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白昼夢
昔、淡く儚い美しい世界をみた。
それは白昼夢のように、非現実的で幻想的。
当時の光景は、大人になった今でも記憶の中で鮮明に残っている。
船に乗って白い着物を着たきれいな女の人が
何人かのお供を連れてやってきて。
陸に降り立つとたくさんの人に出迎えられていた。
みんな笑顔でうれしそうで幸せそうで。
心地良い風が吹いていて、散る桜の花びらが
粉雪のように舞っていた。
晴れの日吉日、春霞花霞。
その頃は、まだこれがこの地域に伝わる伝統的な儀式だとは知らず。
ただただ美しい世界に見とれていた。
後々になってこの小さな港町の歴史や文化を知ると
あぁ、私は本当にすてきな町に生まれたと
思ったんだ。




