熱いところに…」


 いくらこの世界がもう9月の中旬だとしても、この地方は比較的暖かいため、真夏とは言わなくてもポカポカとしている。

 その中であえて火山を選ぶあたり、素材とかが欲しいんだろうね。


「てか海花、ファンの人たちは?」

「セルトたちなら、今度のイベントのために色々と準備したいから、今回は遠慮させていただきます。海花様は楽しんできてください、って言ってました」


 いいのか…それでいいんですかセルトさんっ!


「まぁイベントも結構続いてるし、ここらで一つリフレッシュしといた方がいいかなっていう事なんだけどね~」


 確かに、ここのところイベントもあるし、次が大規模と予想されるため、少し気持ちのリフレッシュは必要だろう。

 おそらくこの案はエクレールさんだろう。

 てか銀翼ほぼ全員って事は団長さんもいるんだよね?

 団長さんって結構装備重そうだよね?

 ってことは、もし防具外す前に滑って湖に落ちたら…。


「ぶふっ!」

「アリス!?」


 つい団長さんが慌てる姿を想像して笑ってしまった。

 いけないいけない。

 こんなところ団長さんに見られたら変に思われちゃう。


「ちょっと思い出し笑いしちゃっただけ。んで、もう出発するの?」

「違うわよ~。アリスの事だからすぐ追いつけるだろうって先に出発してるわよ~」

「えっ? じゃあなんでAGIが高くないリンが…って、まさか…」

「アリスに抱っこしてもらうなんて初めてだから楽しみだわ~」


 あぁ、やっぱりそうなるのね。

 ついでに私は海花の方を見てみる。

 すると、海花もモジモジしながら両手の人差し指をツンツンと当てている。

 連れてってってことなのね。

 はぁ…。



「流石に重かった…」

「私はそんなに重くないと思うわよ~?」

「あっあたしもそこまで…」


 いや、背負ってる海花を落とさないように少し中腰になるのって結構辛いんだよ?


「ルカは大丈夫?」

「アリスが速度落としてくれたから、だいじょぶ」


 確かに二人抱えてたから速度落としたけどね。

 ルカも意外にAGI高いよね。

 私は二人を降ろして団長さんたちと合流する。


「おぉ来たか」

「あっ団長さん、お久しぶりです」


 久々に団長さん見たけど、なんか随分装備がゴツくなってるような…。

 まさに重装備という具合に鎧は首と四肢以外はガッチリ守られており、そこらの攻撃ではびくともしなさそうだ。


 そして団長さんの隣に佇むエクレールさん。

 相変わらず大人のお姉さんっぽいオーラが出ている。

 防具だったローブも新調されており、他の人も見ると覚えている限りほぼ全員の防具が新調されている。

 やっぱり攻略組となると、そういったところにも敏感なんだね。


 しばらく森を進むと、クラー湖に着いた。

 ほとんどの人たちは初見なのか、皆珍しがって湖の中を覗く。


「ではここで小休憩を取る! 各自休憩を取ってくれ!」


 団長さんの一言で、皆耐水性の服装になって思い思いの行動を取る。


「さて私もっと」

「ん」

「こっちで泳ぐなんて久々ですわ」


 私たちも耐水性の服装になって湖に近づく。

 しかし、さすがに人が多いのかイカグモさんたちは出てこないようだ。

 でもそうすると、せっかくのお土産のお刺身が渡せないので、一回潜って渡してきた方がよいだろう。


「じゃあちょっと私泳いでくるね」

「私も行く」

「あっあたしもっ!」

「ルカはちょっと海花見といてくれる? そんなにスキルレベル育ってないだろうし、こんなところで溺れて死に戻られても回収がめんどくさいし…」

「そっそんなぁー…」


 海花はがっかりするように両手を地面に手を付ける。

 ごめんね、海花。

 流石に人多くなると、イカグモさんたちも出てこれなくなりそうだから…。


 私はレヴィとネウラを出した後、四人を置いて湖の底に潜っていく。

 半分ぐらいの深さまで潜ると、イカグモさんも徐々に数を増やしてきた。

 ある程度増えてきたので、私はお土産の刺身が飛ばないようにゆっくりを出す。

 水の動きで刺身が流れていかないように注意しながら、イカグモさんたちはゆっくりと刺身を取って食べていく。


 さすがに水の中ではお礼の糸は編めないのか、気持ちしょんぼりしているように感じた。

 私は気にしないでいいよと言うように、イカグモさんの足を軽く撫でる。

 あまり潜ってても怪しまれるだろうし、そろそろ上にもどるとしよう。


「ぷはぁ」

「アリスアリス!」

「どうしたの、ルカ?」


 珍しくルカが興奮して話しかけてきた。


「ネウラが!」

「えっ?」


 ネウラにはレヴィもついてるだろうし、溺れるとかはないと思うんだけど…。

 不思議に思って私は湖から上がる。

 するとそこには…。


「お母さん?」

「ネウ…ラ…?」


 私が上がった側には、薄い緑色の肌に足から腰ぐらいにかけてが薔薇のような赤い花で包まれており、その花の周りには何本も太い蔓が生えており、頭には綺麗に咲いた花が付いている全長130cm程の中学生ぐらいの少女がいた。

 近くにはレヴィもおり、嬉しそうに鳴いている姿があった。


「うん、ネウラだよ。お母さん」

「成長…したの…?」

「うん。お母さんがここまで育ててくれたから、ちゃんと成体になれたよ」


 私は無意識に大きく成長したネウラに抱きついていた。

 ネウラも成長して大きくなった手で私を優しく抱き締める。


「おめでと、ネウラ」

「ありがと、お母さん。これで、やっとお母さんの役に立てるよ」

「そんな事、気にしないでいいのに…」


 ふと周りを見てみると、海花や銀翼のメンバーが号泣しているのが見えた。

 ちょっと、既に泣きそうなのに釣られちゃうからやめてよ…。

 そんな私の背後からルカが抱き締めてきた。


「ルカ?」

「ネウラ、成長おめでと」

「うん…ありがと、ルカ」


 帰ったらサイやリアにも報告しないとね。

 あとご馳走も用意ないと。

ネウラ(成体)のステータスは次話に!

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