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Nostalgia world online  作者: naginagi
第三章
145/370

取材前日

 ディセさんの一日取材の約束のつい前日。

 私はリーネさんから新しい装備ができたとの連絡が来た。

 しかし、今回は先に連絡が来たウォルターさんの方から行くことにした。

 なのでまずはウォルターさんのいるイジャードに向かった。


「失礼しまーす…」


 私がウォルターさんのお店に入ると、何人かのプレイヤーや従業員さんたちがいた。

 おぅ…ちょうど人がいる時にバッティングしてしまった…。

 店内のプレイヤーは私がいる事に気づいて驚いている。

 も…もしかしてこんなに人いるところでアレ言わないといけないの…?


「おや、アリス嬢。いらしていたのですか」

「はっはい…」

「どうぞこちらの部屋へ」


 私はウォルターさんに案内されて個室に入った。

 どうやら気を使ってくれたそうだ。


「気を使ってくださってありがとうございます」

「いえいえ、アリス嬢が人見知りという事は理解しておりますので大丈夫です」

「うぅ…」

「フフフッ。それでは本題に移りましょうか」


 ウォルターさんはそう言うと、紅色の鞘に納められた刀を実体化して机の上に置いた。

 私はその刀を持って鑑定する。



 紅椿(打刀)【装備品】

 製作者:ウォルター

 ATK+43

 追加効果:外皮特攻(微小)



「アリス嬢専用打刀『紅椿』。素材は以前使用した玉鋼を素材と配合率を変更して改良し、性能も向上しております。全長76cm、重量780g。脇差に比べると重くなりますが、STRを高めているアリス嬢としては少し軽いと感じるかもしれません」

「玉鋼の素材と配合率を変更ってどういうことですか?」

「簡単に説明致しますと、鉄と言っても良い鉄や悪い鉄、更に性質も多少異なっております。そういったのを選定したりしているわけです」

「つまりその組み合わせ次第で性能や特性が変わってくるってことですか?」

「おっしゃる通りでございます」


 ほぇ…。

 相変わらず凄いことしてるなぁ…。

 ともかく、せっかく作ってもらったのでアレを言わないと…。


「んんっ! …パーフェクトだウォルター」

「感謝の極み」


 やっぱりこれを言うのは少し恥ずかしい…。


「それで値段はいくらですか?」

「はい、今回追加効果が付きましたので88000Gとなります」


 んーまぁそれぐらいにはなるよね。

 ウォルターさんから追加効果を聞いた時に、リーネさんから聞いたもの以外に外皮や内皮に対しての特攻効果が付けられる素材があるというのだ。

 元々打刀は、【切断】が効かない敵に対して使うために作ってもらっていたので、そういった追加効果があるならそれを付けるべきだと考えた。

 その分値段は跳ね上がったけどね。


「ではまたメンテナンス等が必要な時はお越しくださいませ」

「ありがとうございます」

「そういえば、喫茶店を開いたそうですね」

「はっはい!」

「時間が空きましたら伺いたいと思いますので、その時はよろしくお願いします」

「いっいえいえっ! こちらこそよろしくお願いします!」


 ウォルターさんもお店に来るのか…。

 色々料理増やさないと…。


 さて、次はリーネさんのところに行かないと。

 まぁ服とか色とかちゃんと言ったから大丈夫だよね!



「いらっしゃいにゃー」

「こんにちは」


 私がリーネさんのお店に入ると、リーネさんは元気よく声を掛けてきた。

 どうやら待ちわびていたようだ。


「じゃあさっそくなのにゃ」


 リーネさんは私が依頼した着物を実体化させる。

 紅色が基本で、紺色の襟と帯が入っていた。

 それに裏地が白色となっており、背中には百合の花の模様が描かれていた。

 長さは今まで通り七分でお願いしていたので、ぶかぶかになりはしないだろう。


「どうにゃ?」

「はい、とっても気に入りました」

「それはよかったにゃ。じゃあさっそく着てみるかにゃ?」

「お願いします」


 リーネさんから着物を受け取り、装備を変えて着替える。

 今まで着ていた装備と同じように、特に違和感を感じなかった。



 絹の着物(紅紺)【装備品】

 製作者:リーネ

 DEF+37

 DEX+9

 追加効果:ダメージ軽減(微小)



 以前と比べると性能が格段と上がっていた。

 まぁ以前がかなり前だから、それに比べたら上がってるよね…。


「じゃあお支払いを…」

「あっ、ちょっと待つにゃ」


 私が支払いの事を言うと、リーネさんは待ったを掛けた。

 一体何事かと思っていると、リーネさんは狐のお面を実体化させた。


「これもセットで付けるにゃ」

「これは…?」


 私はそのお面を受け取って鑑定を掛けてみる。



 狐のお面【装備品】

 製作者:リーネ

 追加効果:認識阻害(小)、気配遮断(微小)



 ん?

 認識阻害?

 私はリーネさんにどういうことかを聞いてみた。


「そのお面を顔に付けると、アリスちゃんという存在を認識し辛くなるのにゃ」

「存在を…?」

「簡単に言えば、アリスちゃんをアリスちゃんって思わなくなるってことにゃ。まぁ看破系のスキルが高かったら、見破られちゃうかもしれにゃいけどね」


 なるほど…。

 って、そんなお面被ってたら逆に目立ちそうな気がするんだけど…。


「たぶんアリスちゃんが疑問に思っている事については、気配遮断の方で気にならなくなるはずにゃ」


 どうやら気配遮断の効果としては、存在を希薄にさせるといったもので、認識阻害と効果が合わさって気づかれにくくなるらしい。

 って、冷静に考えるとこれかなり良い物じゃないの!?


「これは実験も含めてなのにゃ。アリスちゃんみたいな暗殺者タイプが使ったら、その結果がどんな感じなのかモニターしてもらいたいのにゃ」


 あぁ、そういう実験でやるってことなのね。

 そういうことなら引き受けましょう。


「じゃあお面を入れてのお支払いですね?」

「そうにゃ。まぁお面の方はテストも含んでるから、そんなに掛からないにゃ」

「…普通お面の方が掛かるんじゃ…?」


 リーネさんの感覚が少しわからない…。


「えーっと、絹使って追加効果もあるから…全部で85000Gにゃ」


 私はリーネさんにお金を支払ってから、先ほど受け取った狐のお面を頭に付けて装備する。


「うんうん、やっぱり着物美女にはそういうお面が似合うにゃ」


 そんなに似合っているのかなぁ…。

 まぁテストも含めるっていうし、明日挑む予定の山王鳥がいいテスト相手になるかな?

 私はお礼を言ってお店を出た。


 家に戻ったので、サイやリアにオニューの装備を見せたところ、リアは素直に褒めてくれたのだが、サイはなんだか照れてる。

 なんでだろうか?

 まぁ明日は一日お店に入れないから、今のうちに色々準備しとかないと。


 山王鳥…うへへっ。

 絶対卵手に入れてやる!

 あっ、でも卵を手に入れてそれを育てた方がいいのかな?

 まぁそれは手に入れてからサイと相談しよう。

 ともかく、あれだけ下見したんだから、手に入れられるといいんだけどな…。

センター試験の時期だからめっちゃ寒いです…。

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